「CARTもてぎ」、ポールはジュンケイラ/トヨタ

2002.04.27 自動車ニュース

「CARTもてぎ」、ポールはジュンケイラ/トヨタ

ホンダのお膝元で、トヨタがポールポジションを獲得・・・。CART第3戦「ブリヂストン・ポテンザ500」の予選が、2002年4月26日、栃木県のツインリンクもてぎ・オーヴァルコース(1.549マイル/2.413km)で行われた。1位から最後尾の20位まで、1秒強にひしめく大混戦のなか、トップタイムをマークしたのは、トヨタエンジン搭載のマシンを駆るブラジル人、ブルーノ・ジュンケイラ。ただひとり25秒台のタイムをたたき出し、自身2度目の最前列を得た。
2位、3位にはホンダ勢の2台、トニー・カナーンとポール・トレーシー。同地で過去4戦全勝中のフォードエンジンユーザーは、パトリック・カーペンティアが6位からスタートする。また2人の日本人ドライバー、トヨタの高木虎之介は11位、ホンダの中野信治は18位から、上位を狙う。
決勝レースは、27日12時半から。




■2万1200人が集結

ツインリンクもてぎで行われるCART公式戦は、今年で5回目。年々、会場に詰め掛ける観客の数は増えており、すっかり定着した観がある。
26日の予選にも、平日だというのに2万1200人のひとたちが、国内唯一の本格的オーヴァル(楕円)トラックにやってきた。初日の観客数8200人を足せば、既に3万人弱。滑り出しは好調といえる。
気温12度、肌寒い曇り空の下で、13時45分から予選が始まった。

■最後まで息が抜けない

CARTのオーヴァルでの予選は、1台ずつ順番にタイムが計測される。午前中に行われた公式練習の順位が適用されるのだが、タイムが一番遅かった順番でスタートするため、最後のドライバーが走り終わるまで、順位が見えない展開となる。各ドライバーに許されるタイムアタック数は2回。そのうちベストタイムがとられるのは言うまでもない。
各ドライバーにクリアラップを保証し、全力を出させるというフェアネス精神、また最後まで息が抜けないようにする高いエンターテイメント性は、さすがアメリカ生まれのレースシリーズだけある。

もてぎでも、その魅力がいかんなく発揮された。
15番目(つまり公式練習で6位だった)にタイムアタックしたダリオ・フランキッティ(ホンダ)が26.173秒で一番時計をたたき出す。16番目のパトリック・カーペンティア(フォード)がフランキッティに次ぐ2位のタイム。17番目、昨年の覇者ケニー・ブラック(トヨタ)が26.133秒で首位を奪取。18番目、カナーンが逆転トップ。19番目、ジュンケイラがスーパーラップ、25.907秒を記録しタイミングボードの最上段へ。そして迎えた最後のドライバーがトレーシー。大逆転を狙って周回したものの、そのタイムは伸び悩み、結局ジュンケイラが前日に続き、最速ドライバーとなった。


ポールポジションを獲得した、ブルーノ・ジュンケイラ。

■接近戦の予感

F1同様、CARTでも、予選や決勝後に、トップ3のドライバーの記者会見が開かれる。ポールポジション獲得で、チャンピオンシップポイント1点を獲得したジュンケイラは、落ち着きを払ったコメントのなかにも、調子のよさが見てとれた。「マシン、チームの状態はとてもいいし、トヨタエンジンも完璧な状態だね」。

2位のカナーンは、「トヨタ、スポンサーであるパイオニアの地元。そのプレッシャーをうまく利用できたんじゃないかな。今年は過去2戦で完走がないから、勝ちたいけど、まずレースを完走したいね」と語った。

日本に多くのファンをもつトレーシーは、今回からシャシーをレイナードからローラにスイッチしたドライバーのひとりだ。「まだこのマシンことはよく分かっていないけど、ローラは僕に合っていると思うよ」。

27日のレースの予想を聞かれると、3者とも「接近戦になるだろう」とコメント。高速の1、2ターンの路面が改修されスムーズになったから、2台が並んでターンインする熾烈な争いが見られるはず、というのが彼らの読みだ。さて、その結果はどうなるか?


CARTホンダの顔、朝香充弘ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント副社長。昨年のチャンピオンエンジン「ホンダターボV8 HR-1」とともに。

■アサカサンの写真

最後に、記者会見の会場がどっとわいたエピソードをひとつ。
ある記者が、カナーンとトレーシー、ふたりのホンダエンジンユーザーに質問した。「今季限りでホンダがCARTから撤退するということで、ホンダエンジンを積む6台のマシンに、朝香さん(朝香充弘ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント副社長)の写真が貼られているとのことですが?」
トレーシーは、「ダリオ(チームメイト)は、ステアリングにつけてるよ。僕はエンジニアのノートに貼って、見るたびに気を引き締めてるさ!」。

ところで、これは誰の発案なの?との問いに、2人のドライバーは「彼(“アサカサン”)自身なんだよ!」とすかさず返した。前日開かれた、ホンダ関係者の夕食会で、朝香氏自身が自らの写真を配ったのだという。「“勝ってくれよ”って言われながら」(トレーシー)。

ホンダの撤退発言の撤回はなく、もてぎでのCARTも「今回で最後では・・・」ともうわさされている。ホンダが、なんとしても勝たなければならないレース。“アサカサンの写真”が勝利の女神を呼び込んでくれるのだろうか?

(webCG 有吉)

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