第298回:イタリア式コイン洗車場で発散せよ!

2013.05.31 エッセイ

洗車専任のおじさん

イタリアの春は普段から日本より遅く、5月まで待たなければならないが、今年はさらに天候がパッとせず雨続きである。そうしたなか「どうせやっても同じだぜ」と思うと、気持ちがなえるのが洗車だ。しかし、自分のクルマをきれいにすると、「おっ、まだまだ乗れるじゃないか」と思えてくる。
「スーパーマーケットに満腹で行くと、無駄な食品を買う気がなくなる」というのは昔からよく言われている節約法だが、自動車屋さんのショールームに行く前に、自分のクルマをひととおり磨いておくと、衝動買いを防げる。

今週は、イタリア式洗車場の話である。
ボクがイタリアにやってきた17年前、この地で洗車というと、まだガソリンスタンド併設の洗車機が主流だった。多くの場合、洗車機の横に専任のおじさんが一人座っている。洗車してほしい旨申し出ると、おじさんは面倒くさそうに立ち上がり、まずタイヤとホイールに水をかけてひととおり洗ってから洗車機を動かし始める。代金はスタンドではなく、おじさんに払う。料金表がないところも多く、旅先などではビクビク聞いたものだ。

大矢アキオ洗車の歴史。イタリア生活4年目にして初めて購入した中古車、1987年「ランチア・デルタ」を近所の共同井戸で洗う。
大矢アキオ洗車の歴史。イタリア生活4年目にして初めて購入した中古車、1987年「ランチア・デルタ」を近所の共同井戸で洗う。
次に手に入れた「フィアット・ブラーヴァ」を、洗車係のおじさんに頼んで機械にかける。(1998年)
次に手に入れた「フィアット・ブラーヴァ」を、洗車係のおじさんに頼んで機械にかける。(1998年)
これは当時の突発的パフォーマンス。
これは当時の突発的パフォーマンス。

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。