トヨタ、新型バン「プロボックス」「サクシード」を発売

2002.07.03 自動車ニュース
 

トヨタ、新型バン「プロボックス」「サクシード」を発売

トヨタ自動車は、新型の商用バン「プロボックス」と「サクシード」を、2002年7月2日に発表、同日販売を開始した。
プロボックスは、2002年6月で生産終了を迎えた「カローラバン」の後継として、トヨタカローラ店・ネッツトヨタ店を通じ販売、サクシードは同じく生産が終わった「カルディナバン」に替わり、トヨタ店・トヨペット店で売られる。


上2枚の写真は「プロボックス」。名前は、英語の「professional」(プロの)と「box」(箱)を組み合わせた造語から取られた。
 

■派生ではなく、バン専用

東京は池袋にあるトヨタの施設「アムラックス」で開かれた発表会には、張富士夫トヨタ自動車社長が出席、開発にあたり徹底して行った市場調査の結実たる「プロボックス」「サクシード」を、「ビジネスカーの革新」として紹介した。

商用バンといえば、乗用車をベースとした派生車種として造られるのが常だったが、プロボックスとサクシードは、バンとして専用設計された、ユニークかつ力の入ったモデルである。
積載性や利便性といったバンの要素はもちろん、走行、環境、安全各性能の向上を図り、「21世紀のビジネスシーンを一新する画期的なコマーシャルバン」(プレスリリース)としての登場である。

商用バンの保有台数は全国で145万台を数え、月販台数は1万台を超えるという。この大きな市場で既に50%のシェアを誇るトヨタ、プロボックス、サクシードでさらなる占有率拡大を目指す。


プロボックス、サクシードを「ビジネスカーの革新」と称した張富士夫トヨタ自動車社長。
 

プロボックスは全長4195mmのコンパクト版(バン?)、サクシードはそれより105mm長いミディアムサイズのバンという位置付け。両車とも4つのドアとテイルゲイトをもつ。

機関面での注目点は、1.3リッター「2NZ-FE」(プロボックスのみ)、1.5リッター「1NZ-FE」といった、「ヴィッツ」などでお馴染みの直4エンジンに加え、インタークーラー付き1.4リッターコモンレール式直噴ディーゼルターボ「1ND-TV」を採用したこと。欧州市場でヴィッツ(現地名ヤリス)やファンカーゴ(同ヤリスヴァーソ)に搭載されているものを、国内の排出ガス基準に適合するよう改変したものだ。ディーゼルへの風当たりが強い日本に、ディーゼルに積極的なヨーロッパで生まれたユニットがやってきたというのが興味深い。

生産は、グループ企業、ダイハツ工業の京都工場で行われる。月の目標販売台数は、プロボックスが5000台、サクシードは2000台。

なお、バンに加え、5ナンバーの乗用タイプ「ワゴン」も両車に設定。エアロパーツなど各種パッケージが用意される。



 

■積載容量、ミカン箱39個分

ボクシーな外観は質実剛健なイメージ。飾り気のないシンプルなプロボックスに対し、サクシードではリアのナンバープレート脇などに若干の装飾を施した。

室内には、バンとしての使い勝手を考慮したアイテムが多数。インストルメントパネル中央には、引き出し式の台「インパネテーブル」が備わり、小型パソコンを置いたり伝票書きなどに利用できる。また通常フタ付きのグローブボックスからフタを取り、アクセスしやすくする工夫もこらされる。さらに、ペン立てやカードホルダー、コインポケットなど収納スペースを方々に設置、サイドブレーキ横には書類などを挟む「A4バインダー立て」がある。
エアコンは全車に標準装備。前席は高さを12段階に調節でき、長時間ドライブ時の疲労軽減を図る。


上の2枚は「サクシード」。成功を意味する「succeed」から。
 

バンにとって、荷室の広さは当然重要なポイントだ(以下、カッコ内はプロボックスバンの値)。一体可倒式の後席背もたれを倒した場合、長さ1830(1810)mm、幅最大1420mm、高さ935mm。積載容量は2.43(2.4)立方m、積載量は最大で450(400)kg。カタログには、A4コピー箱なら90(89)個、ミカン箱なら39(38)個積めるとある。テイルゲイトは、積み下ろししやすいよう、幅、高さを大きめに設定。開口部の長さは900mm、ゲイトを最大に開けた際の高さは1800mmとした。また開口部から段差のないフラットフロアとした。

ボディサイズは、全長×全幅×全高=4300(4195)×1690×1525mm、ホイールベースは2550mmだ。


1.4リッターコモンレール式直噴ディーゼルターボ。欧州で販売されているものを、国内向けに改変した。
 

■ディーゼルは、MTと2WDにのみ

ガソリンエンジンには、連続可変バルブタイミング機構「VVT-i」が備わる。1.3リッターは87ps/6000rpm、12.3kgm/4400rpm。1.5リッターは109ps/6000rpm、14.4kgm/4200rpmで、ビスカスカプリング式のフルタイム4WD車は、4ps、0.3kgmそれぞれダウンする。
1.4リッター直噴ディーゼルターボのアウトプットは、72ps/4000rpmと17.3kgm/2000-2800rpm。噴射する燃料の量とタイミングをシリンダーごとに細かくコントロールするコモンレール式を採用したことにより、低燃費を実現したという。1.3リッター+5段MTの2WD車がリッター17.4km、ディーゼルモデルは23.0km。しかしディーゼルでは、2WDと5段MTしか選べない。このほかのモデルでは、4段AT「Super ECT」も用意される。



 

サスペンション形式は、前マクファーソンストラット、後4リンクを採用。乗車人数や積載量にかかわらず、乗用車ライクな乗り心地を実現したと謳われる。

環境性能は、ガソリンモデル全車が、低排出ガス車認定制度「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」をクリア。乗用ワゴンの4WD/4段AT車を除けば「平成22年燃費基準」も達成した、低公害車である。
ディーゼルモデルは、「平成14年排出ガス規制」「平成17年排出ガス規制」に対応する。

安全面では、重量の異なる車両との衝突における乗員保護性能、いわゆるコンパティビリティの向上を図った衝突安全ボディ「GOA」を始め、前席SRSエアバッグ、追突された時に首への衝撃を緩和する「WIL(頸部障害低減)コンセプト」を取り入れたフロントシート、EBD付きABS、ブレーキアシストなどをそろえる。



 

■プロボックス87.0万円から、サクシード122.0万円から

グレードは多彩だ。エンジン3種類、トランスミッションと駆動方式がそれぞれ2種類、パッケージを含めたトリムレベルで4種類(サクシード3種類)。これに、ブラックの専用ボディ色や、後席のクッションを厚めにした乗用「ワゴン」が加わる。

価格は以下の通り。


こちらは5ナンバーの乗用車「プロボックスワゴン」。
 

●プロボックスバン
1.3リッター 87.0万円(2WD/5段MT)から115.5万円(2WD/4段AT)
1.5リッター 112.3万円(2WD/5段MT)から146.8万円(4WD/4段AT)
1.4リッターディーゼル 127.3万円から135.3万円(すべて2WD/5段MT)

●サクシードバン
1.5リッター 122.0万円(2WD/5段MT)から161.5万円(4WD/4段AT)
1.4リッターディーゼル 138.0万円から150.0万円(すべて2WD/5段MT)

●プロボックスワゴン
1.5リッター 118.3万円(2WD/5段MT)から156.8万円(4WD/4段AT)

●サクシードワゴン
1.5リッター 139.5万円(2WD)から167.5万円(4WD)(すべて4段AT)

(webCG 有吉)

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