オペルの新型「ベクトラ」デビュー

2002.07.03 自動車ニュース

オペルの新型「ベクトラ」デビュー

日本ゼネラルモーターズは、オペルの中型セダン「ベクトラ」を7年ぶりにフルモデルチェンジし、2002年7月27日から販売を開始する。

■GMグループ、気合いの1台

中型車「アスコナ」の後継として1988年にデビューしたオペル「ベクトラ」、わが国には翌年から導入が始まった。1995年に第2世代へと進化し、1997年にはワゴンモデルを追加。欧州市場では1996年から1998年の間、中型セグメント全体でトップに君臨した実績がある、と日本GMは胸を張る。
日本市場においては、1989年から2001年末までで累計販売台数4万台強を数えた。

今回発売される3代目は、2002年3月のジュネーブショーで初お披露目され、欧州市場では4月から販売が開始された。先代までの実用車的なイメージを払拭するかのごとく、新型は上質かつスポーティな性格を与えられて登場した。
新開発プラットフォームの採用によりサイズはひとまわり拡大、「IDSシャシー」と呼ばれる電子制御技術で高い走行性能とアクティブセーフティを謳う。プラットフォームは、今後GMグループの中型車への流用が予定されているものとして注目されており、次期「アルファロメオ156」などに用いられるのではといわれている。ニュー・ベクトラが先駆けての採用、開発にも一層気合いが入ったはずだ。生産は、7億5000万ユーロを投じて建てられたという独リュッセルスハイムの新工場が担当。既に2002年1月から稼動が始まっている。

日本仕様は、当面、2.2リッター直4 DOHC16バルブ「ECOTEC」エンジンと5段ATを組み合わせた右ハンドルモデルのみ。ベーシックな「2.2」(335.0万円)と、本革シートや「パークパイロット」と呼ばれるソナーなどを奢った上級「2.2プレミアム」(362.0万円)の2グレードがラインナップされる。2002年12月までの目標販売台数は、1000台。

2002年中には、211psを発する3.2リッターV6を積んだ、スポーツバージョンたる5ドアハッチバック「GTS」が追加される見込み。またワゴンモデルは2003年中に欧州での販売が予定されている。

■115mm長く、90mm幅広く、40mm高く

新型ベクトラのエクステリアデザインは、コンセプトカー「G90」(1999年フランクフルト)や「シグナム2」(2001年フランクフルト)で見られた「オペルデザインの新しい方向性を、市販モデルとして初めて具現化したもの」(プレスリリース)。
サイドに走るライン、目を見開いたようなフロントランプがシャープなイメージを醸し出す。テールパイプをリアバンパー裏に“隠した”のはジマンのひとつ。空気抵抗係数であるCd値で0.28を実現したという。

室内には、インストルメントパネルからサイドにかけて木目調のパネルがはわされ、上質感を演出。シートは、ベロア地のファブリック(2.2)と、「シエナ」と呼ばれる素材を用いた本革(2.2プレミアム)の2種類だ。ランバーサポート付きの前席は電動パワーシート、後席は6:4分割可倒式で、いわゆるトランクスルーも可能だ。
フルオートエアコンやAM/FM電子チューナー&MDプレーヤー/6連奏CDチェンジャーなど快適装備を標準で備える。小物入れを兼ねる前後席センターアームレスト、ステアリングコラム右横のコインホルダー、ドリンクホルダーやサングラスホルダーなど、収納スペースは豊富だ。

ひとまわり大きくなったボディは、全長×全幅×全高=4610×1800×1465mm。先代と較べ、115mm長くなり、90mm幅広くなり、40mm背高になった。ホイールベースは65mm延長され2700mm。トランク容量は、先代から20リッター増の500リッター(VDA方式)となった。

アルミニウムやマグネシウム、通常の自動車鋼板の約5倍の強度をもつというボロンアロイ鋼などを多用したボディは、軽量化とともに高剛性化も図られた。先代比で、ねじり剛性が74%、曲げ剛性は62%、それぞれアップした。

■目玉は、電子デバイスの統合システム「IDSシャシー」

パワーユニットは、先代からのキャリーオーバー、お馴染みオールアルミ製の2.2リッターECOTECユニット。最高出力147ps/5600rpm、最大トルク20.7kgm/4000rpmと、アウトプットも変わらない。
トランスミッションは、4段ATから一段増え、日本のアイシン製5段ATを採用した。シフターを助手席側に倒し、前後することでマニュアル操作できる「アクティブセレクト機能」や、停車時にシフトポジションを自動的にニュートラルにして燃費向上を図るオペル得意の「ニュートラルコントロール機構」、雪道などで3速発進する「スノーモード」などが備わる。

サスペンション形式は、前マクファーソンストラット、後4リンク。ホイールキャリアやコントロールアームなどをアルミとし、ダイエットに寄与した。

そしてベクトラ一番のウリが、「IDS(インタラクティブ・ドライビング・システム)シャシー」と呼ばれる電子制御システムだ。
アンチスピンデバイスたるESP、EBD(電子制御制動力分配機能)付きABS、トラクションコントロール、ブレーキアシスト、予め設定した走行速度、操舵速度をもとに最適なアシスト量を決める「マップ制御電動油圧式パワーステアリング」、コーナリング中にブレーキ圧の配分を行う「CBC(コーナリング・ブレーキ・コントロール)」を統合するシステムで、高い走行性能とアクティブセーフティが謳われる。

加えて、全方位前席エアバッグ、フロントサイドエアバッグ、側面衝突時に乗員の頭部を保護するカーテンヘッドエアバッグ、追突時にむち打ち症の危険を軽減する「アクティブヘッドレスト」、激しい衝撃が生じた際にブレーキペダルが脱落し足を保護する「フットプロテクションシステム」など、パッシブセーフティにも力を入れる。

(webCG 有吉)

 

テールパイプをリアバンパー裏に配置し、すっきりしたリアビューとした。
 


 

内装色は、ベージュかブラックのいずれか。
 

2.2リッター直4「ECOTEC」ユニット。欧州にはこのほか、ガソリンエンジンが2種類(1.8リッター直4、3.2リッターV6)、ディーゼル2種類(2リッター直4、2.2リッター直4)が用意される。
 

日本のアイシン製5段ATを採用したのもニュースだ。
 

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