トヨタのロードスター「MR-S」に乗る

1999.10.21 自動車ニュース
 
 
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トヨタのロードスター「MR-S」に乗る(10/21)

アオダンこと、NAVI編集部青木禎之記者による「MR-S」の試乗インプレッション。

10月12日、トヨタのミドシップ2シーター、「MR-S」の販売が開始された。トヨタがその後継ではない、と主張する「MR2」とあえて比較すると、“走り”に振られた「MR2」より、極めてカジュアルで、ライトなスポーツカーとなった。峠好きにだけでなく、より一般的なクルマ好きに開け放たれたモデルなのである。

2450mmというロングホイールベースにより、直進安定性を確保する一方、前後のオーバーハングを切りつめ、徹底した軽量化を施した結果、キビキビしたハンドリングを獲得したという。車重はベーシックモデルで、わずか960kg。しつこいが「MR2」より400kg以上も軽い!

で、この「MR-S」に10月18日にハコネで試乗した。

写真では平板に見える「MR-S」だが、実車は抑揚があって、ズッと魅力的。小柄で、ギョロ目が愛らしい。ただ、フェラーリ・ディーノもどき(失礼!)から、ポルシェ・ボクスターもどき(再び失礼!)になった、とのそしりはまぬがれまい。

着座位置は低く、ハンドルが大きく、クラッチはのれんのように踏み応えがない。が、走り出すと、これがイイんだ! 軽快で、ハンドリングがよくて、限界が低くて(?)、ホント、手のうちに入っているよう。リアは簡単にスライドするが、さらに攻めてもフロントが外に逃げる設定なので、安心感が高い。ミドシップのピリピリした緊張感を望むむきには、ちょっと拍子抜けか。

セリカの非力バージョンと同じ1.8リッター「1ZZ-FE」ユニットは、可変バルブタイミング機構を備え、必要充分な140PS/6400rpmの最高出力と、17.4kgm/4400rpmの最大トルクを発生するものの、際立った個性はない。ギアボックスは、当面、5段MTのみ。

「MR-S」は、マツダ・ロードスターから“走り”に対する執念を抜いた(ように見える)クルマである。名実ともに軽い。168.0〜198.0万円と、価格もマツダ・ロードスターといい勝負。ミドシップという難しいレイアウトを万人向けに上手にセッティングしているから、(機械的には)そのまま乗るのが一番。エンジンのパワーアップにも、足まわりを固めることにも、インチアップにさえ興味がない人向きだ。気楽に乗りたい。(NAVI編集部アオキ) 

トヨタ自動車「MR-S」サイト:
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Mr-s/index.html

 
 
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