新型「メルセデス・ベンツSクラス」日本上陸

2013.08.23 自動車ニュース
「メルセデス・ベンツSクラス」(写真は「S550ロング」)
「メルセデス・ベンツSクラス」(写真は「S550ロング」)

新型「メルセデス・ベンツSクラス」日本上陸

メルセデス・ベンツ日本は2013年8月23日、都内で「メルセデス・ベンツSクラス」の新型を発表した。受注は同年10月1日に始まり、翌11月上旬より順次納車される見込み。

サイドビュー。「クーペを思わせる流麗なフォルム」と形容される。
サイドビュー。「クーペを思わせる流麗なフォルム」と形容される。
新型「Sクラス」では、全てのランプがLED化された。夜間および信号待ちなどの際にブレーキランプやウインカーの明るさを抑える機能も備わる。
新型「Sクラス」では、全てのランプがLED化された。夜間および信号待ちなどの際にブレーキランプやウインカーの明るさを抑える機能も備わる。
水平基調のインストゥルメントパネルを持つ、新型「Sクラス」のインテリア。写真はAMGモデルのもの。
水平基調のインストゥルメントパネルを持つ、新型「Sクラス」のインテリア。写真はAMGモデルのもの。
こちらは、右ハンドル車の室内。
こちらは、右ハンドル車の室内。
「ファーストクラスの快適性を実現した」という、「ショーファーパッケージ」装着車の後席。
「ファーストクラスの快適性を実現した」という、「ショーファーパッケージ」装着車の後席。

■軽量化と燃費が自慢

メルセデス・ベンツのフラッグシップ「Sクラス」が、8年ぶりのフルモデルチェンジを果たした。
「“最高の自動車"を目指して開発された高級車の新基準」とうたわれる新型Sクラスは、ボディーのアルミ使用率を上げて軽量化を進め、一部グレードには新世代のハイブリッドシステムを搭載。安全装備をはじめ、各種ハイテク機能をさらに進化させたクルマだ。

上質で威厳を感じさせるエレガンスに、先進的で躍動感のあるデザインを融合させたとされるエクステリア。前後ヘッドランプともLEDを多用するのが、21世紀のSクラスらしい。
ボディーサイズは、エントリーモデルの「S400ハイブリッド」の場合、全長×全幅×全高=5116×1899×1493mm(以下数値は全て社内参考値)。数字はわずかに大きくなったが、実質的にはほとんど変わらない。先代で3035mm(ロングホイールベース版は3165mm)だったホイールベースも、そのままだ。

アルミニウムの使用率を50%以上とした「アルミニウムハイブリッドボディーシェル」は、旧型と比較して約100kgの軽量化を実現したうえ、ねじり剛性は約50%向上しているという。Cd値=0.24という、空気抵抗の小ささも新型のジマンだ。

今回、日本に導入されるのは、以下の5種類。

・「S400ハイブリッド」:1090万円
・「S400ハイブリッド エクスクルーシブ」:1270万円
・「S550ロング」:1545万円
・「S63 AMGロング」:2340万円
・「S63 AMG 4MATICロング」:2340万円

ハンドルの位置は、S63 AMG 4MATICロングのみ左。S550ロングは左右から選べ、他は全て右となる。

当面のベーシックモデルとなるS400ハイブリッドには、「BlueDIRECTハイブリッドシステム」を採用。最高出力306ps、最大トルク37.7kgmと、旧型と同じスペックの3.5リッターV6に、アウトプットを増した27ps、25.5kgmを発生する電気モーターが組み合わされる。バッテリーは、リチウムイオン式だ。
回生ブレーキやモーターアシストに加え、条件によっては35km/hまで電気モーターのみの走行が可能となった。高速巡航時には、パワープラントを切り離して燃費向上を図る「セーリング機能」も備わる。燃費効率は、従来モデルに比べ約2割の向上を達成したという。参考までに、欧州NEDC総合燃費は15.9km/リッター。日本では、エコカー減税の対象となるはずだ。ちなみに、先代の10・15モードでのカタログ燃費は、11.2km/リッターだった。

S550ロングは、ツインターボで過給する4.7リッターV8を搭載。最高出力は、先代比20psアップの455ps、最大トルクは0.1kgm細い71.3kgmとなる。精緻な燃料噴射を行うピエゾインジェクターを使った直噴ユニット。約8%の燃費向上を果たした、欧州NEDC総合モードの燃費値は11.6km/リッター。このグレードも、エコカー減税対象となろう。

