「アウディR8」3チームからSUPER GT参戦へ

2012.03.24 自動車ニュース
会場に並べられた、Hitotsuyama RacingのSUPER GT参戦マシン「アウディR8 LMS」。
「アウディR8」3チームからSUPER GT参戦へ

【SUPER GT 2012】女性ドライバーもエントリー! 4台の「アウディR8」がSUPER GTに参戦

アウディジャパンは2012年3月22日、SUPER GTのGT300クラスへのマシン供給など、日本における2012年シーズンのモータースポーツ活動について、報告会を開催した。

アウディジャパン代表取締役社長の大喜多寛氏は、アウディがこれまで取り組んできたモータースポーツの歴史を紹介した。
アウディジャパン代表取締役社長の大喜多寛氏は、アウディがこれまで取り組んできたモータースポーツの歴史を紹介した。
「SUPER GTでは、それぞれのチームがもつ独自の味わいを楽しんでいただけたら」と語る、ノバ・エンジニアリングの森脇基恭取締役。
「SUPER GTでは、それぞれのチームがもつ独自の味わいを楽しんでいただけたら」と語る、ノバ・エンジニアリングの森脇基恭取締役。
「アウディR8 LMS ultra」で今年のSUPER GTに参戦する、チーム「apr」の面々。写真左から、チーム代表の金曽裕人氏、ドライバーの岩崎祐貴選手、同じくドライバーの坂本雄也選手。
「アウディR8 LMS ultra」で今年のSUPER GTに参戦する、チーム「apr」の面々。写真左から、チーム代表の金曽裕人氏、ドライバーの岩崎祐貴選手、同じくドライバーの坂本雄也選手。

■日本でも「戦うアウディ」を

アウディのモータースポーツ活動と聞いてまず思い起こされるのは、昨年通算10勝目を挙げたルマンでの栄冠か? それとも世界ラリー選手権(WRC)の世界に初めてフルタイム4WDを投入した「クワトロ」の功績だろうか?
どちらにしても、それは遠いヨーロッパにおける出来事で、日本のファンがその活躍を目の当たりにする機会はまれだった。しかし、昨年あたりから少しずつ状況が変わりつつある。そう、アウディのマシンが、日本のレースにも登場し始めているのだ。

そのベースになっているのは、GT3仕様の「R8」。GT3とは、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニ、アストン・マーティンといった名だたるスポーツカーメーカーが同じ土俵でしのぎを削るGTレースの一種で、現在、ヨーロッパを中心に、世界中で人気が急上昇している。「昨2011年シーズンのニュルブルクリンク24時間耐久レースが20万人を超す史上最高の観客数を集めたのも、各メーカーがこぞってGT3マシンを投入したからだ」といわれるほど、その注目度は高い。ちなみに、昨年のニュル24時間で、GT3クラスにあたるSP9クラスを制したのがGT3仕様の「アウディR8」、その名も「R8 LMS」だった。

同じ2011年、日本にも1台の「R8 LMS」が上陸し、Hitotsuyama Racingの手でスーパー耐久シリーズに参戦、ST-Xクラスのチャンピオンに輝いた。つまり、「R8 LMS」のポテンシャルの高さが、国内外で証明されたのだ。
いっぽう、GT3仕様のマシンは、国内最高峰のGTレースであるSUPER GTのGT300クラスにも出場できる。そこで、国内のレーシングチームが次々と「R8」をオーダー。今年はスーパー耐久シリーズから活躍の場を移すことになったHitotsuyama Racingを含め、実に4台がSUPER GTのGT300クラスにエントリーすることとなった。

参戦するのは、今季、2台エントリーに体制を拡充したHitotsuyama Racing(20号車:マイケル・キム/野田英樹、21号車:都筑晶裕/シンディ・アレマン)、GAINER(11号車:田中哲也/平中克幸)、apr(30号車:岩崎祐貴/坂本雄也)の3チーム。興味深いのは、GAINERやaprといった“実力派”が、今季新たにR8をチョイスした点だろう。

アウディがGT3仕様のR8を初めて世に送り出したのは2009年のこと。以来、世界中の376レースに出場し、実に118勝をもぎ取っている。それだけR8のパフォーマンスは高いわけだが、今季は、それまでの「R8 LMS」に代えて、さらにパワーアップが図られたニューモデル「R8 LMS ultra(ウルトラ)」が投入される。

この日は、SUPER GT初の女性ドライバーとなるシンディ・アレマン選手も姿を見せ、会場を沸かせた。
この日は、SUPER GT初の女性ドライバーとなるシンディ・アレマン選手も姿を見せ、会場を沸かせた。
こちらは、Hitotsuyama Racingの面々。野田英樹選手(写真右端)は、2010年の引退宣言以来、久々のレース復帰となる。
こちらは、Hitotsuyama Racingの面々。野田英樹選手(写真右端)は、2010年の引退宣言以来、久々のレース復帰となる。

日本におけるアウディ・スポーツの正規代理店であるノバ・エンジニアリングの森脇基恭取締役によると、2012年モデルの「R8 LMS ultra」は、左右のドアをカーボン製にするなどの軽量化が実施され、車重がこれまでの1290kgから1250Kgへと絞り込まれる。さらに、大型化したリアウイングを低い位置にマウントすることによるエアロダイナミクスの進化、フロントタイヤのワイド化、サイドブレードの形状変更によるエアインテーク面積の拡大といった改良も施され、2011年モデルよりもポテンシャルが格段に向上。先に岡山国際サーキットで行われた合同テストでも、はっきりとしたデータとなって表れるほどの、大きな性能差が見られたという。

ここで注目されるのが、Hitotsuyama Racingの動向だ。なぜなら、GAINERとaprが「2012年モデルのR8 LMS ultra」で参戦するのに対し、Hitotsuyama Racingが用意する2台は、いずれも2011年モデルだからである。
これに対し、アウディ・スポーツは2011年モデルを2012年モデル仕様にコンバージョンできるアップデートキットを発売。Hitotsuyama Racingも、おそらく第2戦以降は、アップデートキット装着のR8でSUPER GTを戦うことになると見られる。

ところで、このSUPER GT以外にも、今年はアウディ・スポーツの活躍を国内で楽しめることになりそうだ。というのも、今季よりスタートした世界耐久選手権(WEC)の第7戦が富士スピードウェイで10月14日に開催されるのである。ルマン24時間がシリーズの1戦として組み込まれたWECには、アウディ・スポーツのルマンカー「R18 TDI」も参戦しており、富士のレースにも出場を予定している。アウディのルマンカーが日本のレースに参戦するのは初めてのこと。“フォーリングス”のファンならずとも、10月の開催が待ち遠しく思われることだろう。

(文=大谷達也/Little Wing)

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