マフラーメーカー「フジツボ」の新工場を覗いてきた

2000.03.31 自動車ニュース
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マフラーメーカー「フジツボ」の新工場を覗いてきた(3/31)

スポーツマフラーでお馴染みの藤壺技研工業が創業70周年を迎えると同時に静岡県裾野市に新工場をオープンさせた。その製造工程を見てきた。

藤壺技研工業は市販エグゾーストパイプの分野で大きなシェアを持つメーカーである。生産性の一層の向上を目指して工場を集約させたわけだが、今回その新工場の視察することができたので、どういう工程でエグゾーストパイプが作られているのかを簡単に紹介しよう。

ひと口にエグゾーストパイプといっても種類は多い。藤壷技研でも用途別に18種類の商品ラインナップを用意している。軽自動車用からRV用、さらにはこだわり派のための特殊素材ものや好みでテールエンドが選択できるタイプまで様々。これらの製品群でほとんどの日本車に対応させているのだから、そのバリエーションは無数といっていい。商品管理するだけでも大変だろう。

すべてのエグゾーストパイプはまず1本の直管に曲げ加工することから始まる。パイプの取り回しはクルマごとにまちまちなので、この作業を機械化するには1本のパイプのどのあたりにどのくらいの曲率でどのくらいの角度で曲げるかをプログラムする必要がある。そうしたデータを読み込んだベンディングマシンが写真のように正確に形を作りだしていく。これ以降の工程も基本的に機械化されているが、作業の準備や加工の確認にそれぞれ担当者が付いているので、商品管理もその時点でしっかり行なわれるわけだ。

もうひとつ興味深かったのが次々発売される新型車への対応はどうしているのかということ。藤壺技研では実車から正確に採寸し、オーダーメード品をまず作る。それをどういう形状になっているかを三次元トレースし、上記のプログラムを作っていくわけである。

機械化が進む一方で人の手作業に頼る部分も残されている。たとえば3番目の写真のように微妙な形状で作られるマフラーの部分。曲げ率を微妙に調整しながら1枚の板を丸めていく様はまさに職人芸といっていい。

工場はどの部分も清潔に保たれていて、整然と作業が進められていた。高い品質が求められるISO9001を取得しているのが納得できる工場視察であった。

フジツボといって思い出すのが60年代のグループ7マシーンで戦われていた日本GP。その注目のレースに「フジツボ・ロータリーセブン」というマシンが参加していた。華やかなレースに似つかわしくないカッコわるいマシンだったが、大胆にもロータリーエンジンを搭載していたことで気になっていたのだ。フジツボってどんなメーカーなんだろうと思っていたら通学途中の車窓に飛び込んできたのが「藤壷技研」の看板とバラックのような建物。そんな時代を思い起こすと今日の発展はまるでウソのようだが、同社のモータースポーツに賭ける意気込みは少しも変わっていないことがわかって何よりうれしかった。(WebCG おざわ)

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