第3戦セパンでGT-Rがポール・トゥ・ウィン【SUPER GT 2013】

2013.06.17 自動車ニュース
No.12 カルソニックIMPUL GT-R。一時はトップの座をゆずったものの、終わってみればポール・トゥ・ウィン。

【SUPER GT 2013】第3戦セパンでGT-Rが今季初勝利

2013年6月16日、SUPER GTの第3戦がマレーシア・セパンインターナショナルサーキットで開催され、GT500クラスはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/J.P・デ・オリベイラ組)が、GT300クラスはNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が勝利した。

スタート前、熱気に包まれるセパンインターナショナルサーキットのグリッド。
GT500クラスのスタートシーン。写真手前のNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが、好調な滑り出しを見せる。
予選4位からスタートしたNo.100 RAYBRIG HSV-010。最終的に順位を一つ上げ、表彰台の一角をものにした。トップが狙えるほどの大健闘を見せた同じホンダのウイダー モデューロ HSV-010は、トラブルなどがたたって4位フィニッシュ。
2位に入った、No.39 DENSO KOBELCO SC430。3戦を終えて、ポイントランキングは3位につける。

■速さでわかせた、ウイダー モデューロ HSV-010

少しばかり奇妙なレースだった。No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/J.P・デ・オリベイラ組)は、前日の予選でポールポジションを獲得し、決勝でもスタートで順当にトップに立ったが、そのペースは決して速いとはいえなかった。おかげでレース序盤にして上位グループは“団子状態”になり、10周目までにはトップ8が7.5秒差に収まる接近戦となった。No.12 カルソニックIMPUL GT-Rが速いわけではないものの、抜くには至らない。そんな展開だった。

ところが、そうしたなかで圧倒的な速さを見せる一台が現れる。それがNo.18 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)だった。
No.18 ウイダー モデューロ HSV-010の速さは前日の予選でも際立っていた。実際、予選1回目で2番手のタイムをたたき出すと、予選2回目のタイムアタックでも周回の途中までは確実にポールポジションを獲得できるペースを示した。ところが、ドライバーの山本がミスを犯してコースアウト。予選2回目に進出したマシンとしては最下位の8番グリッドから決勝に臨んでいたのである。

「No.18 ウイダー モデューロ HSV-010の速さは異次元だった」 レース後に松田がそう語ったとおり、スタートを受け持った山本はトップグループを1~2秒も上回るペースで周回。4周目に7番手に浮上すると、6周目には上位陣で起きたアクシデントに乗じて3番手へとジャンプアップ。さらに9周目に2番手のNo.37 KeePer TOM’S SC430(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)をオーバーテイクし、そのまま松田が駆るNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rに迫ったのである。

ベテラン松田に対し、山本はじっくりと攻略のチャンスをうかがう。そして、プレッシャーに耐えかねた松田があるコーナーでアウトにはらんだ隙を見逃さず、山本はイン側から鮮やかにオーバーテイク、トップに立った。
首位に浮上した山本はその後の5周で松田を5.1秒差まで引き離す快走を見せる。そして25周目にNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rがピットに入ったのを確認すると、次の周にピットロードへと向かった。ところが、ドライバー交代、タイヤ交換、燃料補給の作業がすべて順調に終わり、マコヴィッキィがエンジンを再始動しようとしたところ、悪夢のようなことが起きる。なんと、エンジンがかからなくなってしまったのだ。2度、3度とクランキングを試みるマコヴィッキィ。結局、彼がピットから再スタートを切ったのは、20秒以上もロスした後のことだった。この影響で、No.18 ウイダー モデューロ HSV-010は7番手へと転落した。

勝利を喜ぶ、TEAM IMPULの面々。写真左から、J.P・デ・オリベイラ、星野一義チーム監督、そして松田次生。
GT300クラスは、「CR-Z」同士の争いとなった。
こちらは武藤英紀/中山友貴組のNo.16 MUGEN CR-Z GT。惜しくもクラス2位でフィニッシュしたものの、今回は予選からハイブリッドマシンの実力を見せつけた。
GT300クラスを制した、高木真一(写真左)と小林崇志のNo.55 ARTA CR-Z GT。

■カルソニックIMPULは課題の残る勝利

これでNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rはやすやすとトップに返り咲くことができた。幸い、2番手のNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)、3番手のNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史組)のペースもさほど速くはなく、どうにかトップのまま最後まで走り切れそうな気配である。
ところが、ここでマコヴィッキィが鬼神のごとき追い上げを見せる。なんと、トップグループを2~3秒ほど上回るペースで失地を挽回し始め、あっという間に5番手へと返り咲いたのだ。
しかし、マコヴィッキィの追撃もここまで。4番手を走るNo.37 KeePer TOM’S SC430の伊藤が絶妙のブロックラインでマコヴィッキィの行く手を封じ、攻略を許さなかったからだ。しかも、レース終盤が近づくと、それまでの猛追がたたったのか、No.18 ウイダー モデューロ HSV-010のペースは落ち始め、No.37 KeePer TOM’S SC430に引き離されるようになる。そしてトップ5のオーダーが変わらないまま、レースはファイナルラップを迎えた。

映像でははっきりと捉えられなかったので、何が起こったのかはわからない。しかし、No.37 KeePer TOM’S SC430はどうやらGT300車両をオーバーテイクしようとした際に接触、コースアウトを喫してタイヤをパンクさせてしまったのだ。この結果、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rが優勝。No.39 DENSO KOBELCO SC430が2位、そしてポイントリーダーのNo.100 RAYBRIG HSV-010が3位に入って表彰台に登壇。No.18 ウイダー モデューロ HSV-010は一つ繰り上がって4位でフィニッシュした。

しかし、予選でのミス、そしてピットストップでの不運がなければ、勝利を手にしたのは、間違いなくNo.18 ウイダー モデューロ HSV-010だったはず。結果的にポール・トゥ・フィニッシュを果たしたとはいえ、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rにとっては課題の残る一戦になったといえる。

一方のGT300クラスでは、ホンダ勢のNo.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)とNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)がフロントロウを独占。決勝でも2台が3番手以下を引き離しながら激戦を繰り広げ、結果的にNo.55 ARTA CR-Z GTがCR-Zにとって念願の初優勝を果たした。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。