トヨタとGMのコラボレーションSUV「ヴォルツ」発表

2002.08.21 自動車ニュース
 

トヨタとGMのコラボレーションSUV「ヴォルツ」発表

トヨタ自動車は、米ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発したSUV「ヴォルツ(VOLTZ)」を、2002年8月20日に発売した。ネッツトヨタ店を通じて販売される。


左が、トヨタ自動車の張富士夫社長。右は、GM副社長のマーク・T・ホーガン副社長。
ホーガン氏は、トヨタとGMの合弁会社「New United Motor Manufacturing,Inc.(NUMMI)」で生産されるヴォルツを、「日米協調の証」とし、GMとトヨタの関係が良好であることをアピールした。
 

■トヨタとGMの、第2弾

トヨタ「ヴォルツ」は、GMとトヨタが初めて共同開発したニューモデル。「カローラ」のプラットフォームを利用した、コンパクトな全長と、ラージクラスの全幅、SUV並の車高をセリングポイントとする、「若者の様々な使い方に対応する新しいカテゴリーのクルマ」(トヨタ自動車の張富士夫社長)として登場した。

企画とデザインはトヨタとGMが共同で行い、設計と評価はトヨタが担当した。生産は、アメリカはカリフォルニア州フリモント市にある、トヨタとGMの合弁会社「New United Motor Manufacturing, Inc.(NUMMI)」で行われ、日本へ逆輸入される。アメリカでは「ポンティアック・ヴァイブ(Pontiac Vibe)」の名前で、既に2002年1月から販売されている。


全グレードに標準装備のルーフレールと、後ろが絞り込まれるサイドウィンドウ形状による、クーペのようなサイドビューもジマンだ。
 

グレードは、ベーシックな「S」とスポーティな「Z」をラインナップ。エンジンは2種類の1.8リッターユニット、トランスミッションは4段ATまたは6段MT、駆動方式はFFかビスカスカプリング式フルタイム4WDを用意する。右ハンドル仕様のみで、価格は、178.8万円から205.2万円まで。販売目標台数は1500台/月。ちなみにネーミングの由来は、電圧を表す「VOLT」からという。

トヨタは、日米貿易摩擦を緩和する目的で、1996年からGM製の「キャバリエ」を輸入し販売した経緯がある。2.4リッター直4エンジンと4段ATなどを載せて、149.9万円からという破格値で訴求したが、売れ行きが思わしくなく、当初予定していた5年の販売期間を短縮し、2000年に生産中止となった。
ヴォルツは、トヨタとGMが日本市場に問う、第2弾モデルである。



 

■多用な使い方に配慮

ボディサイズは、全長×全幅×全高=4365×1775×1605(4WDは1615)mm、ホイールベースは2600mm。ベースのカローラと較べ、幅が80mm広く、車高が35mm高い。操縦性や安定性、スタイリングをふまえて、全幅は1775mmと広めに設定されたという。
剛性確保と、振動や騒音を低減を狙い、ボディ骨格の接合部分に補強剤を使用。加えてダッシュパネルやエンジンフードの裏側、フロア周辺などに吸遮音材を、フロアパネルやバックドアパネルには、振動を抑える制振シートを貼り付け、静粛性と快適性を高めたという。



 

インテリアは、ダークグレーが基調色。運転席まわりに、金属調の塗装やメッキを配し、高級感を演出する。クロームメッキリングで囲まれた四連独立メーターは、赤色照明のオプティトロンを採用。速度計とタコメーターのゼロポイントを真下に配置するなどし、スポーティさを強調した。



 

後席は6:4の分割可倒式。シートバックを前に倒すと連動して座面が下がり、前席後部からバックドアまで、1620mmのフラットな荷室をつくることができる。さらに助手席のシートバックを倒せば、1800mmの長尺物を積載することも可能。荷室と後席シートバックには、汚れなどが拭き取りやすい樹脂製を採用。積載物をベルトで固定する際のフックや、荷物の出し入れをスムーズにする「デッキフロアレール」を備え、多用な使い方に配慮する。


写真は「Z」に載る「2ZZ-GE」型エンジン。190psを発する
 

■2種類の1.8リッターエンジン

エンジンは、スポーティな「Z」には、吸排気バルブタイミングに加え、リフト量の制御を加えた「VVTL-i」機構付きの「2ZZ-GE」エンジン(190ps/7600rpm、18.4kgm/6800rpm)が載る。高回転、高出力型を謳いながら、平成12年度基準排出ガス25%低減レベルの「良-低排出ガス車」としたのがジマン。「セリカSS-II」や「カローラランクスZエアロツアラー」などに採用済みのものである。

ベーシックな「S」には、同じく「セリカ」や「カローラ」シリーズのベーシックモデルにも搭載される「1ZZ-FE」(132ps/6000rpm、17.3kgm/4200rpm)。同75%低減レベル「超-低排出ガス車」に認定される。

組み合わされるトランスミッションは、電子制御式4段ATと、「Z」でのみ選べる6段MT。ATは、「S」の4WDと「Z」に「Super ECT」を、「S」の2WDに「ECT」と呼ばれるものを採用。前者には、アクセルの踏み込み量と車速から登り下りを判断し、不要なシフトを低減する「登降坂変速制御」という機能が追加される。



 

駆動方式は、「S」「Z」でFF、「S」でのみ、ビスカスカプリングを用い前後輪の動きに差が生じたときのみ後輪にトルクを配分する「Vフレックスフルタイムシステム」が選べる。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアは、FFがトーションビーム、4WDがダブルウィッシュボーン。走行性能と大径タイヤの装着を考慮し、ステアリング周辺のパーツを含めた専用設計のもの、という。
「S」は205/55R16のオールシーズンタイヤを装着。「Z」は、215/50R17サイズの、ハイパフォーマンスタイヤを履く。パワーステアリングは、エンジン回転数感応型の油圧式で、優れた操舵フィーリングを謳う。

安全装備として、前後に適正な制動力を配分する「EBD」付きABSを標準装備。受動安全装備は、デュアルステージSRSエアバッグや、プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルト(前席)が備わる。運転席側のエアバッグには、シート位置検出センサーが設けられ、ドライバーの体格に応じてエアバッグの出力が自動制御される。

価格は、以下の通り。

S(2WD/4AT)……178.8万円
S(4WD/4AT)……198.8万円
Z(2WD/6MT)……199.8万円
Z(2WD/4AT)……205.2万円

(webCGオオサワ)

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