【スペック】全長×全幅×全高=4625×1800×1440mm/ホイールベース=2810mm/車重=1560kg/駆動方式=FR/2リッター直4DOHC16バルブターボ(245ps/5000rpm、35.7kgm/1250-4800rpm)/価格=586万円(テスト車=678万1000円)

BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)【試乗記】

クラスを制する完成度 2012.03.14 試乗記 BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)
……678万1000円

約7年ぶりにフルモデルチェンジを果たした「BMW 3シリーズ」に試乗。最新型に対する、巨匠 徳大寺有恒の評価のほどは……?

BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)【短評】

BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)【短評】
1961年にデビューした「ノイエ・クラッセ」こと「BMW1500」。ドイツ語の“Neue Klasse”は、英語でいえば“New Class”で、それまでのBMWのラインナップとは異なる、新たなコンセプトに基づいた新たなクラスのモデルであることを意味していた。SOHCヘミヘッドのエンジン、フロントがストラット/コイル、リアがセミトレーリングアーム/コイルの4輪独立懸架など、その後BMW各車に長らく使われるメカニズムを採用しており、「5シリーズ」のルーツにあたる。
BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)【短評】

もうひとつの伝統

松本英雄(以下「松」):今日の試乗車は大物ですよ。この2月に世界同時発売されたBMWの新型「3シリーズセダン」の、日本市場における先鋒を務める「328i」です。
徳大寺有恒(以下「徳」):「328i」というグレード名からは2.8リッターのストレート6を連想しがちだが、エンジンは2リッターの直4ターボなんだよな。

松:そうなんです。BMWジャパンによれば、日本市場向けの新型3シリーズの直6搭載車は、今秋導入予定の「アクティブハイブリッド3」のみだそうですよ。
徳:それについて、「BMWなのに純粋なシルキーシックスが味わえないとは……」という声があるようだが。
松:そうですね。

徳:たしかにBMWの直6はすばらしい。私自身、その魅力について散々訴えてきた。だが、4気筒だっていいんだよ。そもそも「ノイエ・クラッセ」以降の近代BMWは4気筒から始まったわけだし、市販高性能ターボ車の先駆けである「2002ターボ」や初代「M3」だって4気筒だった。

松:ノイエ・クラッセに積まれてデビューした、型式名「M10」と呼ばれる4気筒は名機ですよね。あれをベースにしたレーシングエンジンの「M12」は、1970年代から80年代にかけてF2やスポーツカーレースを席巻したし、さらにターボ化した「M12/13」はF1のチャンピオンエンジン(注1)に輝いたんだから。

徳:1.5リッター直4のシングルターボで、過給圧を上げた予選仕様では1000ps以上出してたってヤツだろう?

松:ええ。しかも驚くことに、シリンダーブロックは市販車用エンジンのラインから抜いてきたものを特殊加工して使っていたそうなんですよ。
徳:いかに基本設計が優れていたかっていうことだな。

松:ですよね。ところで、巨匠はかつて何台もBMWを所有しておられましたが、最初に買ったのはなんですか?
徳:グリーンの「1600-2」。「2002」と同じ2ドアボディーに1.6リッターを積んだモデルだが、けっこう速かったよ。

後の「3シリーズ」の祖先となるコンパクトな2ドアセダンで、1966年に1.6リッターエンジンを積んだ「1600-2」がデビュー。翌67年以降、高性能版の「1600TI」や2リッターエンジン搭載の「2002」などバリエーションを増やしていった。写真は「2002」。
BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)【短評】
新型「BMW 328i」のフロントには、2リッター直4ターボエンジンが縦置きされる。直6モデルは、モーター付きの「アクティブハイブリッド3」として、2012年秋の導入が予定されている。
BMW 328iラグジュアリー(FR/8AT)【短評】

松:「1600-2」は後に「1602」と改称した、「02シリーズ」の第1弾ですね。いわば3シリーズのルーツでしょう。3シリーズといえば、たしか先々代(E46)にも乗ってましたよね。
徳:乗ってた。シャンパンゴールドの「330」。

松:あの色はよかったですね。BMWの都会的なイメージをいっそう引き立ててました。
徳:昔から言われていることだが、BMWはドイツのメーカーのなかでもっとも南に位置することもあって、雰囲気が明るくてシャレてるんだよな。
松:加えてエンジンの魅力ですよね。直4も直6も、V8もV12も全部いい。


注1)チャンピオンエンジン
1983年、M12/13を搭載した「ブラバムBT52」を駆ったネルソン・ピケがF1のドライバーズタイトルを獲得した。


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