キープコンセプトのニューデミオ登場!

2002.08.07 自動車ニュース
 

キープコンセプトのニューデミオ登場!

2002年8月7日、マツダのコンパクトカー「デミオ」のニューモデルが発表された。1996年に初代がデビューして以来、6年ぶりのフルモデルチェンジである。ニューデミオは、累計生産台数20万台を超えるヒット作となった前作を受け、いわゆるキープコンセプトで開発が進められた。


写真上:デミオ「Sport(スポルト)」。空力パーツとディスチャージヘッドランプを特徴とする。
写真下:女性をメインターゲットとする「Cozy」。約10秒で開閉できる電動キャンバストップを備える。
 

■「3カー・フロム・1」

新型は、スペースユーティリティを重視した高めのボディを若干拡大、フロントには1.3、および1.5リッター直4エンジンを横置きに搭載、4段ATまたは5段MTを介して前輪を駆動する。基本構成は先代を踏襲しつつも、しかしニューデミオは、プラットフォーム、パワーソースともまったくの新開発となった。ミドレンジモデル「アテンザ」に続く、マツダ入魂の新作である。ちなみに、シャシーは、欧州フォードのコンパクトハッチ「フィエスタ」と共用される。


可視光線の約40%を透過させるホワイトキャンバス。デミオは、3種類のシリーズそれぞれに、独自のインテリアが用意される。
 

新しいデミオは、「3カー・フロム・1」をコンセプトとしたラインナップで構成される。
すなわち、1.3、1.5リッターを揃えるベーシックな「Casual(カジュアル)」(4段AT、5段MT)。同じく2種類のエンジンをもちながら、トランスミッションはオートマチックだけとなるラグジュアリーグレード「Cozy(コージー)」。そして、エアロパーツを装着、1.5リッターエンジンを搭載、5段MTまたはシーケンシャルにシフトできるスポーツモード付き4段ATを選べる「Sport(スポルト)」 の3種類である。

ベーシックな実用車として人気を博した先代デミオ。新型では、「Casual」で従来の主要顧客層を受けながら、オシャレバージョン「Cozy」で主に女性に訴求、さらにマツダ得意の“走り”を前面に押し出した「Sport」を加えて、ユーザーの横展開を狙う。限られた開発費で、しかも後続のライバルがひしめくなか、嗜好が細分化した消費者を広く取り込もうというわけだ。


ベーシック版たる「Casual(カジュアル)」。
【スペック】Casual(1.3リッター/5MT):全長×全幅×全高=3925×1680×1530mm/ホイールベース=2490mm/車重=1060kg/駆動方式=FF/1.3リッター直4DOHC16バルブ(91ps/6000rpm、12.6kgm/3500rpm)/車両本体価格=107.0万円
 

■デミオのサイズと室内

マツダのファミリーフェイスたる「5ポイントグリル」をフロントに配した新型デミオのボディサイズは、全長3925(+125)mm、全幅1680(+10)mm(カッコ内は先代比)。全高も30mm高くなったものの、依然として立体駐車場に入れられる1550mmを下まわる1530mm(キャンバストップ車は1545mm)。ホイールベースは、100mm長い2490mmとなった。「トヨタ・ヴィッツ」「日産マーチ」より大きめで、「ホンダ・フィット」の全長×全幅×全高=3830×1675×1525mm、ホイールベース=2450mmと拮抗する車両寸法である。


Casualのインテアリア。これはマニュアルモデルだ。
 

パッケージングのよさは、2代目にも引き継がれた。低めのダッシュボードで前方の広々感獲得を図り、横方向では、ドア内張を凹面構造としてエルボースペースを稼いだ。前席で1358mm、後席で1348mmのショルダースペースは、クラストップレベルと謳われる。前席は、シートそのものも幅が38mm拡大された。
ステアリングホイールのチルト(上下)量を大きくし、全グレードのドライバーズシートに、座面横のレバーによって着座位置を上下させるラチェット式シートリフターを装備、ドライビングポジションの選択範囲を広げたのも特徴だ。


多彩なシートアレンジも新型のジマン。ヘッドレストを抜かずに、ダブルフォールディング可能だ。
 

後席は、「ルノー・トゥインゴ」のように前後にスライドできる。移動量は160mm。背もたれは左右独立でリクライニングでき、もちろん別個に前に倒せるほか、バックレストと座面ごと前に倒して荷室を拡大するダブルフォールディングも可能だ。これを、ヘッドレストを抜かないままできるのがジマン。また、荷室内からシート側面後部に付いたレバーを引いて操作することもできる。
フロントシートのヘッドレストを抜いて背もたれを後方に倒せば、前後席をつなげる簡易ベット、つまり「フルフラット」になる。