3.5リッターV6エンジンをベースとする、ハイブリッドモデルのパワーユニット。燃費は15.9km/リッター(欧州NEDC総合)と公称される。


    3.5リッターV6エンジンをベースとする、ハイブリッドモデルのパワーユニット。燃費は15.9km/リッター(欧州NEDC総合)と公称される。

新型「メルセデス・ベンツSクラス」日本上陸の画像

S63 AMGロングおよびS63 AMG 4MATICロングは、先代同様、5.5リッターV8ツインターボを搭載。とはいえ、アウトプットはさらに増大し、最高出力585ps(従来比+41ps/パフォーマンスパッケージ比+14ps)、最大トルク91.7kgm(同+10.1kgm)の値を得た。それでいて、燃費は従来モデルより向上しているという。
それには、「AMGライトウェイトパフォーマンス・ストラテジー」と名付けられた軽量化策が奏功しているのだろう。軽量リチウムイオンバッテリー、AMG鍛造アルミホイール、コンポジットブレーキシステム、カーボンファイバー製トランクフロアなどが具体例。ホワイトボディーの状態で、これまでより約100kg軽くなった。

リッチなメルセデス・ベンツオーナーにとって、注目すべきモデルが、S63 AMG 4MATICロング。SクラスのAMGモデルとして初めて、AMG専用四輪駆動機構「AMG 4MATIC」を搭載している。この4WDシステムは、前後のトルク配分を、後輪重視の33:67とし、ロッキングトルクを50Nm(5.1kgm)と低めに設定。高速走行時のコーナリングやコーナー立ち上がりなどでの高い操縦性を確保している。スポーツ走行時に、コーナリング中に内側のホイールにわずかにブレーキをかけて正確なコーナリングを手助けする、「カーブダイナミックアシスト」も装備した。0-100km/h加速=4.0秒を誇る、ハイパフォーマンスサルーンだ。

なお足まわりは、S63 AMGロングが「AMGスポーツサスペンション」。S63 AMG 4MATICロングは、専用開発の電子制御エアサスペンション「AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション」となる。

そのほか、排気音を変化させる「AMGスポーツエグゾーストシステム」を装備したのが新しい。これは、「Sモード」や「Mモード」時に、可動式のエグゾーストフラップを開き、サウンドを迫力あるものにするシステムである。


新型「メルセデス・ベンツSクラス」日本上陸の画像
メーターのアップ。アナログの計器盤がアニメーションで表示される。
メーターのアップ。アナログの計器盤がアニメーションで表示される。
AMGモデルのフロントシート。
AMGモデルのフロントシート。

新型「メルセデス・ベンツSクラス」日本上陸の画像

新型「メルセデス・ベンツSクラス」日本上陸の画像

■さらに安全に、もっと快適に

新型Sクラスは、ハイテク装備もさらに充実した。その一つが、フロントガラス上部に設置された「ステレオマルチパーパスカメラ」である。

画角45度に設置されたそれは、最大15m前方まで、路面の凹凸を認識できる。道路の状態をスキャンして、瞬時にスプリングストラットやダンパーのオイル流量を加減。足まわりの硬さを変えることでボディーに伝わる衝撃を減らし、フラットな乗り心地を確保する。一歩進んだアクティブサスペンションをして、メルセデスは「マジックボディコントロール」と命名。「“快適な乗り心地"の概念を根本から変える」と豪語する(S550ロングではオプション。S63 AMGロングには標準装備)。

ステレオマルチパーパスカメラは、もちろん、安全面でも活用される。安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ(RSP)」における、従来の短距離/中長距離ミリ波レーダーに、ステレオマルチパーパスカメラが加わったわけだ。

ステレオカメラによって、約50m先の路面まで、3次元映像データとして立体的に捉えることができる。この情報を独自のアルゴリズムで分析。先行車両、対向車、横切る車両、そして歩行者などを検出し、危険と判断すると、ブレーキ圧をあらかじめ高め、運転者のブレーキ操作に備える。ドライバーが反応しない場合は、軽いブレーキで警告し、最終的には自動緊急ブレーキが作動する(「BASプラス<飛び出し検知機能付きブレーキアシスト・プラス>」と「PRE-SAFEブレーキ<歩行者検知機能付き>」)。

