ポルシェのSUV「カイエン」の仕様発表

2002.06.05 自動車ニュース
 

ポルシェのSUV「カイエン」の仕様発表

独ポルシェAGは、同社初のSUV「カイエン」の詳細情報を、2002年5月29日に発表。主に駆動系、足まわりに関する情報が明らかになった。


写真上:カイエンターボ
写真下:カイエンS
 

■カイエンとは・・・

世界各地で「痛快」「冒険心」「生きる喜び」を表す代名詞を名前とする「カイエン(Cayenne)」は、フォルクスワーゲンと共同開発した、同社初のオフローダー。スポーツカー基準の走行性能と、これまでのSUVにない水準の乗り心地を実現したうえ、“オフロードにおける真の王者”と自賛する悪路走破性をかねそなえる、と謳われる。
パワーユニットは、ポルシェ伝統の水平対向エンジンではなく、新開発の4.5リッターV8ユニット。自然吸気(340ps/6000rpm、42.8kgm/2500-5500rpm)とインタークーラー付きツインターボ(450ps/6000rpm、63.2kgm/2250-4750rpm)が用意され、前者を搭載するモデルが「カイエンS」、後者は「カイエンターボ」と呼ばれる。
両モデルとも、トランスミッションは「6段ティプトロニックS」、駆動方式は、フルタイム4WDだ。
パフォーマンスは、「0-100km/h」がS=7.2秒、ターボ=5.6秒、「最高速度」はS=242km/h、ターボ=266km/h、スポーツカーメーカーの面目躍如といったところだ。ボディサイズは、Sが全長×全幅×全高=4782×1928×1699mm。ターボは全長が4mm長くなる。ホイールベースは2855mmだ。


カイエンターボのインパネ。
 

■新開発4WD「ポルシェ・トラクション・マネージメント」

新開発の4WDシステムは、電子制御多板クラッチを使用したフルタイム式「ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)」。基本はフロント38%、リア62%にトルクを配分。電子制御式多板クラッチにより、運転状況に応じて、前後の一方に100%のトルクを配分することもできる。
さらに、車速や横G、ステアリングの切れ角、アクセル開度を計測するセンサーからの情報をもとに、ホイールへ必要に応じたトルク配分を行うという。クルマが限界挙動に近づいた際、ブレーキやアクセルなどを制御して安定性を高める「ポルシェスタビリティーマネージメントシステム」(PSM)は、全車標準装備される。


カイエンS、カイエンターボとも、最大牽引重量は3500kgだ。
 

■電子制御サスペンション

サスペンション形式は、フロントがダブルトラックコントロールアーム、リアはマルチリンクを採用した。
カイエンターボは、車高を上下116mmの範囲で調節する「ニューマチックスプリングサスペンション」を標準装備(カイエンSにはオプション)する。
カイエンターボ、通常時のロードクリアランス(地上からアクスル中央まで)は217mm。走行速度が125km/hを超えると、自動的に190mmの「ローレンジモード」になり、さらに210km/h(!)を超えると、179mmまで車高が下げられる。
停車時に荷物を積み降ろす際などには、157mmまでクリアランスは減少する。
一方、余裕ある最低地上高が求められるオフロード走行時には、80km/hまでは243mmのクリアランスが取れる。極端に厳しい条件下では、ノーマル時より56mmも上がった273mmで走行(30km/hまで)することも可能だ。

サスペンションに関するもうひとつのハイライトは、電子制御によって減衰力を無段階に調節する「ポルシェアクティブサスペンションマネージメント」(PASM)。例えばオフロード走行時、ボディの挙動を5個のGセンサーでモニターし、ダンパーの減衰力を個別に調整して、ボディの揺れやダイブを抑えるという。「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」という3つのモードを、ドライバーが任意に選択することもできる。いうまでもなく、オンロードでのスポーツ走行にも対応する。



 

■本格的なクロスカントリーも

悪路走行時に威力を発揮する、前後アクスルのディファレンシャルロック機構など、本格的なSUVの装備も備わる。水の進入を防ぐシール加工や、高い位置に設定されたエンジンの吸気ファンネルなどにより、深さ50cm(スペシャルオフロードモードでは、最大55.6cm)の川を渡ることもできるという。

険しい地形を走破するための、「アドバンスドオフロードテクノロジーパッケージ」がオプション設定されることもニュースだ。外装にサイドプロテクター、ラジエターを保護するスチールプレート製のアンダーフロアパネルを装着し、ボディを保護。特別な機構として、リアディファレンシャルを100%ロックする機構が備わるのに加え、前後スタビライザーが油圧連結式となる。サスペンションからスタビライザーの連結を解除すると、サスペンションストロークをさらに大きくとることができ、岩や倒木、路面の大きなデコボコなどを走破する際の走破性を高められる。

カイエンSと、カイエンターボのスペックは、以下の通り。

カイエンS
全長×全幅×全高=4782×1928×1699mm/ホイールベース=2855mm/車両総重量=3060kg/駆動方式=4WD/4.5リッターV8(340ps/6000rpm、42.8kgm/2500〜5500rpm)/最大積載重量=815kg/最大牽引重量=3500kg/最低地上高=217mm(アクスル中央)/最大地上高=同じ/最高速度=242km/h/0〜100km/h加速=7.2秒

カイエンターボ
カイエン・ターボ:全長×全幅×全高=4786×1928×1699mm/ホイールベース=2855mm/車両総重量=3080kg/駆動方式=4WD/4.5リッターV8ターボ・インタークーラー付き(450ps/6000rpm、63.2kgm/2250〜4750rpm)/最大積載重量=725kg/最大牽引重量=3500kg/最低地上高=157mm(アクスル中央)/最大地上高=273mm/最高速度=266km/h/0〜100km/h加速=5.6秒

(webCG オオサワ)

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