シリンダーブロックを上下に分割したMZRシリーズ。1.3、1.5リッターともに、「平成12年基準排出ガス規制」50%低減レベルの「優-低排出ガス車」を取得。いわゆる2ツ星だ。
 

■ニューデミオの動力系

デミオのパワーソース、4気筒DOHC16バルブ「MZR」オールアルミユニットは、「B」型以来、16年ぶり(!)のブランニューエンジン(シリーズ)である。1.3リッター「ZJ-VE」型(91ps/6000rpm、12.6kgm/3500rpm)と1.5リッター「ZY-VE」型(113ps/6000rpm、14.3kgm/4000rpm)が用意される。
いずれも600mmと長めのインテイクマニフォルドと、吸気側の連続可変バルブタイミング機構「S-VT」システムをもち、2000から4500rpm付近のトルクを太らせて実用性を重視。一方、ブロックを上下に割ってクランクシャフトの支持剛性をアップ、振動、音質に配慮した。


スポルトのATゲート。左側にシーケンシャルシフト用のゲートが設けられる。前に押すとシフトダウン、引くとアップという、BMWと同じ方式だ。
 

旧型デミオの「B」型が、1.3/1.5リッター=83ps/100ps、またライバルたるフィットの1.3リッターが86psと12.1kgmだから、この「燃費」「環境」重視のおり、アウトプットを頑張った4気筒エンジンである。とはいえ、1.3、1.5リッターモデルとも、「平成12年排出ガス規制」の50%低減レベル(優-低排出ガス車)認定を取得。2010年燃費基準も達成している。

用意されるトランスミッションは、4段ATと5段MT。いずれもマツダ自製。「Sport」1.5リッターモデルには、ジグザグゲートをもち、シーケンシャルシフトが可能な「アクティブマティク」が搭載される。
マニュアルギアボックスは、従来よりシフト時の摩擦係数を半分にすることで、「すっきりした操作感を発揮」(プレス資料)するという。ロウとセカンドは、ダブルコーンシンクロだ。


前後左右にエアロパーツを付け、リアエンドスポイラーも標準で装備するスポルト。
 

■足まわりと安全装備

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット/コイル、リアがトーションビーム/コイルと、コンパクトカーとしてコンベンショナルなもの。しかし、そこは“走り”に関して一家言あるマツダである。前後ダンパーのボディ側取り付け部が強化され、リアには低圧のモノチューブダンパーが奢られた。ブッシュ類のチューニングにも細心の注意が払われた、ハズだ。
エンジン回転数感応型パワーアシストを備えるステアリングは、ギアが16.4から15.3:1に速められた。しかし、最小回転半径は4.9m。先代は4.7mだったから、ニューデミオは、ステアリング操作に対するレスポンスが上がった反面、(物理的な)切れは悪くなった。


90度近く(80度)までリアドアを開けられるのもジマン。ドアの張り出しは、ドアの形状を工夫することで、先代とほとんど変わらないという。
 

ブレーキは、フロントが235mmから258mmに大径化、厚みも18mmから24mmにアップ、リアは従来通りドラム式ながら、これまたブレーキシューが、幅30mmから38mmに広げられた。
全車に、「ABS」はもちろん、前後に適正な制動力を配分する「EBD」、緊急ブレーキ時にドライバーのペダル踏力を必要に応じてアシストする「ブレーキアシスト」を標準で装備。さらに、クルマの挙動を、各輪のブレーキを個別に制御することで安定させる「DSC」は、AT車にオプションで用意される。
受動安全装備として、「前席ダブルエアバッグ」を標準装備、「前席サイド&カーテンエアバッグ」がオプション設定された。

価格は、以下の通り。

・「カジュアル」(1.3リッター):107.0-114.5万円。
・「カジュアル」(1.5リッター):121.0-128.5万円。
・「コージー」(1.3リッター):123.5万円。
・「コージー」(1.5リッター):137.0万円。
・「スポルト」(1.5リッター):145.0-153.5万円。

目標販売台数は、7000台/月を目指す。

(webCGアオキ)

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