フェラーリの新たな旗艦「F12ベルリネッタ」上陸

2012.07.05 自動車ニュース

フェラーリの新たな旗艦「F12ベルリネッタ」上陸

フェラーリの新たな旗艦モデル「F12ベルリネッタ」上陸

2012年7月5日、フェラーリ・ジャパンは今年のジュネーブ・モーターショーでデビューした、新たなフラッグシップモデルである「F12ベルリネッタ」を国内初公開するとともに、日本市場における価格を3590万円と発表した。


フェラーリの新たな旗艦「F12ベルリネッタ」上陸の画像
フェラーリ・ジャパン プレジデント&CEO ハーバート・アプルロス氏(写真左)とフェラーリS.p.A プロダクト・マーケティング マネージャー アンドレア・バッシ氏(写真右)。
フェラーリ・ジャパン プレジデント&CEO ハーバート・アプルロス氏(写真左)とフェラーリS.p.A プロダクト・マーケティング マネージャー アンドレア・バッシ氏(写真右)。
フェラーリの新たな旗艦「F12ベルリネッタ」上陸の画像

■さらに軽く、よりパワフルに

先代にあたる「599」より縮小され、70kg軽量化されたボディーに、599より120psも強力な740psという、フェラーリの量産ロードカー史上もっともパワフルな6.3リッターV12エンジンを搭載した「F12ベルリネッタ」。
2.1kg弱という圧倒的なパワー・トゥ・ウェイトレシオを誇り、パフォーマンスは最高速度が340km/h以上、0-100km/h加速が3.1秒。さらにハンドリングの改善や制動力の向上によって、「フィオラノ」のテストコースにおけるラップタイムは1分23秒と599より3秒5も短縮。最新のフェラーリは最良のフェラーリであるかどうかはともかくとして、F12ベルリネッタが「史上最速のロードゴーイング・フェラーリ」であることは間違いないだろう。

F12ベルリネッタのスタイリングは、創業間もないころからフェラーリを手がけてきたピニンファリーナと、フェラーリ・スタイリングセンターのコラボレーションにより行われた。
ボディーサイズ(カッコ内は「599」との差)は、全長4618mm(−47mm)×全幅1942mm(−20mm)×全高1273mm(−63mm)で、ホイールベースが2720mm (−30mm)。こうしたボディーのコンパクト化によって、車重は前述したように599マイナス70kgの1525kgに収まった。また、空力性能も大幅に改善されている。CFD(数値流体力学)を用いたシミュレーションと膨大な量の風洞実験の結果、ダウンフォースは200km/h走行時で123kgと599より76%も向上。いっぽうドラッグは減少し、Cd値は0.299となっている。

ボディーシェルはアルミ製で、シャシーもアルミニウム製の角パイプを主体とするスペースフレーム。製造は「458イタリア」や「カリフォルニア」と同様に、創業当時から協力関係にあったカロッツェリア「スカリエッティ」の名を受け継いだボディーメーカーの「スタビリメント・スカリエッティ」が担当。部分によって12種類ものアルミ素材を使い分け、また新たな工法を取り入れることによって、ボディーシェルとシャシーが裸の状態で599より50kg軽くなり、剛性は20%向上した。

■走りの技術のオンパレード

エンジンは基本的に「フェラーリ・フォー」用と同じ65度V12、自然吸気の直噴DOHC6262ccだが、圧縮比は13.5に高められ、最高出力はフェラーリ・フォーの660psからリッターあたり118psとなる740ps/8250rpmまで高められている。70.3kgmという強大なトルクは、その80%をわずか2500rpmで発生、すばやいピックアップを誇る。
目覚ましいパワーアップのいっぽうで、この新しいエンジンと軽量化、空力性能の向上など車両全体の改良によって、燃費は599に比べて30%削減され、リッターあたり約6.6km。CO2排出量は350g/kmに抑えられているという。

