2012夏の注目ナビ(堅実派の定番ナビ編)

2012.06.02 自動車ニュース
2012夏の注目ナビ(堅実派の定番ナビ編)

2012年夏の注目カーナビ(堅実派の定番ナビ編)

派手なモデルに隠れて目立たないが、実用に即した買いやすいモデルが欲しいという堅実派ユーザーに焦点を絞り込んだ「地道進化型グループ」も忘れてはならない。

■いまや内容は上級機並みの定番カーナビ

販売台数の面からいえばこのジャンルこそが一番の稼ぎ頭で、購入を考えている人の関心も強いはず。メーカーにとっては販売成績につながるから商品力の向上に力を抜くわけにいかず、それだけ競争も激しい。大手ブランド名でいえば「楽ナビ」や「ストラーダ」がここに当たるが、今年前半はケンウッドと三菱電機がこの分野に新製品を投入した。目を見張るような新機種というわけではないが、既存モデルに対してのブラッシュアップ度は高く、商品力は大きく向上した。決して見逃すことのできないカーナビたちである。

使用しないときは手前に電動で格納。視界の確保や盗難防止にも役立つ。
使用しないときは手前に電動で格納。視界の確保や盗難防止にも役立つ。
「BMW 1シリーズ」に装着したときのイメージ図。
「BMW 1シリーズ」に装着したときのイメージ図。

パナソニックZシリーズ「CN-Z500D」

2DIN一体型や1DINインダッシュ型といったように、スマートな装着を推し進めてきた各ナビメーカーだが、ダッシュボードに装着可能なスペースがなく、ナビが格好よく付けられないクルマは依然として多いのも事実。特にデザインされたダッシュボードのクルマなどはその典型で、輸入車によく見られる。
以前ならダッシュボードの上にオンダッシュナビを装着すれば解決できたものだが、その後衝突時の安全性が問題視されオンダッシュ型はことごとく姿を消していった。そんな現状にあってはPNDやスマートフォンナビに流れるしかない。こうした悩めるユーザーを呼び戻そうという狙いのもとに開発されたのがパナソニックの「Zシリーズ」だ。

ダッシュの上に付けるので一応「オンダッシュナビ」だが、従来のものとは付け方もまったく異なり、何より使わないときは折りたたんで見た目のスッキリ感やスマート感も味わえるのがいい。
モニターの格納も電動でスマート、もちろんダッシュとツライチにというわけにはいかないが、薄型7型VGAディスプレイの採用により一般的なポータブルナビよりは目立たない状態にすることができる。

モニターのダッシュ上への装着は付属する台座に付いた粘着テープとビス止めの併用を推奨している。これは「標準装着」時の場合だが、「BMW 1シリーズ」(正確には現行ではなく初代のモデル)に限っては「専用取り付けキット」が別売で用意されており、これを使えばよりスマートな装着が可能となる。
これは1シリーズのダッシュ中央にあるへこみを利用して装着するもので、確実な装着だけでなく周囲とほぼ段差なく取り付けられるほか、取り付けキットのパネルも車両パネルの質感と合わせたものになっているので違和感も少ない。

ナビの製品構成はこれらモニター系だけでなく、DINサイズに近いナビ本体もあり、こちらはダッシュ下部に吊り下げたりシート下に置けばよい。リモコンもこれまでにないスタイル。8cm径の丸型、1シリーズのカップホルダーにすっぽりと収まる設計になっている。

肝心のナビ性能だが、現行の「Sシリーズ」とほぼ同等の内容。スマートフォン連携アプリ「おでかけサポート ここいこ♪」を使ったスムーズな連携ルート探索も可能だ。実勢価格は10万5000円前後(取り付けキットは別途)。

レスポンスがよくて高精細を意味する「彩速ナビ」がケンウッド・ナビの共通テーマ。そのトップモデルが「MDV-737DT」だ。
2012夏の注目ナビ(堅実派の定番ナビ編)

