日産「ハイパーミニ」に乗る

1999.11.30 自動車ニュース
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日産「ハイパーミニ」に乗る(11/30)

日産が試験運用を開始した小型電気自動車「ハイパーミニ」に乗った。

これまで日本の自動車メーカーが手がけたEV(電気自動車)は、ホンダEVプラスなどを除いて、“大柄な”車輌(トヨタRAV4やニッサン・ルネッサなど)をベースとしたものばかりだった。しかし最近、新たな動きが起こり始めた。街中での利用にしぼって開発されたミニEVが登場しているのだ。ITSなど将来の交通管理システムに対応し、自治体や法人などで共同利用するシティコミューターとしてEVを使おうというのである。その具体例が、日産が試験運用を開始している小型EV「ハイパーミニ」だ。

このコンパクトなEVは、1999年1月から神奈川県横浜市・横浜みなとみらい21地区で実施される実証実験プロジェクト「都心レンタカーシステム」や、同県海老名市でのパーク&ライド実験「海老名プロジェクト」でテストを兼ねて使われる。さらに公的機関や法人へのリース販売が中心とはいえ、1999年2月からは固定式充電器込みで400万円(キャスター付き充電器付き:401.5万円)の価格で販売も始まる。

あの“スマート”を直線的に仕立て直したかのようなスタイリングは、未来を感じさせるもの。ボディサイズは2665×1475×1550mmと、幅が“軽規格”に収まるだけでなく、全長で約500mm、ホイールベースではおおよそ400mm以上も軽自動車に比べ短い。ニッケル水素バッテリー(約150kgとけっこう嵩張る)は床下に搭載され、後輪を電気モーターで駆動する“RR”を採用する。アルミスペースフレームやアルミ/樹脂製ボディパネルの採用は、バッテリーによる重量増を補うための工夫であり、車重を840kgまで抑えることに成功している。

東京都内を一日走らせば、まさに街乗りにうってつけであることが実感できる。60km/hまでの加速なら、軽自動車はもちろん、1.6リッター・クラスの営業車ぐらいまでなら引けをとることはない。信号待ちからのスタートでも、ドンとアクセルペダルを踏み込んでやれば、交通の流れをいとも簡単にリードできる。最小回転半径も3.9mと、狭い路地をすり抜けるにも便利だ。ホイールベースが短いために常に軽いピッチングに晒されるのが玉に瑕だが、都内の渋滞のなかで走らせるには、これほど精神衛生上よいクルマもないだろう。

排ガスをまき散らすトラックを尻目に、そのクリーンさを満喫できるのだから。価格/インフラ/航続距離(公称値は115kmだが実際は70〜80kmといったところ)など、乗り越えなければならない問題は山積している。けれども、東京の街をもっと“キレイに”かつ“広く”使うには、これほど最適なクルマは他に見当たらない。(CG編集部 岩尾信哉)

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