2002年デトロイトショー速報!(その4)

2002.01.11 自動車ニュース

2002年デトロイトショー速報!(その4)

2002年1月6日から開催されている「デトロイトショー」での、日本勢の動向も気になるところ。自動車ジャーナリスト金子浩久が、国産メーカーのコンセプトカーなどを紹介します。

デトロイトショーでの日本車は、どうも不作な印象が否めなかった。ショー全体が低調に終わったという声も強く、なかでも日本車は盛り上がりに欠けていた。トヨタ、日産、ホンダはアメリカ向けの新車を投入したが、「どのクルマも魅力に乏しかった」というのがリポーターの感想だ。

2002年デトロイトショーの傾向は、第1にニッチ狙いが進んだこと。単なるSUV、単なるミニバン、単なるセダンではコンセプトを提示した気にならないのか、複合型のコンセプトカーが多かった。全体的には、SUVとミニバンの優勢揺るがず、セダンやクーペなどは依然として完全な少数派だった。
インテリアコンシャスなクルマが増えたことも今回の特徴。それはコンセプトカーだけでなく、市販間近のモデルでも、「インテリアで他車との差別化を図ろう」という動きが、日米欧共通だった。
レトロフューチャーは特別なことでなく、フォードは「GT40」を復活させて、その傾向を加速させた。「ポンティアック・ソルサティス」のように、ポンティアック自らの歴史に素材を求めない、“日本型”とも言うべきレトロフューチャーの出現は興味深い。

多様化したモータリングシーンに合わせるため、いろいろなコンセプトカーが提示された北米自動車ショーだったが、アメリカのメディアはショーの様子を報道すると同時に、GMの希望退職者募集とフォードのレイオフについて、必ず触れていたのが印象的だった。なんとなく盛り上がりに欠けた感があるのは、そんな背景があったからかもしれない。

■ホンダ・パイロット

2001年から販売されている大型SUV「アキュラ MD-X」のホンダチャンネル向けモデル。3.5リッターV6を積み、ちょうどCR-Xを拡大したような感じだ。アキュラMD-Xの方は、まだホンダが本来持っていた“スポーティさ”を備えていたが、「パイロット」はグッとファミリー向き。「VTM-4」と名付けられた4輪駆動システムは、タイヤと路面のグリップに応じて前後輪へのエンジントルクの配分を自動的に行う。カナダホンダで製造される。

■アキュラ RD-X

SUVとスポーツクーペを組み合わせたようなコンセプトカー。2001年の東京モーターショーで世界初公開された「サーブ9-X」(デトロイトショーにも出展)が同じ狙いだったことからもわかるように、いろいろなカテゴリーのクルマの“いいとこ取って実用性を重視”しようというコンセプトカーはよくあるものだ。RD-Xはラゲッジスペースを大きく取って実用性を重視しながら、ガンダムのような現実離れしたスタイリングが特徴だ。いずれにしても、あと2回ぐらいモーターショーを経ないと市販される姿がイメージできない。

■レクサスGX470

レクサスのSUV、「RX300(ハリアー)」と「LX470(ランドクルーザー100)」の中間に位置する北米専用SUV。フレームシャシーにLX470 と同じ、4.7リッターV8を積む。製品開発の狙いは、「ビジネス&プレジャー」とのこと。「どんなシチュエーションでも使いやすいSUV」で「クラストップの燃費が特長」だという。ライバルは、「メルセデスML」や「BMW・X5」で、予定販売価格は5万ドルから。それにしても、なぜここまで退屈で没個性的なスタイリングなのだろう。同じSUVでも、LX470のような本格SUVではなく、乗用車寄りのSUVをつくりたかったのはわかるが、これでは何の印象も残らない。MLやX5が自らを強く主張しているのに対して、このクルマは訳もなく沈黙しているように見える。日本と違ってアメリカでは、そういう態度は美徳ではなく、不気味にしか受け取られない、とリポーターは考える。

■インフィニティ FX45

昨年のデトロイトで発表された「FX45」が、より現実味を増した姿で再び出展された。スポーツセダンとワゴンを融合した5ドアハッチバック。初のインフィニティ専用モデルだ。4.5リッターV8を積み、後輪を駆動する。このクルマも今回のショーの特徴である、“SUVのニッチカー”だが、このコンセプトのまま生産されればかなり魅力的だ。日産シーマのパワートレインに、スポーティテイストを感じさせる5ドアハッチバックボディの組み合わせには、新鮮さを感じる。日本でも発売して欲しい。アメリカでは、2003年初頭に発売予定。

■インフィニティ G35

ついに海外輸出された日産スカイラインが、「インフィニティG35」。ただし、こちらには260psを発生する3.5リッターV6が搭載される。トランスミッションは5段オートマチック。2万7100ドルからの価格設定はBMW3シリーズと同じ。2002年3月発売。「モータースポーツで鍛えられたプラットフォーム」を用い、「シャープなハンドリングと快適な乗り心地を実現」していると強調していた。「パフォーマンスと車内空間の広さ」も強くアピール。どこから見てもスカイラインであることに変わりはないのだが、日本で見るのよりカッコよかったのは、日本以上にセダンが少なくなったアメリカで、独りスポーツセダンの道を往く姿がクルマ好きの琴線を震わせるからだろう。CNNテレビのショーリポートでも、「大型SUVとセダンは、OUT」と報じていたように、愚直なまでに「スポーツセダン」を全面に押し出していたG35はかなり異色で目立っていた。アメリカ的なトレンドからすれば、そりゃアウトなんだろうけど……。がんばれ、G35!

■日産アルティマ3.5SE

日産のアメリカでの基幹車種。3.5リッターV6を積む4ドアセダン。北米でのカーオブザイヤーを受賞したが、ライバルの「トヨタ・カムリ」や「ホンダ・アコード」に較べて、新鮮味に欠けるスタイリング。リポーターには間延びして見える。

■マツダ6

東京モーターショーで発表されたアテンザのアメリカ版。なぜか、プレスコンファレンス前なのに、カットモデルがいち早く展示されていた。半分しか見ることができなかったが、シャープなフォルムがかつての“グッドデザインのマツダ”を彷彿とさせる。

■いすゞ・アクシオム

日本未発売のSUV。アメリカでは数年前から発売されているが、フロントフェイスが個性的で、日本でも発売したらいいのに。「アメリカで最長の10年もしくは10万マイル保証」というのが面白かった。

(文=金子浩久)

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