【スペック】全長×全幅×全高=4920×1890×1470mm/ホイールベース=2965mm/車重=1980kg/駆動方式=FR/4.4リッターV8DOHC32バルブターボ(560ps/6000rpm、69.3kgm/1500-5750rpm)/価格=1495万円(テスト車=1534万円/Mライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング343M&20インチタイヤ<前265/35ZR20、後295/30ZR20>=39万円)

BMW M5(FR/7AT)【試乗記】

そのクルマ凶暴につき 2012.05.29 試乗記 BMW M5(FR/7AT)
……1534万円

5リッターのV10に代え、4.4リッターV8ターボエンジンを搭載して生まれ変わった「BMW M5」。ド級のパワーとトルクを誇るスーパーサルーンの走りやいかに。

走りの原点回帰

新型「M5」(F10系)には、BMWの深い怨念(おんねん)がこもっている。だから一見クールな紳士だが、いったん牙をむくと、歴代で最も凶暴かもしれない。
というのも、F1がらみの事情があるから。長いモータースポーツ活動史の中で、1980年代からF1に出たり引っ込んだりしていたBMWだが、「大メーカーさん、いらっしゃいな」とFIAに口説かれて、復帰を決めたのが2000年のこと。

もちろんパブリシティー効果も狙ったから、V型10気筒規定だったF1イメージで自慢の超高性能スポーツセダンを輝かせようと、わざわざ大金かけて専用V10を作って迎えた21世紀。なのに、それを積んだ4代目M5(E60系)を発売してすぐの2006年、肝心のF1がルール大変更でV8に制限されてしまった。これじゃ、おだてられたあげくはしごを外された、いわばコケにされたも同然ではないですか。ほぼ同時期にF1に参入し、専用V10搭載の「レクサスLFA」を作ったトヨタも同じこと。

そこで「じゃあV8でビビらせたるわい」とムカっ腹で開発したのが、今度のM5(F10系)ってわけ。だからV10からV8、排気量4999ccから4395ccとダウンしても、最近ずっと「5シリーズ」で熟成してきた自慢のターボを駆使して、507psから560psへと下克上的パワーアップを果たしている。しかもトレンドの先端だけに、最大トルク69.3kgmを、こんなスーパースポーツなのにわずか1500rpmから5750rpm、つまり実質的に実用回転の全域でたたき出すんだからあきれる。
おまけにAT/MT兼用変速機もSMG(シングルクラッチ)から、同じ7段でもデュアルクラッチのDCTドライブロジックへとレベルアップ。細かい装備を少し簡潔に整理し、走りの原点回帰を狙った潔さも新型の特徴だ。

インテリアは新設計のレザーカバーセンターコンソールを採用。ナッパレザーのスポーツレザーステアリングホイールやメーターパネル、シフトレバーには「M」ロゴが備わる。
インテリアは新設計のレザーカバーセンターコンソールを採用。ナッパレザーのスポーツレザーステアリングホイールやメーターパネル、シフトレバーには「M」ロゴが備わる。
Mツインパワーターボテクノロジーを採用した4.4リッターV8エンジン。最高出力560psを発生する。
Mツインパワーターボテクノロジーを採用した4.4リッターV8エンジン。最高出力560psを発生する。
Mリアスポイラーやディフューザー、ツイン・エキゾースト・テールパイプが装備されるリア周り。
Mリアスポイラーやディフューザー、ツイン・エキゾースト・テールパイプが装備されるリア周り。

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