雪に強い夏タイヤ「トーヨーCFt」拡大展開

2012.04.13 自動車ニュース

雪に強い夏タイヤ「トーヨーCFt」拡大展開

雪に強い夏タイヤ「トーヨーCFt」拡大展開

東洋ゴム工業は、雪上を走行可能な新ジャンルの夏用タイヤ「CFt」のサイズおよび販売チャンネルを拡大すると発表した。2012年4月14日から、本格的な商品展開を実施する。

トーヨータイヤの“新ジャンル夏タイヤ”「CFt」。
トーヨータイヤの“新ジャンル夏タイヤ”「CFt」。
「CFt」の左右非対称なトレッドパターン。外側(写真左側)は夏タイヤ性能を重視した形状で、対する内側は冬タイヤ性能を重視したものとなる。
「CFt」の左右非対称なトレッドパターン。外側(写真左側)は夏タイヤ性能を重視した形状で、対する内側は冬タイヤ性能を重視したものとなる。
北海道・佐呂間町におけるテスト風景。テスト車は「ホンダ・フィット」。
北海道・佐呂間町におけるテスト風景。テスト車は「ホンダ・フィット」。

■急場で役立つ“冬性能”

突然降り始めた季節外れの雪。しかも、先週スタッドレスタイヤを外したばかりだというのに、見る間に雪は降り積もり、自宅まであともう少しというところでついに立ち往生してしまった……なんて経験はないだろうか? いや、実際に経験したことはなくとも、誰に降りかかってもおかしくない種類の災難であるには違いない。

そんなとき、あなたならどうするだろうか? レスキューのレッカー車を呼ぼうにも、クルマはあちこちでスタックしているはずだから、すぐに救援にやってくるとは思えない。だからといって、本格的な春が到来してからもスタッドレスタイヤをはき続ければ摩耗が早まるし、安全性の面からいっても好ましいことではない。では、どうすればいいのか?

2012年4月14日、トーヨータイヤから新ジャンルのタイヤ「CFt」が一般発売されることになった。このCFt、何が新しいかというと、基本は夏タイヤなのに、ある程度の雪道だったら走破できる“冬性能”が付加されているのである。

例えば、スノーブレーキ性能を示す指標を見てみると、同社のスタッドレスタイヤ「ガリットG5」が238、同夏タイヤの「エコ・ウォーカー」が100となっているのに対し、CFtは「181」と、実に夏用タイヤよりもスタッドレスタイヤに近い性能を有している。それでいながら、ドライならびにウエットでのブレーキ性能はエコ・ウォーカーとまったく互角。つまり、制動能力に関していえば、「冬性能を付加した夏タイヤ」といううたい文句どおりの性能を実現しているのだ。

今回、このCFtを北海道の佐呂間町にある同社テストコースで試乗する機会を得た。季節は真冬。外気温−20℃を下回る極寒の環境でのテストドライビングである。

実際に試してみたところ、夏タイヤとの差は歴然としていた。同社のガリットG5に比べると制動時のABSの介入は早くなるものの、一般的な夏タイヤよりは、はるかにしっかりと雪を捉えていることが実感できるし、制動距離もたしかに短い。また、少なくとも圧雪路であればトラクションにも不満は覚えなかったほか、スラロームに挑んだ際のコントロール性も悪くなかった。

だからといって過信は禁物。圧雪路ではスタッドレスに比較的近い性能を得ていても、アイスバーンや豪雪地ではスタッドレスタイヤにまったく歯が立たないという。だから、「スタッドレスタイヤと夏タイヤの性能が一本に詰まった魔法のタイヤ」ではなく、あくまでも「緊急避難に必要な冬性能をプラスした夏用タイヤ」と理解したほうがいいだろう。

いずれにせよ、たとえスタッドレスタイヤを履いていても、スノーロードやアイスロードを走行する際には細心の注意を払ってほしい。なぜなら、それこそが事故を未然に防ぐ最大の秘訣(ひけつ)なのだから……。

(文=大谷達也/Little Wing)

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