前走車に追従し、速度をコントロールして車間距離を維持する便利なクルーズコントロール「ディストロニック・プラス」は、新たに「ステアリングアシスト付き」となった。レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラで、行く先のカーブと先行車両をモニタリング。ステアリング操作をアシストすることで、先行車両への追従がより容易になったという。

新型Sクラスは、快適性も追求した。まず、「エアバランスパッケージ」こと14個のエアクッションを使ったマッサージ機能に、温熱機能が加わった。「世界初のホットストーン式マッサージ」を搭載と、メルセデスは胸を張る(前席:S400ハイブリッド エクスクルーシブ、AMGモデルに標準装備。S550ロングにオプション設定。後席:S550ロング、AMGモデルにオプション設定)。

「ショーファーパッケージ」では、助手席側後席のリクライニング量を43.5度まで拡大。レッグレストとフットレストと組み合わせることでファーストクラスの快適性を実現した。もちろん、後席からも助手席のシートポジションやヘッドレストの折り畳みをコントロールできる。そのうえ、座面内側に「SRSクッションバッグ」を装備。シートバックを倒した状態で衝突が発生した場合に、乗員がシートベルトの下をくぐりぬけるサブマリン現象を防止する(S550ロング、AMGモデルにオプション設定)。

安全面では、「SRSベルトバッグ」「リアアクティブベルトバックル」を挙げることができる。前者は、前面衝突時に後席左右のシートベルトストラップの幅を約3倍に膨張させる機能。後席乗員の肩部や胸郭にかかる衝撃を軽減し、負傷のリスクを低減する。
「リアアクティブベルトバックル」は、後席ドアを開けた際に後席左右のシートベルトバックル(受け側)を約5cmリフトアップ。先端部を光らせて着用しやすくする。乗員がベルトバックルを挿入すると電気モーターによって自動的に引き込み、腰部や胸部のベルトの弛(たる)みを減らしてくれる(S400ハイブリッドを除く全モデルにオプション設定)。

メルセデス・ベンツは、新型Sクラスに関わる新機能を、大きく3つに分ける。安全性、快適性、効率性を高次元で融合する「インテリジェントドライブ」、究極の快適性を追求する「エナジャイジングコンフォート」、そして徹底した効率向上を狙った「エフィシェントテクノロジー」である。
陸の王者たる「メルセデス・ベンツSクラス」の最新モデル。マーケットの反応や、いかに!?

(文=青木禎之)

→新型「メルセデス・ベンツSクラス」の詳しい写真はこちら

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

Sクラス セダンの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • メルセデス・ベンツE400 4MATICエクスクルーシブ(4WD/9AT)【試乗記】 2016.12.2 試乗記 3.5リッターV6ターボエンジンに4WDシステムを組み合わせる、新型「メルセデス・ベンツEクラス」の上級モデルに試乗。先行して発売された2リッター直4ターボ車とは異なる、その走りの質を報告する。
  • BMW 523dラグジュアリー(FR/8AT)【試乗記】 2017.3.2 試乗記 全方位的進化を遂げた新型「BMW 5シリーズ」。部分自動運転を可能とし、燃費も大幅に改善するなど話題に事欠かないが、実際に運転してひしひしと伝わってきたのは車体の“軽さ”だった。「523dラグジュアリー」に試乗した。
  • メルセデスAMG E63 S 4MATIC+(4WD/9AT)【海外試乗記】 2017.1.7 試乗記 新型「メルセデス・ベンツEクラス」のラインナップに加わった最強モデル「メルセデスAMG E63 S 4MATIC+」に試乗。Eクラス史上最強の612psを誇るスーパーサルーンの走りをポルトガルの公道とサーキットでチェックした。
  • 「谷口信輝の新車試乗」――BMW 540i Mスポーツ(前編) 2017.3.23 mobileCG SUPER GTや86/BRZ Raceで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回のテーマは新型「BMW 540i」。全方位的進化を遂げた“駆けぬける歓び”を、谷口はどう評価するのだろうか?
  • フェラーリがV8ターボ、4人乗りの「GTC4ルッソT」を発表 2017.3.16 自動車ニュース フェラーリが「GTC4ルッソT」を日本初公開。2016年10月のパリモーターショーで世界初公開されたフロントエンジンの4座モデルで、最高出力610ps、最大トルク77.5kgmの3.9リッターV8ターボエンジンが搭載されている。
ホームへ戻る