「水野和敏的視点」 vol.14「トヨタ86」

2013.09.06 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.14「トヨタ86」

R35型「日産GT-R」の生みの親であり、育ての親である水野氏が、クルマの本音を語り尽くす『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。日本のスポーツカー文化を再興すると意気込む「トヨタ86」は、“ミスターGT-R”の目にはどう映っているのだろうか。


「水野和敏的視点」 vol.14「トヨタ86」の画像 拡大

「水野和敏的視点」 vol.14「トヨタ86」の画像 拡大

「水野和敏的視点」 vol.14「トヨタ86」の画像 拡大
トヨタ86GT“リミテッド”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4240×1775×1300mm/ホイールベース:2570mm/車重:1230kg/駆動方式:FR/エンジン:2リッター水平対向4 DOHC 16バルブ/トランスミッション:6段MT/最高出力:200ps/7000rpm/最大トルク:20.9kgm/6400-6600rpm/タイヤ:(前)215/45R17 (後)215/45R17/燃費:12.4km/リッター(JC08モード)/価格:297万円
トヨタ86GT“リミテッド”
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4240×1775×1300mm/ホイールベース:2570mm/車重:1230kg/駆動方式:FR/エンジン:2リッター水平対向4 DOHC 16バルブ/トランスミッション:6段MT/最高出力:200ps/7000rpm/最大トルク:20.9kgm/6400-6600rpm/タイヤ:(前)215/45R17 (後)215/45R17/燃費:12.4km/リッター(JC08モード)/価格:297万円 拡大

■“迷い”がカタチに!?

「トヨタ86」についてまず言いたいのは、前回も述べたとおり、スポーツカーとして何を主張したいのか、どういった存在感を出したいのかということ。商品として“存在の主張”をもっと打ち出してほしいし、実行してほしいということです。

86を見ていると、開発が進んだ後から修正したと思われる部分があり、「原価のせいでこうしました」というような、“なっちゃった的な商品感”が拭えません。そのため、とても残念なことに、全体が中途半端になってしまっている感じを強く覚えてしまうのです。

例えば、エクステリアデザイン。「最初に、狙いとするプロポーションのクレイモデルを作りました」「風洞にかけて空気抵抗とリフトを減らすために、横からの空気とルーフラインを流れてくる上からの空気を分離することを目的として、ヘッドランプやテールランプのレンズを、途中で角部に凸を付けた形状に変更しました」「そんな事情から、法規への対応を含め、レンズの表面のカタチは当初とは違うものとなりました」と、そんな具合です。

また、ランプユニットは、「すっきりと滑らかなスポーツプロポーション+シンプルな真空蒸着メッキ1色」という当初の狙いから、「実用車のような凸形状に変更したレンズ+スポーティーでシンプルな真空蒸着メッキ1色」という組み合わせへと変更になったのではないでしょうか。

このような場合、通常はランプユニットの内部面に黒かグレーの塗装を追加して、形状補正をしてみせるのが一般的です。しかし、当初の原価構成から蒸着メッキ1色のままとし、形状変更と塗装での補正はしなかった、というのが実情ではないでしょうか。

きっと、デザイナーが線を引いた時点でのヘッドランプは、もっとプロポーションの中に溶け込んでいたはず。それゆえ、塗装もシンプルなものが良かったのでしょう……。そんな流れを想像せざるを得ないんですね。

こんな具合に、86のエクステリアを見ていると、開発の進め方や後からの技術的修正が、そのまま外観に表れてしまっているように思えてなりません。だから私には、市販された86を見て良いとか悪いとかいう論議はできません。
そして私は、インテリアの仕様や走りの部分にも、同じようなことを感じてしまうのです。(つづく)

※この記事はmobileCG会員限定です。
mobileCG有料会員に登録すると続きをお読みいただけます。

(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

【アクセス方法】

◇スマートフォンサイト◇

ブラウザのURL欄に「http://www.webcg.net」と入力するか、左の「QRコード」を読み取ってください。
または、検索エンジンで「webCG」と検索してもアクセスできます。

【初月無料キャンペーン実施中!】
クレジットカードでの初回登録に限り、ご契約いただいた日からその月の末日まで、無料でご利用いただけます。
»詳しくはこちら

◇ケータイサイト◇

左の「QRコード」を読み取ってください。
または、検索エンジンで「webCG」と検索してもアクセスできます。

関連キーワード:
86トヨタ

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • トヨタ86 GR(FR/6MT)【試乗記】 2018.4.5 試乗記 モータースポーツで培ったノウハウを生かし、足まわりやシャシーに特別なチューニングが施された「トヨタ86 GR」。市街地からワインディングロードまで走らせてみると、このモデルならではの“ピュアな味”に驚かされることになった。
  • 谷口信輝の新車試乗――トヨタ86 GR(前編) 2018.5.3 mobileCG レーシングドライバーの谷口信輝が歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くす! 今回のお題は、スペシャルチューンが施されたトヨタのFRスポーツカー「86 GR」。86に造詣の深い、プロフェッショナルの反応は……?
  • BMW M5(4WD/8AT)【試乗記】 2018.4.19 試乗記 初代のデビューから30年以上の歴史を持つ、BMWのハイパフォーマンスセダン「M5」に試乗。6代目にして初めて4輪駆動システム「M xDrive」を採用した、その走りとは? 最高出力600psオーバーを誇るライバル車との比較を交えつつリポートする。
  • アストンマーティンDB11 V8(FR/8AT)【試乗記】 2018.3.26 試乗記 アストンマーティンの主力モデル「DB11」に仲間入りした、V8エンジン搭載車に試乗。メルセデスAMGの手になるパワーユニットを与えられた新型は、この英国ブランドの将来性を感じさせるエネルギーに満ちあふれていた。
  • ホンダ・クロスカブ110(MR/4MT)【レビュー】 2018.4.21 試乗記 ビジネス用途の「スーパーカブ」をベースに開発された、ホンダの小型バイク「クロスカブ」。その最新型は、「単なるバリエーションモデル」と割り切れない、独自の魅力を持っていた。
ホームへ戻る