ホンダ、2002年シーズンをもってCART撤退

2001.10.16 自動車ニュース

ホンダ、2002年シーズンをもってCART撤退

米国ホンダのレース運営会社、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)は2001年10月12日、CARTシリーズへのレーシングエンジン供給を、2002年シーズンをもって終了すると発表した。

■CARTへの信頼を失った

ホンダのCART撤退は、CARTが2003年からの実施を予定している、エンジン規則改定を受けてのもの。CARTは、現行2.65リッターターボから、3.5リッター自然吸気(NA)エンジンへ移行を図ろうとしている。

HPDのトム・エリオット社長は、「この決定は、ホンダにとってたいへん残念なことである」とコメント。撤退を決めた理由を、1)エンジン規則の安定の欠如、2)一連の協議を経て、CARTへの信頼を失ったため、と説明した。

まったく新しいエンジンを設計、テスト、開発するには2年を要するという。HPDとしては、2002年シーズンの現行エンジンを開発、製造しながら、新規定ユニットの開発に時間を割くことは不可能だと判断。加えて、新しいエンジン規則の詳細をいまだに決定しないCARTに、業を煮やしたのだ。

「ホンダは、CARTレース活動に莫大な時間と資源を投入してきている。長年の活動のなかで、お互いの信頼関係が重要な部分を占めてきた。競技統括団体(CART)が、エンジンマニュファクチャラーを軽視するような環境下で、ホンダは活動することができない」(エリオット社長)。

■CARTの言い分

ホンダ撤退を受けて、CARTのレースオペレーションを担当するジョン・ロペス副社長は、「ホンダは、FedExチャンピオンシップシリーズにおいて、高い評価のあるパートナーでありサポーターであった。2003年以降の活動継続がないことを、残念に思う」と述べた。

CARTは、3.5リッターNA化で得られるメリットを、1)エンジン開発、製造面でのローコスト化、2)オーヴァルコースでのスピード低減、そして、3)ライバルシリーズ、IRL(Indy Racing League)の一大イベント「インディアナポリス500」への参戦を容易にする、と説明する。
また、ホンダ、トヨタ、フォードは、それぞれF1の3リッターNAユニットも手がけていることから、エンジンサプライヤーにとって不都合な点ばかりでもない。

■IRLへの歩み寄り

1996年、CARTとインディアナポリスモータースピードウェイ(IMS)が分裂し、「インディ500」を中心とするIRLシリーズがスタート。以後、両シリーズともそれなりの成果を残しつつも、メジャードライバーがいないIRL、ビッグレース「インディ500」を失ったCARTと、それぞれ痛手を負うはめとなった。
CARTドライバーの「インディ500」参戦が目立ってきた近年、規則面でも歩み寄りを図りたいとするCARTの考えには、賛否両論がある。ホンダはCARTに背を向け、そしてトヨタは、2003年から3.5リッターNAに一本化、IRLへのエンジン供給を決断した。

CARTは、トヨタ、フォードのみでは全チームにエンジン供給できないとして、「第三のチーム」を探しているという。CARTエンジン規則は、今後混迷の様相を呈しそうである。

(webCG 有吉)

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