【スペック】全長×全幅×全高=4535×1870×1510mm/ホイールベース=2725mm/車重=1550kg/駆動方式=FF/1.6リッター直4DOHC16バルブターボ(156ps/6000rpm、24.5kgm/1400-3500rpm)/価格=400万円(テスト車=445万円/クラブレザーシート=45万円)

シトロエンDS5シック(FF/6AT)【試乗記】

完全無欠のクロスオーバー 2012.07.22 試乗記 シトロエンDS5シック(FF/6AT)
……445万円

スタイリングと実用性の類いまれなる融合例(!?)として目下話題の「シトロエンDS5」。見てよし、触れてよしの希代のクロスオーバーは、どんな走りの後味を残すのか。

実用車なのにカッコいい

それにしてもカッコいいクルマをつくったもんだ、「シトロエンDS5」。「DS〜」という、シトロエンがプレミアムラインにつける車名自体は、かつてのDSが偉大すぎて「安売りするんじゃねー!」と思わないでもないけれど、DS登場から60年弱、生産中止から40年弱、あの素晴らしきヘンテコリンにこだわっていてもしかたないし、シトロエンが使うと決めたんなら支持しよう。

いやカッコいいクルマなら他にいくらでもあるが、実用性を損なわずにカッコいいとなるとだいぶ狭まってくる。DS5は「C4」から派生したミニバン「C4ピカソ」のプラットフォームを使ってつくられている。4ドアで、全高は1510mm。これは少し大きめの実用車のディメンションだ。

そして、前席はもちろん、後席も大人3人が無理なく長時間を過ごすことができる。当然2人ならより快適だ。にもかかわらず、厚みのあるボディーに小さなキャビンを載せていて、スポーティーなハッチバックにも見えるし、クーペにも見える。見ようによっては低いミニバンにも見える。シルエットを強調するためにAピラーだけボディー同色とし、残るピラーはすべてブラックアウトされている。デザイナーのやりたい放題だが、低く、尖(とが)っていないとカッコいいのができないわけではないことの証明になっている。

そして、ここからがDS5の真骨頂。美しいフォルムのボディーのあちこちにクロムのパネルを貼った。おおかた貼り終えてまだ余っていたのか、ヘッドライト上端からドアミラーの辺りまで、シトロエンが「サーベルライン」と呼ぶ、女性のやりすぎた眉毛みたいなクロムを大胆に配置している。また、ボディーサイドに複雑なプレスラインを施し、まるで成形技術の見本市のよう。

結果、DS5以外の何者でもないという存在感が生まれた。よそが絶対やんない、できないノリだ。性能がどれも似通ってきた現代のクルマは、認識率を高めるべくヘッドライトやフロントルグリルの形状で試行錯誤しているが、サーベルラインはその新たな潮流になるかもしれない。いや、ならないか。日本やドイツのメーカーがやったら大けがしそうだ。

ルーフに設置されたコンソールや、操縦かんをイメージさせるフラットボトム型ステアリングなど、運転席は航空機のコックピットのイメージ。テスト車にはディーラーオプション「SSDナビゲーションシステム」(20万4750円)が装着されている。
ルーフに設置されたコンソールや、操縦かんをイメージさせるフラットボトム型ステアリングなど、運転席は航空機のコックピットのイメージ。テスト車にはディーラーオプション「SSDナビゲーションシステム」(20万4750円)が装着されている。
腕時計のベルトをモチーフにした「クラブレザーシート」。ドイツ・バイエルン産の高級牛革を使用している。45万円のオプション。
腕時計のベルトをモチーフにした「クラブレザーシート」。ドイツ・バイエルン産の高級牛革を使用している。45万円のオプション。
“ウオッチストラップ”のモチーフは後席にも反映される。もちろん居住性も上々。「個性」の名の下に実用性を犠牲にしないのは、シトロエンの良き伝統。
“ウオッチストラップ”のモチーフは後席にも反映される。もちろん居住性も上々。「個性」の名の下に実用性を犠牲にしないのは、シトロエンの良き伝統。
ヘッドランプの先端からドアミラーの辺りまで伸びるクロムのアクセントが「サーベルライン」。ボンネットをより長く、キャビンをよりコンパクトに見せる効果があるのだそうだ。
ヘッドランプの先端からドアミラーの辺りまで伸びるクロムのアクセントが「サーベルライン」。ボンネットをより長く、キャビンをよりコンパクトに見せる効果があるのだそうだ。
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