第22回:ようこそ夢の世界へ 
輸入車チョイ乗りリポート〜1000万円オーバー編〜

2013.04.09 特集

第22回:ようこそ夢の世界へ 輸入車チョイ乗りリポート〜1000万円オーバー編〜

 

クルマ好きなら一度はあこがれるスーパーカーや、大御所ブランドのハイエンドモデルなど、ため息モノの高級車が名前を連ねる「お値段1000万円オーバー」の世界。JAIA輸入車試乗会特集の締めくくりとして、今回はそんな夢の世界をのぞいてみよう。

ハンドルを離したくない
アウディS8……1580万円

大きくなったら何になりたいか、あれこれ考えを巡らすには大きくなりすぎてしまったが、将来「S8」をもし手に入れることができたら、平日は運転手付きで後席に乗って、休日は自らドライブしたい。
そんなことを考えながら試乗したのだが、そういった使い道は「S8」にはふさわしくない。

スポーティーなSモデルでも、可変ダンピングシステムを採用するアダプティブエアサスペンションによって、後席の乗り心地のよさは申し分ないのだが、理由はそんなことではない。自分でハンドルを握っていた方が圧倒的に楽しいのだ。
アウディドライブセレクトを「コンフォート」から「ダイナミック」に変更すると、躍り迫るような興奮がやってくる。
これまでよくできた執事のように粛々と働いていたのに、妖艶(ようえん)な天女のように色香を漂わす。これを他人にまかせてしまうのは、あまりにももったいない。

だからかどうかはわからないけれど、ショーファードリブンの後席にはつきものの、マッサージ機能が運転席(と助手席)に装備されている。これが試乗時、知らないうちに作動していて、このクルマをさらに妖艶に感じてしまったのはナイショだ。

(文=工藤考浩/写真=田村弥)

最高のSUV
ランドローバー・レンジローバー オートバイオグラフィー……1670万円

西湘バイパス上り線の橘料金所を通過してすぐのところに「S字」というほどではないが、ステアリングを右へ左へと切る部分がある。下り線の料金ブースを回避するためにそうなっているのだが、加速中にそこへ達すると、車線幅が狭めなので、スリリングな区間だ。特に背が高いのにパワフルなラグジュアリーSUVなどではおっとっとということになりやすい。

そこを、この巨大なSUVはこともなげに、本当に並のセダンよりも安心して、走り抜けてみせた。ラグジュアリーだとか、ハイパワーだとか、その両方だとか、悪路もすごいとか、このクルマについて言うべきことはいろいろあるのだろうが、あそこを右へ、左へ、揺り戻しなく走り抜けたという事実をもって、僕はこのクルマに最高のSUVという称号を贈りたい。

(文=塩見智/写真=峰昌宏)

惚れたら買い
メルセデス・ベンツCLS63 AMG シューティングブレーク……1680万円

長年、機能的に十分な信頼を寄せられ、ヒストリーも十分。だが、技術や伝統の面で高みに達したブランドが避けて通れない「若さがない」「色気に欠ける」といった批判も存在するメルセデス・ベンツ。そういった声に対する回答が、「Aクラス」であり、この「CLSシューティングブレーク」だ。個人的には、そんなたわ言になど耳を貸さず、最高の機能を若干やぼなスタイルでくるむ旧来のメルセデス道を極めてほしいのだが、商売だからそうもいかないのだろう。

乗ればいつものメルセデスだ。適切な基本設計と調整幅の大きいステアリングホイールやシートを備え、だれでも最適なドライビングポジションを得られる。そういう安心感がないと、「63 AMG」のとんでもないパフォーマンスを味わおうという気にならない。

美しいシューティングブレークの、さらにAMGということになると、少々決まりすぎで乗り手のルックスと行き先を選ぶきらいがないわけではないが、クルマが人を育てるケースもあるかもしれないので、惚(ほ)れたら買っちゃおうぜ。

(文=塩見智/写真=峰昌宏)

完熟スーパーカー
ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4……2476万4250円

デビュー10周年を前に、2度目のマイナーチェンジを受けた「ガヤルド」。
フロントとリアを「アヴェンタドール」や「セスト エレメント」を思わせるデザインにリファイン。よりシャープな印象となった。

いっぽう中身は、ほぼ変わらず。インテリアやトランスミッションなど、10年物を感じさせる部分もちらほら。でもステアリングを握ると細かいことは気にならなくなるのも以前のまま。アクセル踏むと快音が響いて、ず〜っと踏んでいたくなる、みたいな。危ないからやりませんけど。

あと、想像以上に乗り心地がいいんです、これ。熟成が進んで、驚くほど洗練された。いまや街中でも普通に乗れる。“パッションあふれる「アウディR8」”みたいなキャラクターは貴重。

そんなランボ史上最高のヒット作、ガヤルドにも、そろそろ生産中止のうわさが……。
1台、買っとく?

(文=webCG こんどー/写真=田村弥)

ガヤルドは今が旬
ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4スパイダー……2714万7750万円

早いもので、「ガヤルド」もデビューから11年目に入った。2012年の秋に発表された現行型がどうやら“the final”であるらしいことは、ファンの間ではもはや公然の秘密。そのポイントは、ランボルギーニ・デザインの象徴ともいえる三角形と台形がノーズとテールに組み込まれたことだ。主要なメカに変更はない、いわゆるフェイスリフトというやつである。

この手直し、本当に必要だったのか? と、乗るまで疑問符が付きまとった。ところが、なるほど、実際に乗ってみれば、外観にもう“ひと筆”加えて、完成度の高さをアピールしたかった気持ちがよくわかった。
ひとことで言えば、ガヤルドは今が旬。足まわりは、560psものパワーを完全に押さえつける一方で、これなら毎日乗れそう、と思えてしまうほど柔軟なタッチも持っている。オープンボディーもいまなお相当に固い。ターンインは鋭く、文字通りクモのように猛烈な勢いで路面をはいつくばる。
モデル末期特有の“枯れ”がなく、まだかなりの余力を残し、しかも脂がのっている。ガヤルドはおそらく「名車」。聞けば、現在までに実に約1万3000台がサンターガタの工場をラインオフしたそうだ。

(文=webCG 竹下/写真=田村弥)

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