スバル「アイサイト」にステアリング制御を追加

2013.10.04 自動車ニュース
デモンストレーション用の車両に装備されていた、新型「アイサイト」の試作品。

スバル、次世代「アイサイト」にステアリング制御を追加

富士重工業は2013年10月2日、ステレオカメラシステムの改良や操舵(そうだ)制御の追加などを施した、次世代「EyeSight(アイサイト)」の詳細を発表した。

「アイサイト」の機能やこれまでの販売実績などについて説明する、スバル技術本部長の武藤直人氏。
ステレオカメラの性能向上を説明するデモンストレーションの様子。
改良されたステレオカメラの映像。「スバルXV」のテールランプについた赤い「×」マークに注目。システムが前方の車両、歩行者とともに、テールランプの点灯を認識していることが分かる。

■日本での累計販売台数は15万台を突破

アイサイトはステレオカメラを利用したスバル独自の安全運転支援システムである。自動ブレーキ機能を備えた現在の「バージョン2」は2010年5月に実用化されたもので、国内における搭載車の累計販売台数は15万台を突破(2013年9月末現在)。現在では国内におけるスバルの全販売台数の約8割が、アイサイトの搭載車で占められているという。

システムの特徴は、自動車だけではなく、歩行者、バイク、自転車、道路上の白線(車線)なども認識できる点にあり、自動ブレーキシステムの「プリクラッシュブレーキ」や「プリクラッシュブレーキアシスト」に加え、「全車速追従機能付きクルーズコントロール(以下ACC)」「AT誤発進抑制制御」「車間距離警報」「車線逸脱警報」「ふらつき警報」「先行車発進のお知らせ」など、さまざまな機能を備えている。

今回の改良のポイントは、ステレオカメラの性能向上とカラー画像化、操舵制御機能の追加などで、それに伴い各機能の性能が向上したほか、「レーンキープアシスト」などの新たな機能が追加されている。

 

■ステレオカメラの性能を改善

今回の改良ではステレオカメラの性能を大幅に向上させた。視野角と視認距離をともに40%拡大することで、より早い段階で対象物の認識が可能となった。また映像についても、これまでモノクロだったものをカラー化。認識エリアの拡大と相まって、より多くの対象物を複数同時に認識できるようになったほか、前走車のブレーキランプや赤信号などの識別を可能とした。

これにより、プリクラッシュブレーキは対象物との衝突を回避、もしくは衝突の被害を軽減できる速度差が、従来の30km/hから50km/hに高められた。ACCについても、より自然な加減速制御やコーナーでの追従性の改善などを実現しているという。

 

■クルマがドライバーのハンドル操作を支援

次世代アイサイトには、新機能として自動操舵による「レーンキープアシスト」が設定されている。
レーンキープアシストは「車線中央維持」と「車線逸脱抑制」の2つの機能から構成されており、前者はACCの作動中に、自車が車線内の中央を走行するようステアリングを自動で操作するというもの。一方後者は、自車が車線からはみ出しそうになると、警報を発するとともに車線内にとどまる方向へとステアリングを操舵し、車線からの逸脱を抑制するというものだ。

いずれも約65km/h以上の車速で、システムが車両両側の白線を認識していることが作動の条件となっている。ただし、前者は無操作状態(ドライバーがハンドルから手を離している場合など)では機能を停止。後者の作動には、専用のスイッチを押す必要があるなど、運転の主体はあくまでドライバーという姿勢を通している。

 

■導入は2014年発売予定の新型車から

このほかにも、今回の改良では「AT誤後進抑制制御」と「危険回避アシスト」の2つの機能をシステムに追加した。

AT誤後進抑制制御は、後退時のペダルの踏み間違いによる事故の回避、もしくは被害軽減を図るもので、セレクターがR(リバース)ポジションに入っている状態で急なアクセルの踏み込みを検知すると、エンジンの発生する出力を抑制。同時にブレーキをかけるというものだ。また、この機能には「後退速度リミッター」も備えられており、ドライバーが後退時の走行制限速度を設定すると、アクセルを踏み込んでもそれ以上の速度がでないよう制御される。

一方の危険回避アシストは、ドライバーによる衝突回避の操作を支援するというものだ。具体的には、システムが先行車などの前方障害物との衝突の危険を察知すると、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)の姿勢制御が作動。内輪にブレーキをかけることで、ドライバーの衝突回避操舵を支援する。

スバルは、今回発表した次世代アイサイトを、2014年に国内で発売予定の新型車から随時導入すると発表。またこれらの技術をもとに、自動運転システムの開発を進めていくとしている。

(webCG)
 

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