SIM-Drive、第3号試作EVの「SIM-CEL」を発表

2013.03.27 自動車ニュース
SIM-Driveの先行開発車事業第3号「SIM-CEL」。
SIM-Drive、第3号試作EVの「SIM-CEL」を発表

SIM-Drive、第3号試作EVの「SIM-CEL」を発表

電気自動車(EV)の研究・開発を行うベンチャー企業 SIM-Drive(シムドライブ)は、EVの先行開発車「SIM-CEL(シム・セル)」を2013年3月27日に発表。実車を都内で公開した。


SIM-Drive、第3号試作EVの「SIM-CEL」を発表の画像
SIM-Drive社長を務める、慶応義塾大学教授の清水浩氏。「EVの技術をオープンソースで早く社会に広めるのが使命です」。
SIM-Drive社長を務める、慶応義塾大学教授の清水浩氏。「EVの技術をオープンソースで早く社会に広めるのが使命です」。
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■スポーツカー並みの加速が自慢

2009年8月の設立以来、EVの早期普及を目的に、パートナー企業を募ってはEVの試作を実施。関連する技術情報を開示してきた、EVベンチャーのSIM-Drive。
今回同社がお披露目したSIM-CELは、試作車の第3弾となるもので、2012年2月以降、26の企業/団体とともに開発が進められてきた。

車体の基本をなす技術としては、過去の試作車と同様に、4つの車輪それぞれにモーターが備わる「インホイールモーター」と、バッテリーなどの主要部品を包む「コンポーネントビルトイン式フレーム」を採用。ただし今回は、後席を廃して定員2名のクーペボディーとしたうえで、これまで以上の軽量化や空力性能の向上などが図られている。

実際のボディーサイズは、全長×全幅×全高=4840×1830×1400mm。後輪をおおうスパッツ部分には植物由来の樹脂を、それ以外のすべてのボディーパネルにはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いることで、スチールパネル使用時より79kg軽い、1580kgの車重を実現した。

対するアウトプットは、モーター1基あたりで65kW(88ps)と850Nm(86.7kgm)。システム全体としては4倍の260kW(352ps)、3400Nm(346.7kgm)と公称される。
最高速度は180km/hにとどまるものの、0-100km/h加速は4.2秒と、高性能スポーツカー並みのパフォーマンスを発揮する。なお、電池容量は29.6kWhで、80%充電に要する時間はCHAdeMOで1時間。1充電あたりの航続可能距離は324km(JC08モード)となっている。

「SIM-CEL」のユニークなリアビュー。1970年代のアニメ『カリメロ』の主人公を連想したのは筆者だけ? リアエンドはハッチゲートになっている。
「SIM-CEL」のユニークなリアビュー。1970年代のアニメ『カリメロ』の主人公を連想したのは筆者だけ? リアエンドはハッチゲートになっている。
「シェブロン スポイラー」と名付けられた“波打つウイング”は、単なる飾りにあらず。Cd値=0.199の空力性能に、大いに貢献するという。
「シェブロン スポイラー」と名付けられた“波打つウイング”は、単なる飾りにあらず。Cd値=0.199の空力性能に、大いに貢献するという。
こちらは、EVのパワーユニットをエンジンの代わりに搭載した「シトロエンDS3」。SIM-Driveが提供するコンバージョン型技術の例である。「今後は、既存の車体を生かしつつ容易にEV化するための、こうした技術にも力を入れたい」とは、SIM-Drive会長 福武氏の弁。
こちらは、EVのパワーユニットをエンジンの代わりに搭載した「シトロエンDS3」。SIM-Driveが提供するコンバージョン型技術の例である。「今後は、既存の車体を生かしつつ容易にEV化するための、こうした技術にも力を入れたい」とは、SIM-Drive会長 福武氏の弁。

■スマートグリッドも視野に

最新の先行開発車であるSIM-CELでは、過去の2モデルから一歩進んで、社会全体におけるエネルギー効率についても配慮されている。
研究開発のパートナー企業に住宅メーカーが名を連ねるとおり、SIM-Driveは今回から、スマートハウスやスマートシティー、そしてEVからなる“スマート・トランスポーテーション”を提案。大容量の電池を備えるEVを中心とした、よりスマートなエネルギー利用を実現するという。

発表会では、積水ハウス執行役員の石田建一氏もあいさつに立ち、「かつて、自動車メーカーはスマートハウスのことを考えてくれていないと感じたことがありました。ならばこちらで作ろうと思ったのが、SIM-Driveの活動に参加したきっかけです。今回、未来につながるEV開発は実現できたと思います」とコメント。
SIM-Driveの取締役会長である福武總一郎(そういちろう)氏も、「SIM-CELは、いままでの経験を生かしたEV開発の集大成。いいクルマができました」と自信をのぞかせた。

同社は同日、これに続く「先行開発車事業第4号」の始動を宣言。自動車関連企業や通信、ソフトウエア会社など14社の協力のものとで、今後1年をかけて、新たなEVを開発する。
その新型では、SIM-CELに生かされた技術に加えて、新たな4輪独立制御技術の開発、スマート・トランスポーテーションのさらなる拡大などが予定されている。

(webCG 関)


「SIM-Drive」ってナニ? 過去の関連ニュースはこちら

□電気自動車普及のための新会社「SIM-Drive」設立 (09.08.24)
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□SIM-Driveが第2号プロジェクトをスタート (11.01.26)
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□SIM-Drive、第1号試作EV「SIM-LEI」発表 (11.03.30)
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□SIM-Driveの試作EV「SIM-LEI」に同乗試乗 (11.04.04)
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□SIM-Drive、第2号試作EV「SIM-WIL」を発表 (12.03.28)
http://www.webcg.net/WEBCG/news/n0000026152.html

□SIM-Drive、EV第3号車も開発スタート (12.03.28)
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