【スペック】全長×全幅×全高=5020×2140×1350mm(全幅はサイドミラー含む)/ホイールベース=2989mm/車重=1990kg/駆動方式=FR/6リッターV12DOHC48バルブ(558ps/6750rpm、63.2kgm/5500rpm)(欧州仕様車)

アストン・マーティン ラピードS(FR/6AT)【海外試乗記】

正真正銘のスポーツカー 2013.04.16 試乗記 アストン・マーティン ラピードS(FR/6AT)


アストン・マーティンの4ドア4シーターモデル「ラピード」が、次世代モデル「ラピードS」へと進化。その走りは、どう変わったのか? スペインのワインディングロードで試した。

単なる追加グレードにあらず

「新しい技術って、何だろうね。素晴らしいエンジンに、素晴らしいスタイル、素晴らしいボディーとシャシー……ほかに何が、スポーツカーに必要だっていうんだ?」

試乗前夜、自らもレーシングドライバーとしてニュルブルクリンク24時間レースなどに出場しているアストン・マーティンのボス、ウルリッヒ・ベッツ氏は、カタルーニャの郷土料理と地元自慢のワインを堪能するわれわれに、そう語りかけた。今年のジュネーブショーに登場した“馬力自慢”たちの話題になった際、無粋な誰かがドクター・ベッツに「アストン・マーティンはハイブリッドのような新技術で対抗しないのか?」と質問したからだ。

応えて彼は、こうも言った。
「1000馬力なんて、いったいどこの誰が操れるっていうんだ? スポーツカーに最も必要なのは、自分で運転して楽しいという感覚だろう? なあ、君たちもそうは思わないか!?」

「ラピードS」は、2009年のフランクフルトショーでデビューした「ラピード」の“追加グレード”ではなく、その“後継モデル”として、くだんのジュネーブショーでデビューした。4ドアのアストン・マーティンは、正式名=アストン・マーティン・ラゴンダ社にとって突然変異でも何でもなく、60年代に存在した「ラゴンダ・ラパイド」にその名の起源を求めることができる。
後継モデルとはいうものの、基本的なスタイリングは従来モデルとほぼ変わらない。フロントマスクと、トランクリッドの“つまみ上げ”が大きくなった程度である(もちろん十分なダウンフォースを得るためだ)。けれども、見ためにも「なかなか変わったぞ」と思えてしまうのは、大きな、とても大きなグリルが新たに与えられたからだろう。

ショーでは、ナンバープレートのない状態で飾られていた。だから、グリルの存在が余計に強調されてしまったきらいもある。中央のやや下方にプレートを置いてみれば、過激さも少し影を潜めるし、なにより伝統の作法にのっとった形状ゆえ、大きくても不思議と下品にはならず、嫌みにも映らない。

「アストン・マーティン ラピードS」は、5mを超える全長と3m近いホイールベースを有する大柄な4ドアモデル。従来型の「ラピード」は2009年に登場し、日本では翌2010年2月に披露された。
「アストン・マーティン ラピードS」は、5mを超える全長と3m近いホイールベースを有する大柄な4ドアモデル。従来型の「ラピード」は2009年に登場し、日本では翌2010年2月に披露された。
運転席まわりのデザインはクーペ「DB9」の流れをくむものだが、電動式パーキングブレーキは、レバー式のそれとは異なる。
運転席まわりのデザインはクーペ「DB9」の流れをくむものだが、電動式パーキングブレーキは、レバー式のそれとは異なる。
大人2人が余裕を持って座れる後席は、現行アストンの中で「ラピードS」だけに備わるもの。左右の席を分かつセンターコンソールや、ピラーに沿って切れ上がるドアの造形が特徴的だ。
大人2人が余裕を持って座れる後席は、現行アストンの中で「ラピードS」だけに備わるもの。左右の席を分かつセンターコンソールや、ピラーに沿って切れ上がるドアの造形が特徴的だ。

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