【スペック】全長×全幅×全高=4285×1760×1230mm/ホイールベース=2425mm/車重=1270kg/駆動方式=FR/654cc×2水冷直2ローターターボ・インタークーラー付き(280ps/6500rpm、32.0kgm/5000rpm)/車両本体価格=399.8万円(テスト車=同じ)

マツダRX-7Type RZ(5MT)【ブリーフテスト】

マツダRX-7 Type RZ(5MT) 2000.11.13 試乗記 ……399.8万円総合評価……★★★★★

23年分の想い

親会社のフォードがその存続を認めるかどうかが自動車雑誌のニュース欄を賑わわせるほど世界の技術トレンドから離れてしまった(決して悪い意味でなく)、世界唯一のヴァンケルユニットことロータリーエンジンを搭載したスポーツカー、RX-7。「RZ」は、2000年10月18日に発表された175台限定車。
レギュラーモデルと違うのは、2シーター化、レカロと共同開発したフルバケットシート、BBS製17インチ鍛造ホイール、ハードタイプのビルシュタインダンパー、赤いステッチの入ったナルディ製専用ステアリングホイール、そして専用の白い車体色など。
これまでも、RX-7は十分に速かったし、スポーティだった。だが、興を削ぐエキゾーストノイズや、スパルタン過ぎて街乗りでは「ビシッ! ビシッ!」と脳天を突くような乗り心地がマイナス点だった。
ところがRZでは、それらの欠点がほとんどすべて改善されている。実用性の犠牲分を取り戻し、そのうえスポーティな走りに磨きがかかった。デビューから9年経ったRX-7は、「Type RZ」で完成したのではないか。日本でいま最もピュアなスポーツカーかもしれない。「バリューフォアマネー」。カタログの「過去23年にわたるRX-7への想いのすべてを込めた」とのコピーは伊達じゃない。

【概要】 どんなクルマ?

(シリーズ概要)
「FD」こと3代目RX-7(サバンナクーペを入れれば4代目)は、1991年10月16日に、グラマラスな3ナンバーボディをまとって「アンフィニRX-7」として登場した。いわずとしれた、世界唯一のロータリースポーツである。アイデンティティの源、「13B」型ヴァンケルユニットは、基本的には先代からのキャリーオーバー。654cc×2の水冷直列2ローターを、大小2つのタービンで過給する、いわゆる「シーケンシャルツインターボ」だ。
(グレード概要)
RX-7の基本グレードは3つ。5MTのほか4ATモデルも用意される、比較的ソフトな性格の「RB」、スポーティな「R」、スパルタンな「RS」である(R、RSとも5MTのみ)。テスト車の「RZ」は、175台の限定モデル。「スノーホワイトパールマイカ」の専用車体色、BBS17インチホイール、ハードチューンのビルシュタインダンパー、赤いレカロのフルバケットシートほか、助手席にアルミ製フットレストボードなどが備わる。  

【車内&荷室空間】 乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★
全般的に内装のデザインセンスが古い。登場が1991年だから致し方のないところであるが、ホワイトメーターなどは流行遅れなうえに見にくい代物だ。エアコンも全グレードがマニュアルと少し淋しい。
(前席)……★★★★
レカロ製の、クッションが薄く、角度調節すらできないフルバケットシート。しかし不思議に不快ではない。コーナリング中にカラダをしっかりと支えてくれる一方、上体の自由度が大きいからか。フルバケットを意識させられるのは乗り降りの際くらい。
なお、後席は軽量化のために取り払われた。かわりに、ストレージBOXなるフタ付きの荷物入れが備わり、その上にもアタッシェケースとハンドバッグなどを置けるくらいの空間が確保された。
(荷室)……★
天地は低く、大きなガラスハッチ付きのトランクなので、大きな荷物は入らない。でも、RX-7は「ピュアスポーツ」である。不満を感じるヒトはいないだろう。

【ドライブフィール】 運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★
オーソドックスなレシプロエンジンとは、回転の上昇と下降の様子、パワーとトルクの出方、サウンド、振動の少なさなどが大きく異なる。以前は、「好き」か「嫌い」かが評価の大前提となるエンジンだったが、今回のリファインでその前提は不要になった。滑らかでレスポンシブルなフィーリングは、ほかのクルマでは得られない。トランスミッションは、可もなく不可もなし。もう1速足して、6速にして欲しい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
以前は、路面の凹凸から受けるショックを激しく跳ね返し、それがそのままドライバーに伝わってきたが、今は違う。路面とタイヤが接した瞬間のショックを、サスペンションがよく吸収するようになった。そこからグッと踏張り、それ以上沈まない。スポーツカーとしては、むしろ快適な乗り心地。
もともとハンドリングは洗練されていたが、さらに磨きが掛かった。エンジンを、低く可能なかぎりキャビン寄りに搭載し、各部にアルミ製パーツを多用して軽量化、そして、トランスミッションとディファレンシャルをフレームで結合するなどの凝った設計によるところが大きい。

(写真=河野敦樹)

【テストデータ】

報告者:金子浩久
テスト日:2000年11月7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:2451km
タイヤ:(前)235/45ZR17/(後)255/40ZR17(いずれもブリヂストン Potenza S-07)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:387.4km
使用燃料:83.4リッター
参考燃費:4.6km/リッター

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