【スペック】全長×全幅×全高=4135×1750×1285mm/ホイールベース=2400mm/車重=1260kg/駆動方式=FR/2リッター直4DOHC16バルブ(250ps/8300rpm、22.2kgm/7500rpm)/車両本体価格=356.0万円

ホンダS2000タイプV(6MT)【試乗記】

「VGSの罪」 2000.08.30 試乗記 ホンダ・S2000 タイプV(6MT)……376.0万円-追補-「CAR GRAPHIC」誌で、ホンダS2000の長期リポートを担当する大谷秀雄CG編集部員が、タイプVに搭載されたステアリング可変ギアレシオを評価する。VGSは、魔法のデバイスなのか?

フォーミュラ感覚のハンドリング

S2000タイプVの最大の特徴は、車速応動可変ギアレシオ(VGS=Variable Gear ratio Steering)と呼ばれる新ステアリング機構を備えたこと。これは車速と舵角、両方の変化に対して無段階にステアリングレシオを変え、低中速域および大舵角時はクイックに、高速域ではスローに躾けることを目的とする。
その効果は歴然で、最初にステアリングを切った瞬間、フロントの横っ飛びするような鋭い反応から、イヤというほど思い知らされるはず。なにせロック・トゥ・ロックは標準型の2.4回転に対し、1.4回転まで減らされているのだから、メーカーが謳う「フォーミュラ感覚のハイレスポンスなハンドリング」もわかるが、その操作には慣れが必要なことは確かだし、中には拒絶反応を示す人もいるとは思う。



素直なターンイン、有効なトラクション

低速時のクイックさにひきかえ、80km/h以上では、標準型S2000と変わらないレベルにまでレシオは落とされるから、高速域でステアリングが過敏になることはない。ご安心を。
峠道では、初期アンダーが出る確率が各段に減った。ステアリングのレスポンスが上がったことで、必要とされるロール量を適時に、それも一気に与えることが可能となったためだ。もちろん、VGS採用にともなうサスペンション(ダンパーの伸び側減衰力強化+リバウンドスプリング追加)とLSDの仕様変更も、これまで以上に素直なターンインと有効なトラクションを与えることに寄与している。

キチンと伝わるインフォメーション

小舵角から大舵角にいたるまで、フロントタイアがきれいに追従していく様子はちょっとした驚きで(コーナリング中に「切り増し」してもさらによく曲がっていく)、その時のステアリングフィールも標準型と変わらない。つまり電動モーター式パワーステアリング「EPS」は、とくに切り始めで、スポーツカーとしては操舵感覚がわずかに欠ける部分があり、極上の部類のそれには届かないかもしれない。が、全般として路面からの感触をきちんと伝えていることには間違いなく、それがVGSの採用によってドライバーに見えにくくなっているとしたら残念なのだが……。

(文=CG編集部 大谷秀雄/写真=河野敦樹)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

関連記事
  • ホンダS2000 タイプS(FR/6MT)【試乗記】 2008.1.8 試乗記 ホンダS2000 タイプS(FR/6MT)
    ……432万6000円

    ホンダの2シーターオープンスポーツ「S2000」に新グレードの「タイプS」が追加された。GTウイングを装着した新たなスポーティモデルに試乗した。
  • ホンダ新型車試乗会(「フィット」&「タイプR」&「S2000」)【試乗記】 2007.12.11 試乗記 ホンダ・フィット(FF/5MT)/シビック・タイプR(FF/6MT)/S2000 タイプS(FR/6MT)

    「R」や「S」のバッジが輝く、スポーティモデル。走りの良さはちょっと横において、街なかでの“普段使い”はどうなのか? 『webCG』の近藤と関が、ホンダの新車試乗会で試してみた。
  • 「シャトーパナメーラ スペシャルナイト」の会場から 2016.12.20 画像・写真 2016年12月20日、新型「ポルシェ・パナメーラ」の先行公開イベント「シャトーパナメーラ スペシャルナイト」が東京・恵比寿で開催された。女優の真矢ミキさんや音楽家の高橋幸宏さんもゲスト出演した、会場の様子を写真で紹介する。
  • レクサスLC500h(FR/CVT)/LC500(FR/10AT)【海外試乗記】 2016.12.23 試乗記 間もなくローンチされるレクサスの新型ラグジュアリークーペ「LC」。同ブランドが初めて挑戦するラージサイズクーペは、どのようなキャラクターを持ち合わせているのか? その出来栄えをスペインで試した。
  • 第18回 ゼイタクは敵(その2) 2016.11.22 エッセイ 清水草一の話題の連載。第18回は「ゼイタクは敵(その2)」。筆者が“世界初の超小型スーパーカー”と賞賛する、愛車「ホンダS660」との思い出を語る。「フェラーリ458イタリア」との夢のスーパーカー2台生活の実態とは?
ホームへ戻る