【スペック】全長×全幅×全高=4090×1780×1685mm/ホイールベース=2480mm/車重=1380kg/駆動方式=4WD/2リッター直4DOHC16バルブ(140ps/6000rpm、19.7kgm/4000rpm)/車両本体価格=185.8万円(テスト車=同じ)

スズキ・エスクード5ドア2.0(4AT)【ブリーフテスト】

スズキ・エスクード5ドア2.0(4AT) 2001.09.21 試乗記 ……185.8万円総合評価……★★★★

滋味あふれる

フォード・エクスプローラーにしろシボレー・ブレイザーにしろ、本場モノのいわゆるSUVは乗ると本当にイイ。ランドローバー・ディスカバリーあたりもそうであることに、心がなごむ。ただ、あえて難点をいえばデカい。「車体サイズ」か「重量」か「エンジン排気量」のいずれか、またはすべてが日本の事情と少々、ないしかなりズレている。SUVならではの素晴らしい乗りアジをもちつつそのへんが日本スタンダードにピタリ合ったクルマはないものか?と思うようになって久しい。あるいは、基本的にそれはナイモノネダリなのか?とも。
そして今回、ついに見つけた。より正確には、エスクードがそれなんじゃないかと期待して『webCG』編集部に頼んで広報車を借りてもらった。で、乗ったらそうだった。だからいま、私は非常に嬉しい。ビンゴ!な気分だ。
独立式ラダーフレーム。縦置きパワートレイン。後輪駆動。手動選択式のサブトランスファーをもち、ヨンクはいわゆる直結タイプ。と、このような本格派の構成でありながら、車重は試乗車の場合で1380kg。簡単にいって、メルセデスベンツC180より大人ひとりぶんほど軽い。
だから2リッターガソリンエンジンでちゃんと走る。1780mmの全幅は額面こそけっこうゴリッパだが、そのうち約80mmは先頃のマイチェンでついたオバフェンのぶん。とりまわしに関しては、実質5ナンバー枠内のクルマと同じだと思ってさしつかえない(と説明だけされてもアレかもしれないけど乗るとホントにそう)。
とにかくエスクード、オススメだ。本格SUVの世界を一切のナンギさなしに味わえるクルマとして非常に貴重だし、またクルマとしてデキがマトモだからその貴重さに特にピンとこない人々にも強く推薦できる。
このテだと、最近は日産エクストレイルが話題になった。乗ってみて私も「悪くないかな」と思ったけれど、較べたらエスクードのほうがイイ。あるいは、トヨタRAV4やホンダCR-Vと較べてもエスクードのほうがイイ。競合各車のような“カル〜いノリ”では必ずしもないところも、滋味あふれる感じで素晴らしい。市場においては間違いなく滋味、いや地味な存在だけれど、こういうのは積極的に応援してあげたい。買って何カ月、あるいは何年か乗るうちによさがジワジワと身体に染みてくるような日本車というのは最近ホントに珍しい。やっぱ、貴重だと思う。


【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
初代エスクードは、1988年に登場した小型4WD。いわゆる「アーバンヨンク」のパイオニアである。現行型は、97年に発表された2代目。「モノコックボディ」であり、いわゆる「生活ヨンク」の後発ライバル車に対し、こちらは本格派クロスカントリーの証「ラダーフレーム」「パートタイム4WDシステム」などをもつ。サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後が5リンクのリジッドというコンベンショナルなもの。5ドアと3ドア、2種類のボディがあり、前者には2.5リッターV6と2リッター直4、後者には2リッター直4エンジンが用意される。3ドアモデルには、廉価版たる2輪駆動車あり。トランスミッションは4段ATのほか、3/5ドアの2リッター4WDモデルなら、5段MTを選ぶことも可能だ。
(グレード概要)
2代目エスクードは、2000年4月13日に、マイナーチェンジを受け、グリル、バンパー等が変更された。2.5リッターV6モデルには、本革巻きステアリングホイール、シフトノブ、トランスファーレバー、および木目調フロアコンソールガーニッシュが奢られるが、2リッター直4モデルは、ウレタンステアリングホイールほか、いずれも樹脂製となる。とはいえ、フォグランプ、アルミホイールは標準で装備され、タイヤサイズもV6と直4モデルで変わらぬ「235/60R16」となる。4WDシステムは、「ドライブセレクト4×4」と呼ばれる直結ヨンク。通常はFR(後輪駆動)で走り、イザという場面では、トランスファー機構で「4HIGH」または「4LOW」に切り替える。

