高級カーオーディオ「デンオンDCT-A1000」を聴く

2000.03.16 自動車ニュース
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高級カーオーディオ「デンオンDCT-A1000」を聴く(3/16)

3月8日のニュースではデンオンの高級オーディオ入門用CDプレーヤー「A1000」の概要をお伝えした。今日はカーオーディオ評論家の石田功さんが試聴リポートを寄せてくれたので、さっそくA1000の実力に迫ってみよう。

最高峰のA1、ミドルクラスのA100とラインアップを拡大してきたデンオンCDヘッドユニットの最新モデルがDCT-A1000。ホーム用の高級CDプレーヤー「S1、S10」の血統を受け継ぐ「Aシリーズ」だけに、たとえシリーズのエントリーモデルとはいえ、大いに期待したいところではある。

試聴はトヨタ・ヴィッツで行なった。搭載システムは、ヘッドユニットがデンオンDCT-A1000、フロントスピーカーが16cmセパレート2ウェイシステムのインフィニティKappa 60.1cs(6万円)、サブウーファーは同じくインフィニティの30cmユニットKappa Perfect10(5万円/1本)を2本、パワーアンプがデンオンDCA-760BL&DCA-660BL(各10万円)という構成である。

実はこのヴィッツ、以前からDCT-A100の試聴用として用意されていたもので、今回はDCT-A100をDCT-A1000に換装しただけ。スピーカー&パワーアンプは、DCT-A100を搭載していた当時と変わっていない。したがって、DCT-A100とDCT-A1000との音の違いを知るには格好の素材だった。

結論から先に言うと、ホームオーディオのサウンドをベースにした、ナチュラルで質感の高い音である。一部のカーオーディオにありがちな高域や低域の誇張感がなく、自然に音楽が耳の奥へ入り込んでくる。そのため、メリハリが少ないと感じる人もあろうが、音楽を聴く上でよけいな誇張感は必要なく、原音をありのままに再生するのが好ましいのは言うまでもない。

DCT-A100との比較で言うなら、高域の透明感と再生レンジの広がりという面では、明らかにDCT-A100のほうが勝っている。これはD/A変換部の違いだろう。DCT-A1000の1ビットDACに対し、DCT-A100は高度な20ビットDAC&アルファプロセッサーを採用しているからだ。ただしDCT-A1000が1ビットDACといっても、安物のラジカセなどで感じる質の悪さはない。DAC周辺のアナログ回路を丁寧に作り込んだ結果だろう。

低域はDCT-A100よりもむしろ、量感たっぷりに聞こえる。エネルギー感、しまり感はほどほどだが、自然に低域レンジが伸びているという印象である。

10万円クラスのCDヘッドユニットと言えば、アゼストDRX9255、カロッツェリアDEX-P1がライバルとなる。カロッツェリアDEX-P1の場合、内蔵DSPによるタイムアライメント機能、デジタルネットワーク機能などのアドバンテージがあるため一概には比較できないのだが、ルックスも含めた質感の高さではDCT-A1000が一歩リードという印象を受けた。(報告=石田 功)

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