お買い得「ボルボS70クラシック」に乗る

1998.11.27 自動車ニュース
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お買い得「ボルボS70クラシック」に乗る(11/27)

軽井沢ではボルボS70の特別仕様車「S70クラシック」にも試乗した。低圧ターボ搭載車に豪華装備を施し、価格を下げたモデルだ。

「ボルボS70クラシック」は2.5リッター20バルブ直5DOHCライトプレッシャーターボを搭載したモデルに、スタビリティ&トラクションコントロールを装着し、本革シートやCDつきオーディオなどを装備したモデル。にもかかわらず価格は460万円と、98年モデルで同格であった「S70 2.5T」よりも50万円安くなったお買い得車だ9年モデルより、S70シリーズはベーシックな「S70 2.5」(390万円)とこの「S70クラシック」の2グレードに整理された。

193ps/5100rpmの最高出力と、27.5kgmの最大トルクを1800〜5100rpmにかけて生み出す低圧ターボ・ユニットは、出力の値こそ変わらないけれど、エンジン部品の80パーセントにおよぶ改良がなされたという。各部の形状、材質の変更がなされ、冷間時の排ガス浄化性能を向上させるために、今回から排気側にCVVT(可変バルブタイミング機構)が設けられた。またエンジンマネージメントの設定変更や、電子スロットル、学習機能つき4ATの採用により、燃費が向上し(105モードでリッター8.1キロから9.0キロへ)、排ガス浄化性能も改善されている。安全装備については「V70ノルディック」と同じ改善がなされたほか、ABSとエンジンの燃料制御を併用したSTC(スタビリティ&トラクションコントロール)を装備している。

乗ってみての印象は、ひとことでいえば「ちょっと控え目にスポーティなセダン」といった感じだ。室内空間は前席、後席ともに問題のない広さが確保されている。「V70ノルディック」同様、どっしりとしたシートは座り心地がよく、疲れが少なそうだ。乗り心地は適度に柔らかく、適度にスポーティなダンピングが効いている。しかしリアサスペンションは柔らかすぎるのか、後輪はフラット感にとぼしく、荒れた路面での突き上げも激しい。ゆえに前席はよいのだけれど、後席の乗り心地はよくない。後席の窓が半分くらいまでしか開かないのも気になった。

実用的な回転粋で幅広く最大トルクを生み出すエンジンは、文字どおりのフラットトルク型。とても扱いやすく、必要十分に速い。けれど俊敏なレスポンスや官能的なサウンドといった「熱い」味つけは希薄だ。高速道路ではエンジンノイズやロードノイズは静かで、乗り心地も(前席は)十分フラット。ただ110km/hを超えたあたりから風切り音がやや気になった。ハンドリングは自然で扱いやすく、山道ではその気になればそれなりのペースで走ることも出来ますよ、といった感じだ(積極的に「その気」にさせるものではないが)。

「S70クラシック」は、たとえば高速道路を長距離走ることが多くて、ちょっとスポーティなボルボのセダンがほしい、という人には悪くない1台だとはいえると思う。ただ、同クラス同価格帯のライバルと比べた場合に、もうひとつ個性が希薄な気もする。もっとも、あまり個性を主張せずに実用性に徹しているあたりがボルボのよさである、とも私は考えるので、装備を簡略化してもう少し価格を下げたモデルがあってもいいかな、とも思う。革シートの独特の匂いになじめなかったせいもあるけど。(Web CG スヤマ/写真=河野敦樹)

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