シューマッハー、2002年開幕戦を制す

2002.03.04 自動車ニュース

シューマッハー、2002年開幕戦を制す

2002年シーズンのF1第1戦オーストラリアGP決勝が、2002年3月3日、メルボルンのアルバートパークサーキット(5.303km)を58周して行われた。優勝は、フェラーリに乗るミハエル・シューマッハー。自身が保持する最多勝利数を54に伸ばした。またF1デビューを飾ったトヨタチームは、ミカ・サロが6位入賞を果たす好成績を残した。3年ぶりの日本人ドライバー、佐藤琢磨(写真)のジョーダン・ホンダは13周を終えたところでリタイアした。

■波乱の幕開け

毎年リタイア続出のサバイバルレースとなる開幕戦オーストラリアGP、今年も例外ではなかった。
まず、アロウズ・コスワースの2台(ハインツ−ハラルド・フレンツェン、エンリケ・ベルノルディ)は電気系のトラブルにより、ダミーグリッドからフォーメーションラップに参加できず。
そしてスタート直後の第1コーナーで大クラッシュ発生。ポールポジションのルーベンス・バリケロ(フェラーリ)のリアに、加速にまさる3番手スタートのラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)が乗り上げた。ラルフのマシンは宙を飛び、フェンスにぶつかりストップ。後続車が相次いで巻き込まれ、一気に8台(含むザウバー・ペトロナス:ニック・ハイドフェルド、フィリッペ・マッサ/ルノー:ジェンソン・バトン/ジョーダン・ホンダ:ジャンカルロ・フィジケラ/BARホンダ:オリヴィエ・パニス/トヨタ:アラン・マクニッシュ)が早々にリタイアした。
ポールを台無しにしたバリケロは、「もし彼(ラルフ)が私の抜きたかったのなら、もっと遠くから仕掛けるべきだった。愚かなことをしたものだ」と言い残した。

この多重クラッシュにより、セーフティカーが5周まで導入された。

■モントーヤ、シューマッハーをパス!

再スタート後は、1位デイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)、2位ヤルノ・トゥルーリ(ルノー)、3位ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)、4位ミハエル・シューマッハーというオーダー。前日の予選で不運に見舞われ、最後尾スタートだった佐藤琢磨は、7位までポジションを上げていた。

この布陣を崩しにかかったのはシューマッハー。まず一瞬速さが鈍ったモントーヤをすかさずパス。そして2位トゥルーリの真後ろにピタリとつき、プレッシャーをかけ続けた。紅いマシンに気をとられたトゥルーリは、9周目に自滅クラッシュ。マシンがコースを塞いだため、再度セーフティカーがコースに入った。

セーフティカー先導中の11周目最終コーナー、トップのクルタードがギアボックスに問題を抱えスピン、コースアウト。コースに戻ることは出来たが、クルタードは結局33周でリタイアした。
12周目に再々スタート。第1コーナー、クルタードがコースアウトしたおかげでトップが転がり込んできたシューマッハーを、2位モントーヤがオーバーテイク!モントーヤの素晴らしいドライビングに、観客がわいた。

一方で日本のF1ファンは、肩を落とすことになった。GPデビューを果たした佐藤琢磨は、一時5位を走行するも、電気系トラブルで13周目にガレージに消えた。
土曜日フリー走行で、ギアボックスのプログラミング異常で大クラッシュ。スペアカーで望んだ予選でも、1周もしないうちにトラブルが発生した佐藤のマシン。チームメイトのフィジケラのマシンがまわってきた頃には、雨でコースは水びだしで、予選通過タイムを出すことが出来なかった。チームが審査委員会に訴えた結果、最後尾からのスタートが許されたが、常にトラブルにつきまとわれたデビュー戦となってしまった。
「今回の経験を踏み台にして、(次戦)マレーシアではもっといいレースを戦えることを期待しているところ」という佐藤の前向きなコメントを信じよう。

■しかし結局・・・

昨年同様、ウィリアムズBMWのマシンは直線スピードに長けている。コーナーでつめるシューマッハー、直線で引き離すモントーヤという攻防がしばらく続いたが、マシンの総合バランスにまさるシューマッハーのフェラーリが16周目に首位奪取。あっという間に見えなくなってしまった。以後、シューマッハーはリードを保ち続け、2002年最初のチェッカードフラッグを1位で受けた。

モントーヤと、マクラーレン・メルセデスを駆るキミ・ライコネンとの間で争われた2位のポジションは、結局モントーヤに軍配が上がった。同郷の先輩、ミカ・ハッキネンの休養でマクラーレンのシートを得たライコネンは、初の3位表彰台にあがった。

4位はエディ・アーヴァインのジャガー。予選19位という絶不調から見事3点を獲得した。
見事といえば、5位に入賞したルーキー、マーク・ウェーバーだ。昨年の国際F3000でランキング2位のこのオーストラリア人は、ミナルディ・アジアテックという非力なマシンを駆り、チームとしては1999年ヨーロッパGP以来の得点をもたらした。地元で錦を飾ったウェーバーは、ゴール後何度も拳を上げ、喜びを表していた。

そして最後の1点を獲得したトヨタ。終盤サロは、5位ウェーバーに肉薄するも、ファイナルラップで痛恨のスピンをきっしてしまった。それでもトヨタにとって、初戦6位入賞は上出来といっていいだろう。

以下、7位アレックス・ユーン(ミナルディ・アジアテック)、8位ペドロ・デ・ラ・ロサ(ジャガー)がフィニッシュラインを越えた。つまり完走8台。やはりサバイバルだった。

■大本命を迎え撃て!

優勝したシューマッハーのマシンは、2001年型の改良版。型落ちマシンでも圧倒的な速さを見せるシューマッハー/フェラーリは、今シーズンのチャンピオン大本命である。モントーヤ、ライコネンらの活躍に、打倒シューマッハーの期待をかけたいところ。さもないと、昨年以上に早くチャンピオンが決まってしまいそうだ・・・。

第2戦は、3月17日、マレーシアGPだ。

(文=webCG 有吉/写真=本田技研工業)

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