DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】

2012.05.04 自動車ニュース
第2戦富士を制した、脇阪寿一/石浦宏明組のNo.39 DENSO KOBELCO SC430。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】

【SUPER GT 2012】DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す

2012年5月4日、SUPER GTの2012年シーズン第2戦が富士スピードウェイで開催され、GT500クラスはNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明)が、GT300クラスはNo.0 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也)が勝利を手にした。

スターティンググリッドの様子。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】
雨の中、No.32 EPSON HSV-010(道上 龍/中山友貴)を先頭に決勝がスタート。2番手にNo.6 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)、3番手にNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明)が続く。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】
伊沢拓也/山本尚貴組のNo.100 RAYBRIG HSV-010。終盤の雨の中、思うようにペースを上げられず、最終的に2位でフィニッシュ。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】

■二転三転、雨の富士

2012年のゴールデンウイーク後半、レースが終わってもまだ2日休みがあるという日程が幸いしたのだろうか。SUPER GT第2戦が開催された富士スピードウェイは予選日の3日木曜日に2万6000人、決勝日の4日金曜日には5万7000人の観客を集めた。おかげで巨大なグランドスタンドはほぼ満席、熱心なファンは高価なチケットを購入してパドックにまで詰めかけるなど、サーキットはどこを見ても人、人、人の大混雑となった。

そうした大観衆をまず驚かせたのが、スタート直前に降り始めた小雨だった。すでに全車スリックタイヤを装着してスターティンググリッド上の整列を終えていたので、このままスタートを切れば大混乱に陥る。そう考えた主催者は、安全を優先してあえてセーフティーカースタートとする判断を下した。雨はスタート後も降り続けたため、競技車はウエットタイヤを求めてピットロードに殺到。3周目にセーフティーカーが退去するまでに、ごく一部を除き、ほとんどのマシンがウエットタイヤへの交換を済ませた。

ところが、この雨は長続きせず、路面は次第に乾き始める。一度ウエットタイヤに履き替えた各車は再びピットを訪れ、スリックタイヤを装着。この、2度の混乱により、予選で決まったスターティンググリッドなど何の意味もないものに変わっていた。

レースがようやく落ち着きを見せ始めた28周目の時点で、トップに立っていたのはミシュラン・タイヤを履くNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明)。これにNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴/リチャード・ライアン)、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山 哲/ミハエル・クルム)が続いていたが、やがて、ここまでの流れを一転させるようなアクシデントが起きる。

62周目、GT300クラスの1台がストレート上でガードレールに激突、マシンが大破する大事故が発生する。これで再びセーフティーカーが出動。このときタイミングよくピットストップを行ったNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/J.P・デ・オリベイラ)とNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)が大きく順位を上げるきっかけをつかんだ。2台はレース終盤の84周目にNo.12 カルソニックIMPUL GT-R、No.100 RAYBRIG HSV-010の順でトップ2に浮上し、優勝争いを演じる。ところが、レースはまだ終わっていなかった。

No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山 哲/ミハエル・クルム)。今回は予選4番手からスタート、3位表彰台を手にした。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】
GT500クラス表彰式の様子。写真左から2位のNo.100 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴/伊沢拓也)、優勝したNo.39 DENSO KOBELCO SC430(石浦宏明/脇阪寿一)、そして3位のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山 哲/ミハエル・クルム)。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】
GT300クラスは、写真のNo.0 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也)が優勝。2011シーズン王者の貫禄を見せた。
DENSO KOBELCO SC430、雨の大混戦を制す【SUPER GT 2012】

レースが残り15周となった95周目前後から、一度はやんだ雨が再び降り始めたのだ。ほそぼそと降り続く雨は、次第に路面を湿らせていく。スリックタイヤでは、ストレートでもシフトアップするたびに車体が大きく左右に振れてしまうコンディションへと変貌するまで、大して時間はかからなかった。

たまらずピットに駆け込んだのは、トップを走っていたNo.12 カルソニックIMPUL GT-R。これとは対照的に、スリックのまま走り続ける決断を下したNo.100 RAYBRIG HSV-010が首位に浮上した。
ところが、波乱はまだ終わらない。“チョイぬれ”のコンディションで抜群の速さを誇るミシュラン・スリック装着のNo.39 DENSO KOBELCO SC430が、ラップあたり5〜6秒も速いペースでNo.100 RAYBRIG HSV-010に迫ると、106周目にこれを攻略。そのまま110周目まで走りきって優勝を果たしたのだ。2位はNo.100 RAYBRIG HSV-010、3位には4番グリッドからスタートしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが入った。

これで2戦連続で2位となったNo.100 RAYBRIG HSV-010が60点を獲得し、ポイントランキングのトップに浮上。以下、開幕戦で優勝したNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)、No.39 DENSO KOBELCO SC430というオーダーとなった。

今回もGT3勢が首位争いを繰り広げたGT300クラスでは、昨年の王者であるNo.0 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也)が快勝。No.2 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)が“国産勢”としては殊勲の2位に入り、GT3勢のNo.66 triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)が3位に滑り込んだ。

次戦の開催は、約1カ月後の6月9〜10日。舞台を海外のマレーシアへと移し、セパン・インターナショナル・サーキットで争われる。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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