リッター33キロの超省エネ「ルポ」に乗る

1999.08.13 自動車ニュース
 
 
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リッター33キロの超省エネ「ルポ」に乗る(8/13)

フォルクスワーゲン会長のドクターフェルディナンドピエヒが開発を指揮し、世界中が登場を期待していた超省エネカー「ルポ3L-TDI」が完成した。最大の特徴は3リッターの燃料(軽油)で100キロ、日本流にいえばリッター33キロを超える超低燃費にある。

欧州のジャーナリストに向けた「VWルポ3L-TDI」の試乗会はスウェーデンのイエテボリで行われた。ボクはドイツで乗せてもらった。

ベースになったのはVWの最小モデル「ルポ」である。全長3.53メートルというコンパクトカーだ。今回発表された「ルポ3L-TDI」は特別にドア、リアゲート、そしてシートフレームがアルミニウム製となり、さらにステアリングホイールはマグネシウム製、そのうえ窓ガラスが通常のモデルより薄くなっている。それによって車重をスタンダードのSDIよりも205キロも軽い830キロにまでダイエットさせている。

フロントのエアインテークを小さくしてCD値を0.29にまで減少させているのも「ルポ3L-TDI」の特徴だ。エンジンはアルミブロックを持つ1191cc3気筒ターボディーゼル(61馬力)を搭載、155/65R14Tサイズの「ブリヂストンB381」という転がり抵抗の少ないタイアを履いている。

トランスミッションはエレクトロ・ハイドロリック式の5段シークエンシャルオートマチックで、シフトパターンはポルシェのティプトロニックと同じである。乗って最初のうち、プラスとマイナスと書かれたゲートを使い、積極的にマニュアルでシフトアップ、シフトダウンを繰返していたら、特別に設けられた燃費計がリッター5キロ近くを指してしまった。要するにほかの小型車とあまり変わらない燃費、ということだ。

3リッターで100キロ走れるためにドクターピエヒが設けたデバイスは「ECO」スイッチだ。これをセットして、セレクターをEポジションに置くと、高回転でカットオフが働いたり、シフトアップのタイミングが早くなったりする。さらにブレーキを踏んで停車後、数秒経過するとエンジンが自動的にお休みしてしまう。発進時はスロットルペダルを踏むとエンジンが始動する。

最高速度はメーター読みで時速160キロ以上を超えることがない。走ってみるとちょっとかったるさが感じられ、動作にも慣れが必要となる。誰もが最初からすんなりとクルマに馴れるというわけにはいかない。しかしその代償として、燃費計は「2.8リッター/100キロ」を示した。リッター37キロである!

「3リッターカーを21世紀に間に合わせる!」。とかつてドクターピエヒは宣言したが、たしかにその約束が守られたことになる。

省エネ・ルポの値段だが、スタンダードで2万6900マルク(約175万円)である。ガソリン仕様のルポ1.0より8450マルク(約55万円)も高価である。100キロあたり1.5リッターの燃費差があるとしても33万キロ走らないと元は取れない。年間の走行距離が長いドイツでも10年以上かかるだろう。

「ルポ3L-TDI」を買う人は普段はメルセデスSクラスなどに乗っているのではないだろうか。大排気量のクルマに乗っているという罪の意識を軽減するために、セカンドカーあるいはサードカーとして「ルポ3L-TDI」を買うのではないか。そういう図式がいかにもぴったりくるようにボクは思うのだが。(報告=木村 宏)

編集部から 「News」は16日および17日、お休みします。

 
 
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