第203回:「驚き」こそがランボの流儀
ランボルギーニの開発責任者、マウリツィオ・レッジャーニ氏に聞く

2013.09.27 エッセイ
フランクフルトショーで「ガヤルドLP570-4 スクアドラコルセ」を披露するヴィンケルマンCEO(写真中央)とレッジャーニ氏(一番左)。

300万ユーロ(約4億円)の限定モデルを発売したり、翼のない戦闘機を思わせるモノポストのスーパースポーツカーを披露したりと、このところランボルギーニの創造性は、向かうところ敵なしといった感じだ。新型「ガヤルド」(車名は「カブレラ」か?)の登場が近いとウワサされるなか、同社の研究・開発部門でディレクターを務めるマウリツィオ・レッジャーニ氏に、猛牛が荒ぶるワケを聞いた。

マウリツィオ・レッジャーニ氏は1982年、エンジニアとしてのキャリアをマセラティでスタートさせた。1998年にランボルギーニへ移籍し、「ムルシエラゴ」プロジェクトのリーダーを務めた。2006年から現職。1959年モデナ生まれ。

ランボルギーニはカーボンファイバーの造形や生産方法を研究する部署として、2010年に「アドバンスト・コンポジット・リサーチ・センター(ACRC)」をサンタガタ・ボロネーゼの本社内に開設した。
2010年のパリモーターショーで公開されたコンセプトカー「セストエレメント」。ランボルギーニが持つ軽量化技術を世に示すために作られた。カーボンファイバーを多用し、車重を999kgに収めている。

パワー・ウェイト・レシオこそがカギ

――早速ですが、われわれは次期「ガヤルド」について関心があります。

お話しできることはごくわずかですよ。

――ありがとうございます(笑)。では、まずエンジンについておうかがいします。いま、V型10気筒エンジンについてどうお考えですか? 2003年にガヤルドが発表になった当時、フォーミュラワンのエンジンもV10で、ある種のファッションでもありました。

問題はシリンダーの数ではありません。スーパースポーツカーに関する現在の問題は、排ガス、税制、CO2排出に関するルールに従いながら、どうやってブランドのDNAを守っていくかです。
理想を言うなら、スーパースポーツカーにとってベストの選択は自然吸気エンジン。それも、シリンダーの数は可能な限り多いほうがいい。これは本音です。しかし将来、規則が厳しくなればなるほど、おそらくターボチャージャーが装着されたり、気筒数が減らされたり、場合によってはハイブリッドカーになるなんてことがあるかもしれません。でもわれわれは、“スポーティヴネス”とベストの妥協を図らねばならない。可能な限り、パフォーマンスとエモーションというランボルギーニのDNAを守らねばならないのです。

――ランボルギーニにとって、キーテクノロジーのひとつはカーボンです。次のスモールランボはどうなりますか?

次のスモールランボについてはコメントできませんが、言えることはパワー・ウェイト・レシオはランボルギーニのすべてのモデルにとって基本だということ。車重を可能な限り低く抑えなくてはなりません。
数年前に、われわれはマニフェストを発表しました。パワー・ウェイト・レシオは将来のスーパースポーツカーのカギであり、重量はパワーよりも重要です。このマニフェストがわれわれの柱であり、すべての車両開発の基本となっています。

――ギアボックスについてはどうですか? 現在、依然としてシングルクラッチのシーケンシャルトランスミッションが使用されています。次のステップはデュアルクラッチということになりますか?

新型車についてはお答えできませんが、われわれはマーケットでベストの技術を追いかけています。クラッチがシングルであるか、デュアルであるか、あるいはトリプルであるかどうかは問題ではありません。スーパースポーツカーの将来にとってベストの解決策を採用します。
そして、エモーショナルなシフトスピードを実現し、重量、そして車両レイアウトやパッケージを考慮しなければなりません。重要なことは、車両全体で見てベストはなにか、ということです。

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