【スペック】全長×全幅×全高=4705×1760×1450mm/ホイールベース=2780mm/車重=1490kg/駆動方式=FR/2.5リッター直6DOHC24バルブ(200ps/6000rpm、25.5kgm/3800rpm)/車両本体価格=279.0万円(テスト車=330.6万円)

トヨタ・ヴェロッサ25(5AT)【ブリーフテスト】

トヨタ・ヴェロッサ25(5AT) 2001.09.06 試乗記 ……330.6万円総合評価……★★

希薄な存在感

2.5リッター直噴「D4」ユニットを積む、ヴェロッサの中心モデル。トランスミッションは、2リッターおよび2.5リッターターボ車の4段ATに対し、NAモデルには5段AT「5 Super ECT」が奢られる。自然吸気ながら、ターボ車「VR25」に準じた足まわり、装備をもつ「V25」もラインナップされるが、テスト車は16インチホイールを履くおとなしい「25」。「クラストップレベルの低燃費」「低・中速域で一段と豊かなトルクを獲得した」ノンターボの2.5リッター直列6気筒ユニットは、200psと25.5kgmを発生。スペックは立派だが、しかし、1460kgのウェイトをもつ「25」の動力性能はごく普通。穏やかに、静かに走る。「エモーショナルデザイン」をテーマにしたヴェロッサの派手な外観の“コケおどし感”が強くなる(?)。クルマとしての存在感がどうも希薄だ。これならマークIIのままでいいのでは?




【概要】 どんなクルマ?

(シリーズ概要)
2001年7月6日にリリースされた、トヨタいうところの「エモーショナルセダン」。「ヴェロッサ」とは、イタリア語の「Vero(真実)」と「Rosso(赤)」からの造語である。販売店からは旧マークII3兄弟の「クレスタ」を継ぐモデルとなるが、保守層狙いだったクレスタからクルマの性格が一変したため、ニューネームでの登場となった。ベース車「マークII」に準じたグレード構成をとる。エンジンはすべて直6で、2リッター(4AT)、2.5リッター(5AT)、2.5リッターターボ(4AT/5MT)。2リッターモデルにのみ、4WDが用意される。
(グレード概要)
ヴェロッサの中核エンジン、2.5リッター直噴「D4」搭載モデルには、「V25」(294.0万円)と「25」(279.0万円)の2種類が用意される。前者は、「17インチホイール(タイヤサイズは前後とも215/45ZR17)」「前後スタビライザー」「8WAYパワーシート」「本革+黒木目調ステアリング」「オプションで本革シート選択可能」など、ターボモデルに準じた装備をもつ。一方後者は、「16インチホイール(タイヤサイズは205/55R16)」「フロントのみスタビライザー装備」「本革巻きステアリングホイール」など、ややおとなしい内容となる。

【車内&荷室空間】 乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★
標準のファブリック内装には、「ブラック」と「ミディアムチャコール」の2種類が用意される。インストゥルメントパネル、センターコンソール、ステアリングホイール、ドアトリム、そしてシートと、室内に雑多な「黒」が散らばる黒内装より、ドアトリムもグレーになる「ミディアムチャコール」の方がむしろ煩雑な印象が薄まる。ステアリングホイールも「VR25」や「V25」の本革と黒木目調のコンビネーションより、「25」のシンプルな革巻きの方が自然で好ましい。
(前席)……★★
「サポート性の良いパターンと人間工学に基づいた構造」(プレス資料)と謳われ、実際、「上下」「前後」「シートの傾斜」とさまざまに調整できるようになっているが、テスターの場合、最後までベストポジションが得られなかった。全体に、シート位置が高すぎるように感じた。
(後席)……★★
耳のすぐそばに「カーテンシールドエアバッグ」の表示あり。作動の際(=爆発)、鼓膜は大丈夫か?という不安がぬぐえない。フロントシート背面をえぐったカタチにして、後席乗員の足元スペースの拡大を図った。ただしリアシートは座面の中央付近が落ち込むため、着座姿勢はやや不自然になる。
(荷室)……★★
FR(後輪駆動)セダンの限界か、絶対的なトランクスペースはボディサイズに比して小さい。ホイールハウス間に設置される「ラゲージユーティリティボックス」と呼ばれるプラスチックの箱には、後席アームレストトランクスルーを活用して、キャビンからアクセスすることも可能だ。荷室との仕切りが引き戸になっているのがなんともイジましい(?)

【ドライブフィール】 運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★
VVT-i(連続可変バルブタイミング機構)、ACIS(可変吸気システム)を備え、最高出力200ps、最大トルク25.5kgmという立派なスペックをもつ2.5リッター直噴ユニット。「実用域ではクラストップレベルの加速性能を誇」るそうだが、メーターパネルにプリウスのように「ECO」マークが点灯するようになっているので、むしろ省エネ運転をしたくなる。それはそれで、悪いことではないが……。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
可もなく、不可もない。フロントにのみスタビライザーを備え、16インチホイールを履く「25」だが、エンジンパワーと動力性能に見合っていると思う。中速コーナーに威勢よく入っていっても、テイルをグッと沈み込ませながら、弱アンダーを保って走り抜ける。身のこなしの軽快さもあって、常用域では、ターボ車「VR25」よりもこちらの方が運転を楽しめるかもしれない。

(写真=郡大二郎)



【テストデータ】

報告者:金子浩久
テスト日:2001年7月16日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:1306km
タイヤ:(前)205/55R16 89V/(後)同じ(いずれもMichelin Pilot HX)
オプション装備:トラクションコントロール(2.0万円)/DVDナビゲーションシステム(27.0万円)/前席サイドエアバッグ+カーテンシールドエアバッグ(8.0万円)/電動ムーンルーフ(9.0万円)/特別ボディカラー(ホワイトパールクリスタルシャイン=3.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):山岳路(7)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

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