日産、「セレナ」用のハイブリッド技術を公開

2012.07.18 自動車ニュース

日産、「セレナ」用のハイブリッド技術を公開

日産自動車は2012年7月18日、ミニバン「セレナ」に用いるハイブリッド技術の概要を公開した。

5ナンバーフルサイズのミニバンの銘柄別販売台数第1位で、トヨタの「ヴォクシー」および「ノア」連合軍と激しく市場を争っている「日産セレナ」。日産の稼ぎ頭である「セレナ」は近日マイナーチェンジを迎えるが、その際に主力グレードが「S-HYBRID」と呼ばれる仕様となることが明らかになった。

「S-HYBRID」とは、「スマート(賢い)でシンプル(手軽)なハイブリッド」という意味である。現行セレナのセリングポイントであるクラス最大の室内空間と使い勝手のよさをまったく犠牲にすることなく、しかも現行のアイドリングストップ機構付きのグレードとほぼ同じ価格のまま、さらに優れた環境性能をも実現するのが「S-HYBRID」なのだという。

その名称の由来のとおり、「S-HYBRID」の仕組みはシンプルだ。現行セレナの直噴2リッター直4エンジンに採用されているECOモーター式アイドリングストップシステムをベースに、ECOモーターの容量を拡大。それによって減速時に発生する運動エネルギーを電力に変え、バッテリーに充電するエネルギー回生量をアップ。加えてサブバッテリーをエンジンルーム内に追加し、蓄電容量も高めた。そうしてバッテリーに蓄えた電力によって、アイドリングストップの頻度を従来より高めて燃料を節約。さらに電力に余力があれば、発進や加速時にECOモーターがエンジンをアシストする。電装品およびエンジンアシストへの電力の配分は、ECM(エンジンコントロールモジュール)が、燃費が最善になるように判断して決定するという。

すべてのシステムがエンジンルーム内に収まっているため、大容量のバッテリーを必要とする従来のハイブリッド車に対し、居住空間への影響はゼロ。またシステムがシンプルなため、マイナーチェンジに伴う装備向上分を除くと、車両価格は現行のアイドリングストップ機構付き仕様からほぼ据え置きというのが、「S-HYBRID」の魅力である。

「エネルギー回生発電」「アイドリングストップ」「ECOモーターによるエンジンアシスト」の3つの要素からなる「トータルエネルギーマネジメント」を行う「S-HYBRID」の導入により、JC08モードでの燃費は現行セレナ(アイドリングストップ付き)のリッターあたり14.2kmから、クラストップの15.2kmに向上。平成27年度燃費基準+20%達成車となり、購入時に自動車取得税および重量税が免税されるが、これはクラスで唯一となる。

日産ではモーター出力とバッテリーサイズにより、ハイブリッド技術を「ストロングハイブリッド」「マイルドハイブリッド」「マイクロハイブリッド」の3つに分類している。アイドリングストップおよび回生充電がメインで、燃費改善効果が10%程度の「S-HYBRID」は、このうち「マイクロハイブリッド」の技術と位置づけている。「マイクロハイブリッド」は、アイドリングストップとマイルドハイブリッドの間を埋める技術として各社が開発しているが、日産とルノーのアライアンスは、今後も次世代マイクロハイブリッド技術の研究開発を進めていくという。

(文=沼田 亨)

「日産セレナ」の「S-HYBRID」グレード。ランプ類やエンブレムは独自のデザインのものとなる。
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シンプルかつコンパクトであることがウリの「S-HYBRID」ユニット。室内空間の広さに対する影響はゼロである。
シンプルかつコンパクトであることがウリの「S-HYBRID」ユニット。室内空間の広さに対する影響はゼロである。
「S-HYBRID」ユニットのカットモデル。
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リアコンビランプはLED式。クリアなハイマウントストップランプも与えられる。
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