JPNタクシー コンセプト:実現の可能性は大いにあり

2013.11.21 コレはゼッタイ!
トヨタJPNタクシー コンセプト
トヨタJPNタクシー コンセプト

JPNタクシー コンセプト:実現の可能性は大いにあり

タクシーキャブ専用モデルのプロポーザルというのは、洋の東西を問わず、昔からショーモデルの定番のひとつだった。とはいうものの、そうしたアイデアが具体化されたという話を聞いたことがない。そもそもこれまでに実用化されたタクシーキャブ専用モデルというのも、筆者の知る限りでは1958年に登場した「オースチンFX4」に始まる歴代のロンドンタクシーと、かつてアメリカに存在した「チェッカー」ぐらいしかないのである。

■背景にはタクシー業界の切実な事情が

だが、この「JPNタクシー コンセプト」は、これまでのプロポーザルとはちょっと意味合いが異なるようだ。というのは、今日のタクシーキャブの主流である「トヨタ・コンフォート」や「クラウンセダン」は、安全基準適合の問題などから今後そう長くは生産できないといわれており、代替車種が必要となるからだ。だったら現在も一部のタクシーで使われている「プリウス」でいいじゃん、という声もあるかもしれないが、もともとタクシーキャブとしての使用を想定した設計ではないため、本格採用には無理がある。というわけで、現時点においてタクシーキャブのリーディングブランドであるトヨタとしては、ビジネスとしてだけでなく、トップメーカーとしての社会的責任からも、次世代タクシーキャブの開発は避けては通れない事柄であろう。

そうした理由から、JPNタクシーコンセプトはマジなコンセプトモデルであるに違いない。会場で見たところでは、まだ走行不能なモックアップのようだったが、トヨタのコンパクトカーのなかでは優れたデザインだったと思う初代「ラウム」と往年の「AMCペーサー」を掛け合わせたような、とがったところのない造形は好感が持てた。いったん製品化されたら相当長期間にわたって作り続けられ、トヨタが自ら述べているように「日本の街の風景を変える」存在となるだけに、今後は細心の注意を払いつつどんどんデザインがブラッシュアップされていくことだろう。はたして完成形はどんな感じになるのか、期待を抱かせる。

(文と写真=沼田 亨)
 

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