EVの航続距離はこれで解決!「電源トレーラー」

2013.08.12 自動車ニュース
ルノーのEV「ZOE」に連結された電源トレーラー「EPテンダー」。本体の全長は1.2m。
ルノーのEV「ZOE」に連結された電源トレーラー「EPテンダー」。本体の全長は1.2m。

EVの航続距離はこれで解決!「電源トレーラー」

電気自動車(EV)の航続距離の短さは、いまだその普及のネックになっている。そうした中、フランスのベンチャー企業が考えたのは、なんと発電用エンジンを搭載したトレーラーだ。

「EPテンダー」の上部には、ラゲッジ用ラックも備わる。


    「EPテンダー」の上部には、ラゲッジ用ラックも備わる。
写真では見えないが、後退を容易にするため、必要なときだけせり出す小さな補助輪が内蔵されている。
写真では見えないが、後退を容易にするため、必要なときだけせり出す小さな補助輪が内蔵されている。
「EPテンダー」の内部。ジェネレーターを駆動するのは、「タタ・ナノ」の直列2気筒600ccエンジン。
「EPテンダー」の内部。ジェネレーターを駆動するのは、「タタ・ナノ」の直列2気筒600ccエンジン。

「EPテンダー」と名付けられたトレーラーは、商品と同名のフランス企業によって開発された。インド製小型車「タタ・ナノ」用の600ccガソリンエンジンでジェネレーターを駆動することにより、最大22kWhの電力をEVに供給する。燃料タンク容量は35リッターで、小型のEVなら約600kmの航続距離を実現できるという。
なお通常のトレーラーよりも後退時の運転操作が楽になるよう、必要なとき下降する小径ホイールが内蔵されている。

EPテンダー社は、「EPテンダーによって、EVは自動車趣味の人や富裕層のセカンドカーではなく、中流家庭のファーストカーとなるだろう」と胸を張る。同社は、まずこの電源トレーラーを2015年までにレンタル方式で提供開始する考えだ。

このEPテンダー、いわば「シボレー・ボルト」「オペル・アンペラ」のようなレンジエクステンダー型EVのエンジン部分を、トレーラーで引いて走るアイデアといえよう。またけん引式とは、キャンピングカー、ボート、馬匹などの輸送で、トレーラー文化に慣れた欧州らしい発想といえる。

EVの短い航続距離を克服するアイデアといえば、2013年5月に倒産してしまったイスラエルのベタープレイス社を思い出す。バッテリーをカートリッジ式にして、一般車のガソリンスタンドに相当する専用ステーションで無人自動交換するシステムだった。

かつて蒸気機関車の時代、米国や英国ではノンストップ給水すべく、レールの間に細長いプールを作っておき、そこにスクープを下ろして水をすくい上げるシステムが開発された。
EVの世界でも、バッテリー性能が向上して航続距離が伸びるまで、今回のEPテンダーのように、さまざまな試みが行われることだろう。

(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/写真=EP Tender)

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