ギアボックスはクロスレシオを持つデュアルクラッチの「F1トランスミッション」。電子制御ディファレンシャルの「E-Diff」と一体化されており、1964年デビューの「275GTB」以来のフロントエンジン・ベルリネッタの伝統で、後車軸の直前に位置するトランスアクスル方式を採用している。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクと形式こそ599と同じだが、「SCM」(磁性流体ダンピングシステム)は、新たに「デュアル・コイル」技術と専用ソフトウエアを導入した最新世代にアップデート。路面からの入力やドライバーの操作に対する反応速度が大幅に改善された。
ブレーキはカーボンセラミックの最新版である「CCM3」で、フロントブレーキの温度が上昇すると空気で冷やすアクティブ・ブレーキ・クーリングも採用された。もちろん前出のE-Diff(電子制御ディファレンシャル)やF1-Trac(電子制御トラクション・コントロール)、ハイパフォーマンスABSといった、フェラーリ独自の統合制御システムも備わる。

去る5月、フェラーリのルカ・ディ・モンテゼーモロ会長は、「年内に発表する『エンツォ』の後継となる限定車は、フェラーリ初の市販ハイブリッド車になる」とアナウンスした。

フェラーリの新たな旗艦「F12ベルリネッタ」上陸

フェラーリのような高級スポーツカーメーカーとて、新型車のプレスリリースには「燃費とCO2の削減」をうたわねばならない流れからして、F12ベルリネッタのような「自然吸気の“純” 12気筒エンジン」を味わえる日々は、もしかしたらそう長くは続かないのかもしれない。

そんな思いもあってか、世間の景気はいっこうに上向く兆しが見えないにもかかわらず、すでに3590万円を払える人々がウェイティングリストに名を連ねているという。日本市場におけるデリバリー開始は2012年12月からの予定。

(文=沼田 亨)

関連キーワード:
F12ベルリネッタフェラーリ自動車ニュース

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • フェラーリ812スーパーファスト(FR/7AT)【海外試乗記】 2017.8.1 試乗記 車名の「812」とは“800psの12気筒”の意。FRのロードゴーイング・フェラーリとしては、史上最強かつ最速を掲げる「812スーパーファスト」。その実力をフェラーリのホームグラウンド、フィオラーノ・サーキットで解き放った。
  • アルファ・ロメオ・ジュリア クアドリフォリオ(FR/8AT)【試乗記】 2017.12.22 試乗記 新型「ジュリア」はアルファ・ロメオの復活を印象付ける力作だ。ドライバーズシートに収まり、久しぶりのFRシャシーを操ると、かつて馴染(なじ)んだあの感覚がよみがえる。まるで悪友に再会したような気分だ。510psを誇る「クアドリフォリオ」に試乗した。
  • トヨタ・ハイラックスZ(4WD/6AT)【試乗記】 2017.11.30 試乗記 10年以上のブランクを経て国内市場に復活した、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」。いざ日本の道を走らせてみると、外観からは予想できなかった身のこなしや乗り心地のよさに、驚かされることになった。
  • レクサスLS500h“エグゼクティブ”/LS500“Fスポーツ”/LS500h“Fスポーツ”【試乗記】 2017.12.21 試乗記 11年ぶりにフルモデルチェンジした、レクサスのフラッグシップセダン「LS」の仕上がりは? 伊豆の峠道やクローズドコースで、ハイブリッドモデル「LS500h」と、新開発ターボエンジン搭載車「LS500」に試乗した。
  • フェラーリ488GTB(MR/7AT)【試乗記】 2017.9.22 試乗記 ターボエンジンを搭載する新時代のV8ミドシップフェラーリ、「488GTB」に試乗。今やピークパワーが670psに達した跳ね馬の自慢は、ここ一番の速さだけではなかった。日常をさらりとスマートにこなす、大人な振る舞いをも身につけていた。
ホームへ戻る