アウディ「S4アバント」に乗る

1999.11.09 自動車ニュース
 
 
991109_018.gif

アウディ「S4アバント」に乗る(11/9)

アウディジャパンが10月14日に発売した「S4アバント」に試乗した。265馬力エンジンに4WDシステム搭載の高性能スポーツワゴンだ。価格も744.0万円と超ド級。

「アウディS4アバント」は、専用の2.7リッターV型6気筒DOHC5バルブエンジンをもち、各バンクにレスポンスにすぐれた小型ターボチャージャーを装着、最高出力は265psを発生する。さらにフルタイム4WDのクワトロシステムと、6段マニュアルギアボックスが採用されている。


高性能ワゴンというのは1980年代からアウディのお家芸みたいなものですね。最近ではA4の先代にあたる80アバントにもRSというホッテストバージョンが設定されていました。「ポルシェ」の刻印が入った真っ赤なブレーキキャリパーがカッコよかったですね。

あれはボクも欲しかった! ポルシェが自分たちが欲しいワゴンというコンセプトで、エンジンや足まわりも手がけた、というのがよかったんです。

しかしそんなことを知らないひとには、S4アバントといっても、レガシィの二番煎じと思われちゃうかもしれません。

乗ってみると、シャシーはレガシィ以上の剛性感です。これがこのクルマの最大の魅力です。サスペンションの設定はかなり固めですが、にもかかわらず、ボディがよじれることがないので、乗員は不安感も不快感もおぼえません。

ボクはエンジンとハンドリングに感銘をうけました。スムーズに上まで回る快感があるのと、とくに高速コーナーでは思ったとおりのラインをトレースしてくれる正確さは、すばらしいのひと言ですね。ただ乗り心地はよくないです。

スプリングとダンパーが固めになっているせいですね。「S4アバント」の場合、ダンパーの減衰力、それも伸び側がちょっと弱いんですね。それでややおさまりが悪いと感じられるんです。しかし前後スタビライザーのロール剛性はこのクルマに最適なものを使っているので、おかげでハンドリングはほとんどニュートラルになっています。

ただ、このご時世で、環境問題が声高に叫ばれているときに、こんな能天気なクルマでいいのだろうか、という疑問も出ますが。アウディ自身、直噴ディーゼルエンジンとか軽量化アルミボディのA2とか、新しい時代へ向けたテクノロジーを喧伝しているというのに、ね。

アウディはいま日本では、スポーティなイメージを定着させようとしているんですね。だからTTとかSシリーズとかに力を入れているんでしょう。しかしこのことを別の方向から見れば、いまのアウディはほぼ無色透明なのだから、いっそのこと、一足飛びに環境適合性の高いメーカー、と自社を位置づけるようなプロモーションを採用してもよかったのかもしれません。でもまあ、「S4アバント」のような金のかかったクルマ、日本のメーカーでは作れないだろうから、感心しました。

松本英雄

小川フミオ(NAVI編集部)

 
 
関連記事
  • アウディA4アバント2.0 TFSIクワトロ(4WD/7AT)【試乗記】 2016.5.10 試乗記 2016年4月に国内販売がスタートした、最新型の「アウディA4アバント」に試乗。6代目となったアウディブランドの代表的ワゴンは、どんなクルマに仕上がっているのか? 走行性能や乗り心地、使い勝手を報告する。
  • アウディA4アバント1.4 TFSIスポーツ(FF/7AT)【試乗記】 2016.12.26 試乗記 ダウンサイジングターボエンジンやApple CarPlay、渋滞時の運転支援システムなど、先進機能を備えた「A4アバント1.4 TFSIスポーツ」に試乗。筆者が「未来を感じた」という背景には、アウディのクルマづくりへの真摯(しんし)な姿勢があった。
  • アウディA5クーペ2.0 TFSIクワトロ スポーツ(7AT/4WD)【試乗記】 2017.5.24 試乗記 流麗なスタイルが自慢の「アウディA5クーペ」が、9年ぶりにフルモデルチェンジ。新型はどんなクルマに仕上がったのか、2リッターの4WDモデル「2.0 TFSIクワトロ スポーツ」に試乗して確かめた。
  • アウディA4アバント2.0 TFSIスポーツ(FF/7AT)【試乗記】 2016.6.21 試乗記 アウディといえば四輪駆動のクワトロにとどめを刺すが、FFモデルも侮ってはいけない。「A4アバント2.0 TFSIスポーツ」に乗れば、透明で清涼感に満ちた新しいアウディが味わえる。「らしさ」が再定義されていることに気づくはずだ。
  • トヨタが新型「カムリ」日本仕様の内外装を初公開 2017.5.19 自動車ニュース トヨタ自動車は、新型「カムリ」の日本仕様の内外装を、オフィシャルウェブサイト上で公開した。2017年1月の北米国際自動車ショーで、米国仕様が世界初公開されており、日本市場には同年夏ごろの投入が予定されている。
  • ポルシェ・カイエンGTS(4WD/8AT)【試乗記】 2017.5.16 試乗記 発表から7年、その後のマイナーチェンジからもはや2年半が経過した2代目「ポルシェ・カイエン」。もはや円熟の域に達した感のある同車は今、われわれにどんな走りを見せてくれるのだろうか。スポーティーな「GTS」グレードのステアリングを握った。
  • アウディA4アバント 2.0 TFSI クワトロ(4WD/7AT)【試乗記】 2012.6.27 試乗記 アウディA4アバント 2.0 TFSI クワトロ(4WD/7AT)
    ……653万円

    デザインや機能に変更が加えられた、アウディの基幹モデル「A4」。そのワゴンバージョン「アバント」の走りをリポートする。
  • アバルト595(FF/5AT)【試乗記】 2017.5.19 試乗記 FCAが擁する高性能スポーツブランド「アバルト」のラインナップにおいて、最もベーシックなモデルとなるのが「595」である。刺激的な走りと門戸の広さを併せ持つAT仕様に試乗し、“さそり印”のスポーツカーに受け継がれる伝統に思いをはせた。
  • アウディQ2ファーストエディション(FF/7AT)【試乗記】 2017.5.18 試乗記 アウディのSUVファミリーである「Qシリーズ」に、最もコンパクトな「Q2」が登場。「今後の販売の柱」と位置づけられるニューモデルの実力を、装備充実の1.4リッターモデルで確かめた。
  • 特別な仕立ての「BMW 318i」200台限定で発売 2017.5.11 自動車ニュース BMWジャパンは2017年5月11日、洗練されたスタイリングとモダン&クラッシックなインテリアでスタイリッシュ感を高めたという特別仕様車「BMW 318iクラシック」を、200台限定で発売した。
ホームへ戻る