【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

2002.04.09 自動車ニュース
 
【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

2002年4月7日、愛知県豊橋市にあるランドローバーのトレーニングセンターで、ボルボのメカニックマンが技術を競い合う「VISTA2002」の決勝大会が開かれた。普段あまりお目にかかることのない、「ディーラー」を陰で支える人たちを、webCG記者が取材した。


写真上:「テクニシャン部門」で優勝した、「ボルボカーズ目黒」所属の村上裕一氏
写真下:開会式で挨拶を述べた、PGA日本の山岡副社長
 
【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

■相手はお客様

「VISTA」(Volvo International Service Training Award)は、1976年から2年に一度開催されている、セールストークやメカニックの技術を競い合う大会。スウェーデン本国の「Volvo Car Corporation Customer Service」主催で、2002年は世界44カ国で開催されるという。大会に出場することで知識と経験を習得し、学習意欲を向上させるのが狙いだそうだ。ランドローバーのトレーニングセンターで開催されたワケは、ボルボと同じ「フォードPAG」(プレミアオートモーティブグループ)だという理由から。だからセンター内には、ジャガーの施設も混在。また今大会から始めて、審査員もボルボのスタッフだけでなく、ジャガーやランドローバーのスタッフも参加した。
大会は、「テクニシャン(メカニックのこと)部門」、「パーツ部門」、「サービスアドバイサー部門」、「サービスマネージャー部門」の4つから構成される。webCGでは今回、テクニシャン部門の模様を取材した。


実技試験の会場風景
 
【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

テクニシャン部門の出場者は、553人の参加者のなかから学科と実技試験の予選を勝ち抜いた、A・Bグループ合わせて20名。決勝は実技と学科の両方で競われた。実技試験は、意図的にエンジンを始動できなくした「ボルボS60 AWD」の故障箇所を発見して修復、エンジンを始動するとともに、エアコンのプログラムを変更するというもの。これを50分以内に、的確に素早く行うことで競われる。しかし、ただ直せばいいわけではない。どのような理由で故障し、どのように修復・変更したかを、ユーザーに説明することも求められる。メカニックマンといえども相手にするのはクルマだけでなく、その向こう側にいる「お客様」であることが重視されるのだ。


車を汚さないよう、フェンダーやシート、ハンドルにカバーをかけることも、試験の重要なポイント。
 
【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

■クルマに触らない!?

故障箇所は、エンジンをかけるスターターモーターのヒューズ切れと、燃料供給ポンプリレーの接点不良。これを自らの知識と経験に加え、ボルボの故障診断装置「VADIS」(Volvo After sales Diagnosis Information System)を駆使して発見、修復する。その際、クルマに傷つけないようカバーをかけたか、クルマの電源を入れたまま、電装部品の取り外しなどを行わなかったかなど、細かいことまで審査員がチェックしていた。


試験中よく見られた光景。「VADIS」(ノートパソコン)と車両をケーブルでつなぎ、コンピューターによる車両診断を行う。
 
【Movie】ボルボの技能競技大会「VISTA2002」を取材

修理作業を見ていて驚いたのは、クルマに触れる時間以上に、出場者全員がVADISのモニターと向き合っていたことだ。電子制御が進む現代のクルマは、内部に複雑な電子回路やコンピューターを内蔵し、人間が見たり触れたりするだけでは、どこが故障しているかわかりにくいのである。今回設定されたトラブルがエンジンの点火系という、電子制御が深く関わる部位だったからかもしれないが、「オイルにまみれて分解&組み立て」を想像していたリポーターは、メカニックの仕事に対する認識を改めさせられた。

■毎日の仕事が勉強

車両診断コンピューターがあることだし、修理するのは簡単そうに思えたのだが、取材したAグループの場合、制限時間の50分以内にエンジンがかかったのは、10台中4台(Bグループは7台)だった。ギャラリー(多くは所属ディーラーの上司など)やカメラマンに囲まれ、普段とは違う環境だけに出場者の多くは緊張していたが、試験内容がそれほど簡単なものではないことを伺わせた。エンジンがかかるたびに、会場がホッと安心した空気に包まれ、大きな拍手が沸いた。

実技と学科試験の結果、テクニシャン部門で優勝を飾ったのは、ボルボカーズ目黒所属の村上裕一氏。村上氏はAグループで一番早く、エンジンを始動させた人だ。
コンテストのために、なにか特別な勉強をしましたか? と、祝賀パーティー会場で聞いてみたところ「毎日の仕事が勉強ですから。日々それに取り組んだだけです」と、真摯なお答え。「ボルボの修理ならおまかせください」という頼もしい台詞も聞かれた。VISTAの優勝が自信と誇りにつながったようだ。

(webCGオオサワ)

「VISTA2002」の模様を動画でおおくりします。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。