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★
いわゆる質感は、ハッキリいって安いレンタカーなみ。多くを期待しないように。ただ、前方の見切りといいスイッチ類の使い勝手といいカタチのイビツさがないのがイイ。トヨタbBの運転席に座ると前方の世界がゆがんで見えて非常に不安というか腹立たしいが、こういうのに乗ると心底「ホッ」とする。それから天井が無意味にガバガバ高くないところも加点要素。ボンネットの先端が丸められているため“角のギリ”は見えないが、基本ディメンションがマトモなのでとりまわしはきわめて良好。ここを読んだ人は、ゼヒともショールームでよさを試してほしい。ただ、このテのクルマでなぜかお約束的についてくるオマケのフェンダーミラーは要らない。この程度のサイズでは実用にならないし、なによりみっともないじゃないですか。
(前席)……★★★★
特にナンの期待もしないで座ってビックリ。腰椎のサポートというかフィット感が異様なほどイイではないか! ランバーサポート調整も効果的かつデリケートにイジれて、これホントに日本車? それと、座面形状がけっこうよく考えられている。クッションがおシリに優しい。ヘッドレストもそれなり上まで引き出せる。上下関係の調整機構が座面の角度だけ、はちょっと残念だったけど、それもやはり座ってみたら結果オーライ。高さ調整なしでも、広い範囲の体型に対しておいしいポジションを提供できる。
(後席)……★★★
適度に床から高く、また適度に角度が前上がり気味の座面……は前席同様。それだけで座った印象はググッとよくなる。最近はシートアレンジを最優先したようなリアシートに座らなければいけないことが非常に多いので、こういうのを体験すると思わず嬉しくなる。ヘタなミニバンよりエスクードのリアシート、ということでヨロシク。
(荷室)……★★★
スペアタイヤをテールゲートに背負わせることでかぎられたスペースを有効に使う手法はこのテの常道。なかには床下に収納スペースがあるのにわざわざここにスペアをつけるクルマもあるが(メルセデスベンツMLなど)、少なくともエスクードはそのケースではない。なお、エスクードの燃料タンクはトランクの下。シロート目には脇腹あたりにスペースは十分ありそうに思えたけれど……。どうなんでしょう? なお、荷室の床面最大幅は107cm、奥行き60cm、天井までは95cm。フロアの下に、深さ10cmほどの収納スペースがある。


【ドライブフィ―ル】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★
ヨーイドン!で競争したら間違いなくエクストレイルにもRAV4にも負ける。しかし、運転しやすさでは負けていない、イヤ勝っていると思う。エンジンのトルク特性といいトルコンやオートマの感じといい、さながらアストロやブレイザーのパワートレインのハーフ版。ホントの意味で実用的なモノになっている。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
さっきも書いたが、基本ディメンションがマトモなのでとりまわしバツグン。最小回転半径のカタログ記載値は5.3m。フルロックまで回すとビックリするほどよく切れるハンドル。古典的FR(後輪駆動)ならではの素直な走り。リアアクスルがクネクネ動くのがおシリでわかるのは、いかにも本格クロカンぽくて興趣を添える。
「235/60R16」のタイヤはさすがに荷が重いのか“ドコドコブルブル”系のこもり音は多少あるが、乗っていてイライラするほどではないので別にいい。とはいえ、1.4トン未満のクルマでこれだけエアボリュームのデカいタイヤだから指定空気圧は1.8と低い。心なしかベトッとした接地感。
全体として、エスクードは乗って楽しいクルマだ。クルマのスウィートスポットが日本の合法運転領域にほぼぴったり合致しているところが非常にイイ。つまり、普通に乗っているだけでおいしいところを味わえる。

(写真=河野敦樹)

【テストデータ】

報告者:森 慶太
テスト日:2001年7月26日から27日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:1万4072km
タイヤ:(前)235/60R16 100H/(後)同じ(いずれもブリヂストン Duler H/T 687)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(6)
テスト距離:164.9km
使用燃料:29.9リッター
参考燃費:5.5km/リッター




スズキ・エスクード5ドア2.0(4AT)【ブリーフテスト】の画像


スズキ・エスクード5ドア2.0(4AT)【ブリーフテスト】の画像


スズキ・エスクード5ドア2.0(4AT)【ブリーフテスト】の画像
画像をクリックするとリアシートが倒れるさまが見られます。

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