ケンウッド「MDV-737DT」

「MDV-737DT」は、WVGA液晶パネルとホワイトLEDバックライトの組み合わせにより、高精細・高輝度な描画性能や、高速レスポンスが自慢だった「MDV-727DT」の強化モデル。その改善箇所は少なくない。
まず、ナビとしての基本性能の向上がある。基本性能といえば位置精度。「MDV-737DT」では、全国主要道路約140万カ所の傾斜データを収録、新採用の3Dジャイロセンサーと組み合わせることで高精度な自車位置測位を可能にした。また、大型主要道路の「開通予定情報」をあらかじめ地図データベースに格納したことにより、簡単な操作ひとつで新規主要道路を地図上に表示することはもちろん、ルート探索にも利用可能とした。

旧「MDV-727DT」からはスマートフォンへの対応も強化されている。iPhone/iPodだけでなくアンドロイドスマートフォンも接続できるようになった。iPhone 4Sに収録された音楽/動画データも再生できる。スマートフォンで接続しているYouTubeの映像/音声もナビ側で楽しめるなど、音楽・映像の充実ぶりはなかなかのものだ。従来は等倍速だったCD録音機能も今回4倍速対応となり、CDの音源をSDカードや内蔵メモリーに素早く録音が可能となった。

iPhone用アプリ「NaviCon」との連携機能も新しい。これはiPhoneをカーナビと接続すれば、スクロールや拡大/縮小といった地図操作や、目的地・中継地の設定をiPhoneから行うことができるというもの。検索に関しても、一部の人気アプリを使って検索したレストラン等の位置情報をNaviConを介してナビに転送することができるので、クルマに同乗していない友人などから位置情報を取得して、そこを目的地にするといった便利な使い方もできる。MDV-737DTの実勢価格は2012年6月初めの段階で10万円前後となっている。

「MDV-434DT」はエントリーモデルと共通の筐体ながら737DT並みの強力なパフォーマンスをもつ。
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ケンウッド「MDV-434DT」

幅広いカーナビラインラップを持つケンウッドだが、今年は全モデルを刷新。特に話題になっているのが「MDV-434DT」だ。ラインナップでは下からひとつ上に設定された新機種。ひとことで言えば、エントリーモデルの使い勝手の良さに、上級モデルの高性能を加えたものといえばよい。
操作系は使用頻度の高いボタン、感覚的に使えるロータリー式ボリュームがフレーム上に独立、そのぶんモニターのサイズは6.1型と若干小さくなるが、使いやすさはこのうえない。CDやDVDをよく使う人にも、パネル上に挿入口が常に開いている設計は歓迎だろう。

これまでエントリーモデルになかったのが本格12セグの地デジチューナー。MDV-434DTでは独自の2チューナー&2ダイバーシティ方式により高精細な映像が楽しめる。また、オート中継局/系列局サーチ機能を搭載、ホワイトLED採用のVGA液晶の表示能力を発揮できる。
ナビ機能に関してはやはり操作性がウリ。高速レスポンスを実現する「ジェットレスポンスエンジンII」を搭載することで、地図スクロールや画面の切り替え、ルート検索も早い。

2012年1月の発売のため、搭載する地図データベースは2011年10月と「最新」とはいえないが、地図自体が更新しやすいフォーマットで作られているため簡単に書き換えができる。
大型主要道路は開通予定情報があらかじめ地図データベースに格納されているので、予定通りに新設道路の開通があった場合は、新しい道路データの表示はもちろん、ルート検索も即座に利用可能だ。新東名を走るときにも慌てることがない。また、iPhoneを持っていれば「NaviCon」というアプリを使ってMDV-434DTの地図操作や、目的地の設定などをiPhoneから行うこともできる。
ちなみに、ケンウッドの地図更新には、地図サービス「MapFan」と連動した「KENWOOD MapFan Club」という会員サービスがある。例えば、スマートフォン/携帯電話用アプリ「MapFan」を12カ月以上有償利用すると、ケンウッドのカーナビ用地図データが無料でダウンロードできる。
「MDV-434DT」の2012年5月下旬時点での実勢価格は7万円前後となっている。

(文=尾澤英彦)

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