F1第9戦ヨーロッパGP、バリケロ優勝

2002.06.24 自動車ニュース

F1第9戦ヨーロッパGP、バリケロ優勝

F1世界選手権第9戦ヨーロッパGP決勝が、2002年6月23日、ドイツはニュルブルクリンク・サーキット(5.146km)を60周して行われた。優勝は、フェラーリのルーベンス・バリケロ。今シーズン初、2000年ドイツGP以来、通算2回目の勝利をあげた。2位はチームメイトのミハエル・シューマッハーで、フェラーリは1-2フィニッシュ。3位はキミ・ライコネンのマクラーレン・メルセデスが入った。
ホンダエンジンは、オリヴィエ・パニス(BAR)の9位が最高位、佐藤琢磨のジョーダン・ホンダは16位完走をはたした。トヨタはアラン・マクニッシュがトップから1周遅れて14位。

■妙な緊張感

レースはファイナルラップを迎えた。見るものに、妙な緊張感を抱かせた瞬間だった。トップはバリケロ、その真後ろに2位を走るチームメイトのシューマッハー。3位のライコネンははるか後方、フェラーリを脅かす要素はほとんどない。2台は余裕のクルージング走行をしているようにも見えた。がしかし・・・。
誰もが、第6戦オーストリアGPの“あの出来事”を思い出していた。最終周、チームオーダーによりバリケロがシューマッハーに勝利を譲った、あの出来事。
まさか今回も・・・という心配は、杞憂に終わった。観客からのブーイングもなく、表彰台では涙のかわりに笑顔があった。

6月26日、オーストリアの一件について、フェラーリはFIA(国際自動車連盟)の査問を受ける。一部ではポイント剥奪も噂されており、さすがの“スクーデリア”も危険はおかせなかった、ということだろうか。それとも、シューマッハーのタイトル奪取によほどの自信をもっているのだろうか。
理由はどうあれ、こういう勘ぐりをしてしまうことが、少し悲しい。

■ウィリアムズBMW、予選は速いが・・・

ポールポジションは3戦連続でファン・パブロ・モントーヤ。チームメイトのラルフ・シューマッハーとともに、フロントローはウィリアムズBMWが独占した。3番グリッドにミハエル・シューマッハー、その隣はバリケロ。ウィリアムズ、マクラーレンは1ストップ、フェラーリは2ストップ作戦をとるであろうことは、ウォームアップ走行の時点で明らかだった。

スタートで、マシンの軽いフェラーリがウィリアムズを抜きにかかった。ラルフがトップで、今年改修を受けた1コーナーに突入、4位のバリケロが2位にジャンプアップ、モントーヤ3位、シューマッハー4位。1周を終えるまでに、バリケロがトップを奪取、3周目にはミハエルが2位にあがり、早くもフェラーリ1-2フォーメーションが確立された。紅い2台のマシンは、時に2秒以上速いラップで後続を引き離した。バリケロ、シューマッハーののギャップは、常に1.5秒前後に保たれた。
25周目、シューマッハーがらしからぬミスをおかした。RTLコーナーでコースアウト、バリケロとの差は10秒以上に開いた。「バリケロに近づきすぎ、ダウンフォースを失った」とは、レース後のシューマッハーの弁。
ライバルより1回多いピットストップをこなしても、フェラーリの優位は揺るぎないものだった。

3位ラルフ、4位モントーヤのウィリアムズは、前のフェラーリを追いかけるというよりも、5位デイヴィッド・クルタード、6位キミ・ライコネンのマクラーレンとの応戦に追われた。
29周目の1コーナー、5位クルタードが4位モントーヤのアウト側に並びかける。モントーヤは耐え切れずスピン、両車は接触しサスペンションにダメージを負い、ともにリタイアを喫した。
かわって4位にたったのは、ここのところチームメイトのクルタードの影に隠れがちだったライコネン。30周目にラルフがピットインし、3位まで上昇した若きフィンランド人は、その順位のまま表彰台の座を手にした。

残り10周、トップはバリケロのまま。2位シューマッハーは1秒以内後方。しかし激しい争いも、首位逆転も起こらなかった。フェラーリ151勝目は、“セカンドドライバー”バリケロが手にした。

ラルフ・シューマッハーは4位でフィニッシュ。予選で速いウィリアムズBMW、決勝では結果が残せないばかりか、上り調子のマクラーレンに負けてしまっている。
以下、5位ジェンソン・バトン(ルノー)、6位にルーキーのフィリッペ・マッサ(ザウバー・ペトロナス)が入賞をはたした。

ジョーダン・ホンダの2台は、最悪のスタートをきった。18番手のジャンカルロ・フィジケラが、1コーナーでスピン、あろうことかチームメイトの佐藤琢磨にヒットしてしまった。両車はピットでダメージを修復しコースに復帰したが、フィジケラはドライビングできないとリタイア、佐藤は終始最後尾を走り、結局16位でレースを終えた。スタートの接触について、佐藤は「残念ですが、レースでは仕方のないことです」とコメント。フィジケラは、佐藤に謝罪したという。

■その差、46点

17戦中9戦を終了。チャンピオンシップをリードするのは、もちろんミハエル・シューマッハー。彼のポケットの中には、既に76点ものポイントがたまっている。2位で追う弟ラルフとの差は、なんと46点。シーズン早めに決着がつきそうなことは、想像に難くない。
3位モントーヤ27点、4位は26点で、クルタードとバリケロが並んでいる。

コンストラクターズタイトル争いは、フェラーリが102点で首位のまま、2位ウィリアムズBMW57点、3位マクラーレン・メルセデス37点、4位ルノー14点、5位ザウバー・ペトロナス9点というトップ5。BARホンダは、相変わらず唯一のノーポイントチームに居座り続けている。

次戦決勝は7月7日、イギリスGPだ。

(文=webCG 有吉/写真=本田技研工業)

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