シューマッハー、イギリスで60勝目

2002.07.08 自動車ニュース

シューマッハー、イギリスで60勝目

F1世界選手権第10戦イギリスGP決勝が、2002年7月7日、イギリスのシルバーストーン・サーキット(5.141km)を60周して行われた。優勝は、フェラーリのミハエル・シューマッハー。今シーズン7勝目、自身がもつ最多勝利数を「60」まで伸ばした。2位はチームメイトのルーベンス・バリケロで、フェラーリ1-2フィニッシュ。3位はポールシッターのファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)だった。


「P4」(ポジション4位)の文字が、ジャック・ヴィルヌーヴに示された。ようやく初ポイント獲得にこぎつけたBARホンダ。しかし、さらなる上が望まれているのは、いうまでもないだろう。

■雨に笑ったブリヂストンユーザー

6日の予選、最後のアタックで(奇跡的な)逆転ポールを獲得したモントーヤ。これで第7戦モナコGP以来、4戦連続1番グリッドからのスタートとなった。
翌日は、決勝レース前からポツポツと雨落ちるあいにくの空模様。雨用タイヤで一日の長があるブリヂストンに対し、ミシュランタイヤユーザーには一抹の不安。
その不安は的中し、勝利をシューマッハー/フェラーリ/ブリヂストンの“黄金トリオ”に奪われたばかりか、決勝のトップ10内には3台しか残らなかった。

ほぼドライ状態で始まったレースは、フォーメーションラップ開始前にひと波乱。2番グリッドのバリケロがエンジンストールし、最後尾からスタートしなければならなくなった。
1周目1コーナーを制したのはモントーヤ。3番グリッドのミハエル・シューマッハーがこれを追い、両車は10周過ぎまで1秒以内の攻防を繰り広げた。バリケロは、10周までに8位まで順位を回復していた。

やがて雨が激しくなり、13周目に多くのマシンがレインタイヤに交換するためピットイン。ドライ用タイヤのまま勝負に出たマクラーレン・メルセデスのデイヴィッド・クルタードは、結局この賭けに負けた。

タイヤを換え、引き続きトップ2はモントーヤ、シューマッハーだったが、モントーヤはミシュランタイヤに足をすくわれたか、17周目のアビーコーナーでシューマッハーに首位を奪われた。
予選で速くても、決勝で勝てない、完走できないといったジレンマに陥っていたモントーヤは、その数周後、いつのまにか3位にあがっていたバリケロにもパスされた。
「彼ら(フェラーリ)は1周2秒も速かったんだ。何もできなかったよ」とは、3位でレースを終えたモントーヤの弁。
しかし、このまま戦いなく終わったわけではなかった。2位バリケロは、31周目、アビーでスピンをきっし、間を詰めた3位モントーヤはその10周後、カーナンバー2の紅いマシンを抜き返し2位を奪回した。
前戦ヨーロッパGPで自身2度目の優勝を飾ったバリケロも、これに負けじと戦いを挑み、コプスコーナーで再度フェラーリ1-2体制を築いた。
「モントーヤとのバトルは、クリーンで楽しかったよ」、バリケロはレース後に語った。

雨に翻弄された60周のレースは、シューマッハー、バリケロ、モントーヤの順でチェッカードフラッグが振られた。
以下、4位ジャック・ヴィルヌーヴ、5位オリヴィエ・パニスと、2台のBARホンダが今シーズン初入賞。“唯一のノーポイントチーム”という汚名を、10戦目でようやく返上した。

6位にはニック・ハイドフェルドのザウバー・ペトロナスが入り、最後の1点を獲得。以下、7位ジャンカルロ・フィジケラ(ジョーダン・ホンダ)、8位ラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)、9位フィリッペ・マッサ(ザウバー・ペトロナス)、10位クルタードというトップ10。
ジョーダン・ホンダの佐藤琢磨は、予選で自身最高位タイの14番手を獲得。レースでは9番手を走行していた52周目、エンジン・トラブルが発生し、戦列を去った。2001年イギリスF3選手権チャンピオンの佐藤にとって、勝手知ったるシルバーストーンは“第2のホームGP”。だけに惜しい結果だ。
トヨタは、アラン・マクニッシュ、ミカ・サロともにリタイアした。

■5度目のタイトルに王手

10戦を終えた2002年シーズン。レースとチャンピオンシップを独走するシューマッハーは、獲得ポイントを86点とした。残り7戦、シューマッハーは、次のフランスGP(7月21日)で5度目のタイトル獲得に挑戦する。
フランスで現在ランキング3位のモントーヤ(31点)、同4位のラルフ・シューマッハー(30点)より6点以上のポイントを得れば、シューマッハーのチャンピオン決定。ランキング2位に上昇したバリケロ(32点)は・・・もちろんトップを目指すことなど許されないだろう。

コンストラクターズチャンピオンシップは、1位フェラーリ118点、2位ウィリアムズBMW61点、3位マクラーレン・メルセデス37点、4位ルノー14点、5位ザウバー・ペトロナス10点。ホンダエンジン勢がジョーダン(5位6点)、BAR(6位5点)と続き、デビューイヤーのトヨタはアロウズ・コスワース、ミナルディ・アジアテックと同様2点を獲得している。

(文=webCG 有吉/写真=本田技研工業)

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