プジョーの主役は新型「308」【フランクフルトショー2013】

2013.09.12 自動車ニュース
「プジョー308」。完全な新型だが、車名は従来型から引き継いだ。
「プジョー308」。完全な新型だが、車名は従来型から引き継いだ。

【フランクフルトショー2013】プジョーの主役は新型「308」

フランス勢の見どころは、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に真っ向から勝負をかける新型「プジョー308」である。対するルノーブースでは、ミニバンコンセプトの「ルノー・イニシャル パリ」が新しいフレンチラグジュアリーを提案し、観衆を集めていた。

高性能仕様の「プジョー308Rコンセプト」も公開された。270psの1.6リッターターボユニットを積む想定。
高性能仕様の「プジョー308Rコンセプト」も公開された。270psの1.6リッターターボユニットを積む想定。
7人乗りの「シトロエン・グランドC4ピカソ」。
7人乗りの「シトロエン・グランドC4ピカソ」。
シトロエンの将来のCラインを示唆するコンセプトカー「カクタス」。
シトロエンの将来のCラインを示唆するコンセプトカー「カクタス」。
新しいフレンチミニバンを提案する「ルノー・イニシャル パリ」。
新しいフレンチミニバンを提案する「ルノー・イニシャル パリ」。
「イニシャル パリ」の室内。
「イニシャル パリ」の室内。

■「ゴルフ」に真っ向勝負を挑む新型「プジョー308」

プジョーの新型Cセグメントモデルは、車名を従来型から引き継ぎ「308」と呼ばれる。言うまでもなく、Cセグメントマーケットの王者「フォルクスワーゲン・ゴルフ」と真っ向からぶつかるモデルだ。前後ライト類の処理、ボディーサイドのプレスラインなど、エクステリアデザインをひと目見て、ゴルフを意識しながらも、ゴルフにはならないようにと念じながら開発したように察せられる。

もっとも、シートに腰掛けると、インテリアはプジョー独自の方法論で作られていることわかる。小径ステアリングホイールと上からのぞき込むようなドライビングポジションは、ひとサイズ下の「208」と同じ手法。また、前後オーバーハングを切り詰め、さらにドライバーの着座姿勢を“立たせる”ことによって、車内スペースを犠牲にすることなく全長を抑えている。ボディーのスリーサイズは全長4253×全幅1804×全高1457mmと、Cセグメント車の中でもコンパクトな部類である。

また、インテリアでは極力ボタンの数を減らし、その分の操作系統をセンターコンソール中央の9.7インチモニターパネルのタッチパネル「プジョー i-コックピット」で行うようにしている点が新しい。運転中のドライバーの視線移動量を減らすだけでなく、情報をパソコンやスマートフォンのように階層構造に集約することにより、操作の煩雑さを避ける工夫もしているという。

刮目させられるのは、重量が旧型よりも140kgも軽くなっていることだ。スチールを用いながら大幅な軽量化に成功したのは、308が「EMP2」と呼ばれる新しいプラットフォームを採用しているから。プジョーは「軽さを生かして軽快なフットワークを実現しています」と主張しているが、ショーに先立って行われたヨーロッパのメディア向け試乗会では、ゴルフとの走りっぷりの違いが数多く報告されたという。エンジンは、ガソリンが1.2リッター直3ターボ(82ps)と2種の1.6リッター直4ターボ(125/155ps)で、ディーゼルが同じく2種の1.6リッター直4ターボ(92/115ps)の、合計5機種が用意される。

同じグループのシトロエンは、Cラインの将来を示唆するコンセプトカー「カクタス」と、ミニバンの「C4ピカソ」を展示した。C4ピカソは5人乗りで、「グランドC4ピカソ」が7人乗りだ。後者が今回、ワールドプレミアとなる。両車のプラットフォームは同じだが、ボディーの全長とホイールベースが違う。日本には両方ともに輸入される予定という。

「ルノー・メガーヌ」シリーズがフェイスリフトを受けた。写真は「メガーヌ ルノースポール」。
「ルノー・メガーヌ」シリーズがフェイスリフトを受けた。写真は「メガーヌ ルノースポール」。
2014年からFIAフォーミュラE選手権を戦う「ルノーSRT_01E」が公開された。270psのモーターによって、0-100km/h加速は3秒。カーボンとアルミニウムによるシャシーはダラーラ製。
2014年からFIAフォーミュラE選手権を戦う「ルノーSRT_01E」が公開された。270psのモーターによって、0-100km/h加速は3秒。カーボンとアルミニウムによるシャシーはダラーラ製。
「ルノー・デジール」(2010年)。ミドシップレイアウトの2シーターEVクーペ。ルノーは今回、過去の3台のコンセプトカーも併せて展示した。
「ルノー・デジール」(2010年)。ミドシップレイアウトの2シーターEVクーペ。ルノーは今回、過去の3台のコンセプトカーも併せて展示した。
「ルノー・キャプチャー」(2011年)。クロスオーバーのコンセプトカー。
「ルノー・キャプチャー」(2011年)。クロスオーバーのコンセプトカー。
「ルノー Rスペース」(2011年)。スポーティーな乗用バンを提案した。
「ルノー Rスペース」(2011年)。スポーティーな乗用バンを提案した。

■フレンチラグジュアリーを提案する「ルノー・イニシャル パリ」

一方、ルノーブースに華を添えていたのが3列6座シートの大型ミニバンコンセプト「ルノー・イニシャル パリ」。ミニバンという最も世俗的なものを、よくもここまでデコラティブかつデカダンに作り上げたものだと感心させられた。プロポーションはミニバンそのものだが、細部の凝りようは尋常ではない。クルマのどの部分を取っても、ほかと同じもの、今まで存在していたものは一切なく、“ほかのミニバンとは一線も二線も画してやろう”という気概がにじみ出ている。

そうしたディテールを挙げていけばキリがないが、まず目を引くのがトラス模様というかハニカム模様というか、独特のパターンがホイール、床、ドアサイド、フロントバンパー下、テールランプユニットの中(!)まで、あらゆるところに配されていて、強烈なアクセントとなっている。

インテリアはもっと凝っている。イームズのラウンジチェアのようなシートはファッション界ではやり始めているグラデーション色だし、天井にも独特の装飾が施されている。展示車両に近づけないのでよく見えなかったが、メーターも機械式高級腕時計を思わせた。きっと驚かされるような中身なのだろう。
ノブひとつ、スイッチひとつおろそかにせず、吟味に吟味を重ねてデザインしている。デザインに注ぎ込まれたエネルギーと時間を想像すると圧倒されてしまう。それは会場の誰にも伝わっているようで、プレスデイ2日目でも多くの取材陣を集め、通りかかった人はみんなカメラやスマートフォンを向けていたくらいだ。

(写真=金子浩久、写真=金子浩久、IAA)

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