SC430、SUPER GT開幕戦でポール・トゥ・ウィン【SUPER GT 2012】

2012.04.02 自動車ニュース

SC430、SUPER GT開幕戦でポール・トゥ・ウィン

【SUPER GT 2012】SC430、開幕戦でポール・トゥ・ウィン

2012年4月1日、SUPER GTの2012年シーズン開幕戦が岡山国際サーキットで開催された。GT500クラスはNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)がポール・トゥ・ウィンを決め、GT300クラスはNo.11 GAINER DIXCEL R8 LMS(田中哲也/平中克幸)が勝利をものにした。

多彩な顔ぶれとなった、2012年のGT300クラス。写真は決勝スタートの様子。
多彩な顔ぶれとなった、2012年のGT300クラス。写真は決勝スタートの様子。
開幕戦岡山のGT300クラス予選トップは、 No.911 ENDLESS TAISAN 911。
開幕戦岡山のGT300クラス予選トップは、 No.911 ENDLESS TAISAN 911。
こちらはGT500クラスの面々。決勝におけるスターティンググリッドのワンシーン。
こちらはGT500クラスの面々。決勝におけるスターティンググリッドのワンシーン。

■2012年はGT300クラスに注目

SUPER GTにおける今シーズン最大の話題といえば、GT300クラスのエントリーが一層にぎやかになったことに他ならない。
中でもヨーロッパで人気のGT3のマシンは大挙して来襲。「アウディR8」勢が一気に4台も新規参戦を果たしたほか、「メルセデス・ベンツSLS AMG」もエントリー。GT500クラスに参戦中の「日産GT-R」が新たにGT3仕様を開発してGT300クラスに挑めば、これまでSUPER GT専用に開発した車両でチャレンジしてきた「ランボルギーニ・ガヤルド」は、GT3仕様を加えて4台でエントリーと、体制を強化した。
さらに、昨2011年のGT300クラスチャンピオンである「BMW Z4」、そして「ポルシェ911」も参戦を継続。GT3車両の総数は、実に16台に上ったのである。

GT3車両のエントリーが急増したのは、日本側の受け入れ体制に変化が起きたことに理由がある。これまでGT3車両の性能調整は日本のGTアソシエイションが独自に決めていたが、これをFIAが定めたものと一本化した結果、規則の透明性が増し、日本のチームにとっては作業の簡略化が図られることになった。

また、マシンの車両価格が2000〜3000万円と手頃で、そこからほとんど手を加えないで一線級の戦闘力が得られることも、チームにとっては魅力的だったはず。これに対し、日本車をゼロからGT300車両に仕立てるには数千万円の費用が必要とも言われるので、多くのチームがGT3車両に飛びついたのも無理はなかろう。

そのいっぽうで、日本車の新規参入も見られた。2012年3月28日に市販車が発売されたばかりの「スバルBRZ」がこの開幕戦でデビューしたほか、SUPER GT初のハイブリッドカーとなる「トヨタ・プリウス」もエントリー。結果的にGT300クラスは総勢25台の、極めて多彩な顔ぶれとなったのだ。

激しい優勝争いを見せた、No.100 RAYBRIG HSV-010。
激しい優勝争いを見せた、No.100 RAYBRIG HSV-010。
最終的には、No.38 ZENT CERUMO SC430が2012年の開幕戦を制した。
最終的には、No.38 ZENT CERUMO SC430が2012年の開幕戦を制した。
GT500クラスの表彰式。写真左から、2位の山本尚貴/伊沢拓也(No.100 RAYBRIG HSV-010)、優勝した平手晃平/立川祐路(No.38 ZENT CERUMO SC430)、そして3位に入った塚越広大/金石年弘(No.17 KEIHIN HSV-010)。
GT500クラスの表彰式。写真左から、2位の山本尚貴/伊沢拓也(No.100 RAYBRIG HSV-010)、優勝した平手晃平/立川祐路(No.38 ZENT CERUMO SC430)、そして3位に入った塚越広大/金石年弘(No.17 KEIHIN HSV-010)。

■GT500はエキサイティングな展開に

これに対し、2012年シーズンのGT500クラスに参戦するのは、「日産GT-R」「ホンダHSV-010」「レクサスSC430」と去年までと全く同じマシン。それぞれエアロダイナミクスをアップデートしたり、エアリストリクター径を2サイズ拡大する(GT3車両の参入によりGT300クラス車両が速くなったことに対処するための措置)などの措置が施されたものの、外観の印象はこれまでとほとんど変わらない。高価なヨーロッパ製スーパースポーツカーがずらりと並ぶGT300クラスに比べると、地味な印象は拭えなかった。

こうした状況にGT500クラスのドライバーが奮起した、というわけではなかろうが、開幕戦におけるGT500クラスの戦いは至るところで接近戦が繰り広げられるエキサイティングな展開となった。

ポールポジションを獲得したのはNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)。これにNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)が予選2位で続く。そして予選3位はNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴/ロイック・デュバル)、予選4位はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山 哲/ミハエル・クルム)というオーダーとなった。

決勝のスタートが切られると、No.38 ZENT CERUMO SC430が先行したのとは対照的に、No.100 RAYBRIG HSV-010は温まりの悪い硬めのタイヤを装着していたため、オープニングラップが終わったときには5番手まで後退してしまう。しかし、ひとたびタイヤが温まるとNo.100 RAYBRIG HSV-010は目を見張る速さを披露。素早いピット作業にも助けられ、36周目にはNo.38 ZENT CERUMO SC430をも下して実質的なトップに浮上した。

ここからNo.100 RAYBRIG HSV-010とNo.38 ZENT CERUMO SC430の壮絶なバトルが繰り広げられた。ステアリングを握る山本と立川はお互いに一歩も譲らず、2度、3度とポジションを入れ替える。そしてNo.100 RAYBRIG HSV-010を先頭にファイナルラップに入ったところで、一瞬の隙をついてNo.38 ZENT CERUMO SC430がトップに浮上。山本も全く諦めることなく、チェッカードフラッグが振り下ろされる瞬間まで立川に食らいついていったが、ベテラン立川にはわずかに及ばず、No.38 ZENT CERUMO SC430が優勝。No.100 RAYBRIG HSV-010は0.588秒差で2位に終わった。3位は予選13位から驚異的な追い上げを見せたNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)だった。

GT300クラスで初参戦・初勝利を手にした、田中哲也/平中克幸組のNo.11 GAINER DIXCEL R8 LMS。
SC430、SUPER GT開幕戦でポール・トゥ・ウィン

予想どおりGT3車両が優勝争いを演じたGT300クラスでは、序盤からトップを守り続けたNo.911 ENDLESS TAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)をNo.11 GAINER DIXCEL R8 LMS(田中哲也/平中克幸)が71周目にオーバーテイク。そのままフィニッシュまで走り切り、アウディR8 LMSは劇的なSUPER GTデビューウィンを成し遂げた。2位はNo.911 ENDLESS TAISAN 911、3位は昨年のチャンピオンチームであるNo.0 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也)だった。

第2戦は5月3〜4日に、富士スピードウェイで開催される。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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