F1第3戦ブラジルGPリビュー

2002.04.01 自動車ニュース

F1第3戦ブラジルGPリビュー

2002年3月31日に行われたF1世界選手権第3戦ブラジルGP。シューマッハー兄弟の激戦で大いに盛り上がったレースを振り返る。

■ミシュランが輝いた予選

快晴のもと行われた予選では、ミシュランタイヤを履くマシンが上位につけた。自身4度目のポールポジションを決めたファン・パブロ・モントーヤを筆頭に、10位トヨタのミカ・サロまで10位中7台がミシュランユーザー。ブリヂストンはフェラーリの2台、ミハエル・シューマッハーが2位、ルーベンス・バリケロ8位、ザウバー・ペトロナスのニック・ハイドフェルドが9位という布陣となった。

■シューマッハー対モントーヤ、再び・・・

前戦マレーシアGPでの接触が記憶に新しいフロントローの2人、モントーヤとミハエル・シューマッハー。今回も1周目で“事件”は起きた。
2番手のシューマッハーが好スタートをきり、1コーナー手前でモントーヤに並びかける。モントーヤは辛うじてトップを守ったが、1コーナー直後でミスをおかし、シューマッハーにリードを譲る。両車の激しい接近戦は、バックストレートエンドの4コーナー手前でモントーヤのフロントウィングがシューマッハーのリアタイヤにヒットするかたちて決着がついた。モントーヤはピットインを余儀なくされ、最後尾へと脱落。最終的に5位でレースを終えた。

レース後、モントーヤは、「シューマッハーをオーバーテイクしようとしたが、彼は前を横切って、フロントウィングが落ちた。残念に思っている。彼はフェアなやつだと思っていたけど、そうじゃなかったんだ・・・」と、シューマッハーに対する不快感をあらわにした。一方のシューマッハーは、「正直、ターン4で何が起こったのか分からないんだ。(モントーヤが接触したことに)気がつかなかった」とコメントした。

マレーシアGP後、「レース中、避けられたであろう事故を起こした場合、次レースの予選グリッドを10位後ろへまわす」というルールが発表されたが、この出来事に適用されるという発表はいまのところない。

■母国で錦を飾れず

ブラジルを母国とするドライバー3人は、故郷で錦を飾れなかった。
過去8回のブラジルGPで7連続リタイアという不名誉な記録をもつフェラーリのルーベンス・バリケロは、ピットレーンの信号無視で予選ベストタイムを剥奪され、8位からスタート。しかしその後の追い上げはめざましく、キミ・ライコネン(予選5位)、デイヴィッド・クルタード(同4位)、ジェンソン・バトン(同7位)、ヤルノ・トゥルーリ(同6位)、ラルフ・シューマッハー(同3位)と次々とパス、あっという間にフェラーリ1−2体制を築いた。そしてトップのシューマッハーをも抜き、レースリーダーに踊り出た。が、好調さはここまで。16周目、フェラーリの昨年型「改」マシンは、油圧系トラブルを起こし、コース脇に止まった。これで8連続リタイア。

同郷の2人、アロウズのエンリケ・ベルノルディは19周、そしてザウバーを駆るルーキー、フィリッペ・マッサは41周で戦列を去った。

■兄弟対決

このレースを盛り上げたシューマッハー兄弟。1位ミハエルと2位ラルフはともに1ストップ作戦を選んだ。
ピットストップ前の両車の間隔は8秒。39周目、最初に給油とタイヤ交換を行ったのは兄ミハエル。その間必死にラップを重ねたラルフが44周目にピットを出ると、差は2.5秒まで縮まっていた。ファステストラップを記録しラルフが詰め寄る。1秒以内の攻防は、結局レース終了まで続けられた。

「このコースでオーバーテイクできるところといったら、1コーナーしかない。だからココを抑えるよう集中したんだ」とは優勝した兄の弁。勢いに乗る弟のプレッシャーをクールに跳ね除けた顔には、余裕すらうかがえた。

■バトルを楽しんだ

バリケロ同様、ピットレーン信号無視で予選のベストタイムを抹消されたジョーダン・ホンダの佐藤琢磨(写真)。19番グリッドから、ジャガー・コスワースのエディ・アーヴァイン、ペドロ・デ・ラ・ロサ、BARホンダのオリヴィエ・パニスらと「バトルを楽しんだ」(佐藤のコメント)。1コーナーで果敢にオーバーテイクする黄色いジョーダンが、国際映像に度々登場。2回のピットストップも問題なくこなし、結果前戦マレーシアGPと同じ9位でチェッカードフラッグをうけた。
「今は次戦のサンマリノGPから始まるヨーロッパラウンドが待ち遠しくて仕方がない思いだ」。次なる目標を見据える佐藤は、レース後さわやかな顔をしていた。

チームメイトのジャンカルロ・フィジケラは6周目にエンジントラブルでリタイアした。

■トヨタ、2点目を獲得

開幕戦オーストラリアGPに続いてミカ・サロが6位入賞、チャンピオンシップポイントを2点としたトヨタ。スタート直後の接触事故で8台が去ったオーストラリアとは違う、自身の実力で掴み取った1点の意味は大きい。

「ハードなレースだったが、とくに問題は発生しなかった。予選でも速かったし、レースでも速かった。これ以上何が求められるかと思うほどだ」。全戦完走中のサロの発言には、着実に経験を重ねるトヨタチームの“静かなる自信”が感じられた。

日本メーカーのもう一方、ホンダといえば、佐藤が9位、BARのジャック・ヴィルヌーヴ10位と、中段に埋もれてしまっている。大丈夫、ホンダエンジン!

■いよいよヨーロッパへ

オーストラリア、マレーシア、ブラジルと「フライアウェイ」3連戦を終え、次はいよいよヨーロッパラウンドが幕を開ける。シューマッハー/フェラーリの独走状態に、ウィリアムズBMWの2台が待ったをかけるか。第4戦サンマリノGP決勝は4月14日に行われる。

(文=webCG 有吉/写真=本田技研工業)

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