2002年デトロイトショー速報!(その1)

2002.01.08 自動車ニュース

2002年デトロイトショー速報!(その1)

同時多発テロで揺れた2001年のアメリカ。明けて2002年1月、いつも通り国際自動車ショー「2002年デトロイトショー」が開催された。webCGエグゼクティブディレクター、大川 悠が現地から報告する。

写真上:キャディラック・シエン
写真下:シボレー・ベルエア


■初日に登場したビッグスリーのコンセプトカー

WTC(世界貿易センター)に次ぐ第二の本格テロの噂が流れている中で、恒例のNAIAS(North American International Auto Show)はオープンした。そして私自身に関して言わせていただくと、テロ目標ともいわれているルネッサンスセンター内のホテルと、もうひとつのテロ対象といわれるショー会場「コボホール」への往復が、例年通り始まった。

雪こそ少ないが例によって気温は氷点下、いつもより格段とセキュリティが厳しくなったなかでデトロイトショーは始まった。2002年1月6日が最初のプレ・プレスデイである。プレスデイは8日まで続き、その後、業者のための日程やチャリティデイがあり、一般公開は12日から21日まで。つまりデトロイトショーは、半月間にわたる大イベントなのだ。

壇上に登場したベルエア


■GM

幕開けはGMのコンセプトカー。「シボレー・ベルエア」「ポンティアック・ロードスター」そして「キャディラック・シエン」の3台。
まず最初に現れたのがキャディラック・シエン。すでに半年前からそのコンセプトイメージは発表されているが、今回、初めて実車が登場した。スペイン語で「100」を意味する名前をもったこれは、キャディラックの100年を記念するクルマで、XV12と呼ばれる7.5リッターのV12ノーススターエンジンをミドシップに積む。750psを誇るが、燃費はV8並という。

ポンティアック・ソルティスのクーペ版はちょっとイタリア風。


懐かしい名前とともに登場したベルエアは、1950年代のイメージを再現したボディをもつと伝えられた。だが実際に見たところ、50年代のシボレーのデザインキューの引用というよりは、むしろアメリカで好評のフォードTバード(サンダーバード)の対抗という性格が明白だ、と思った。3.5リッターのターボ付き5気筒エンジンが注目。320ps43.6kgmのこれは、トレイルブレイザー用ストレート6の5気筒化版で、今後のGM中型車の中核エンジンとなる。

昨年夏から新たにGM北米最高責任者になったボブ・ルッツ自らソルティスで登場する。


最後にボブ・ルッツ自らステアリングを握って登場したポンティアック・ソルティスは、2座の軽量ロードスター。224psの2.2リッターに6段MTを組み合わせる。ルッツがGMに移籍して以来わずか4ヶ月でものにしたというこのクルマ、2万ドル台で若いスポーツカー・ファンの心を奪いたいというから、明らかにミアータ(マツダ・ロードスター)の対抗だ。クーペ版も一見「自走」して壇上に現われたが、よく見るとモックアップだった。多分ラジオ・コントロールで動いてきたのだろう。

新世代ピックアップ、シボレーSSR。このショーで話題になったのをきっかけに、市販化されることになった。


■ダイムラークライスラー

ここ数年、アメリカでデザインリーダーとなってきたのがダイムラークライスラー。コンセプトカーが現実のクルマとなった「PTクルーザー」に続いて、昨年好評だったヨーロッパ調フレーバーも持ったスポーツクーペ「クロスファイア」も市販化される、という発表はすでになされている。

クライスラー・パシフィカ。地味だが、パシフィカは、現実性が高いから、プレスによって囲まれる。


昨年同様、初日はディッター・チェッツェ社長が登場、今年の目玉として「パシフィカ」を発表した。これまでの同社のコンセプトカーと比べると一見地味だが、発売が近いために現実的な形をしている。メーカーによれば「全く新しいタイプのスポーツツアラーであり、ミニバン、PTに続く同社オリジナルのヒット作になるはず」という。

まあいってみればデトロイトお得意の「クロス」の代表で、スポーツカー、ワゴン、ミニバン、SUVなどを足して1台のなかで実現したというわけ。3列シートを持ったボディに3.5リッターV6を載せ、4輪を駆動する。

パリー=ジョーンズが誇るF-350。


■フォード

フォードは、初日の昼間から同社の命運がかかったトラックを見せ始めた。しかもフォードで、というよりアメリカでもっとも売れているクルマ、「Fシリーズ」トラックの新型を占うコンセプトカーだ。「F-350トンカ」がそれ。
J・メイズとリチャード・パリー=ジョーンズという現フォードの二大スターがお披露目。名前の通り玩具のトンカとコンセプトを共同で開発した。
中身はパリー=ジョーンズが自信を持って訴えたように、かなり強力だ。6リッター32バルブのV8はターボによって350psを発生し、フォードのディーゼルとしては初めて5段ATと組み合わされる。ボディの特徴は、ドアを開けると5インチ自動的に下がって、乗り降りや、荷物の出し入れを容易にすることだ。

だが、今年のフォードの期待作は、あの伝説的なレーシングスポーツ「GT-40」の現代版。それはこれから数時間後の夕方、発表されることになっている。

そのリポートは明日また。

(文と写真=大川 悠)

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