有鉛仕様に無鉛ガソリンを入れたらダメ?

2011.12.24 クルマ生活Q&A ガソリン・オイル

古いクルマが好きで何台か乗ってきました。ヨーロッパのヒストリックカーなどは有鉛ハイオク仕様のエンジンが多く、近年は手に入らないガソリンですので、有鉛用の添加剤を無鉛ハイオクに混ぜて使用しています。ここで質問ですが、そもそも鉛は何のために配合されていたのでしょうか? また、有鉛仕様車に無鉛ガソリンを入れて使用するとエンジンが壊れると聞きますが、具体的にはどのような問題が発生するのでしょうか?

お答えします。かつてガソリンに鉛(アルキル鉛)を添加していた理由は、大きくわけて2つあります。
ひとつはオクタン価を上げて、アンチノック性を高めること。ガソリンエンジンは圧縮比を上げると燃効率が高まり出力が向上しますが、異常燃焼(ノッキング)を起こしやすくなります。そこで鉛を添加してオクタン価を上げると、異常燃焼の発生が抑えられたのです。

もうひとつの理由は、バルブまわりの潤滑。燃焼室の頭部には、吸排気バルブを受けて燃焼室の気密を保つバルブシートという部品があるのですが、高温にさらされ、またバルブ開閉時の衝撃によって摩耗しやすい環境に置かれています。鉛にはこのバルブシートを潤滑し、バルブ開閉の衝撃を緩和して摩耗を抑える役割があったのです。

質問にある「有鉛仕様車に無鉛ガソリンを入れるとエンジンが壊れる」というのは、鉛による潤滑がなくなることによって、バルブシートが異常摩耗し、バルブまわりに不具合を起こして性能低下することを意味しています。それを防ぐために、質問にあるように添加剤を入れたり、またバルブシートを無鉛ガソリン用に交換したりするわけです。

しかし、欧州車を中心に古いクルマを何台か乗り継いできた私の経験では、有鉛ハイオク仕様に無鉛ハイオクを入れても、不具合を起こしたことはありませんでした。その体験から、毎日実用に供して、長年にわたって乗り続ければ不具合が起きるかもしれないが、趣味の対象としてたまに乗るくらいならば、そのままでも問題ないのではないかと考えています。
とはいえ車種や過去の使用状況によって個体差があるので、絶対に大丈夫とは言えません。すでにバルブシートの摩耗が進んでいたら、不具合を起こす可能性は高いかもしれません。そのいっぽうで、前の所有者によって無鉛対策が施されている可能性だって、考えられないことではないでしょう。

結論としては、質問のように添加剤を入れているのであれば問題ないと思います。そしてエンジンをオーバーホールする機会があれば、バルブまわりをチェックして、必要とあれば無鉛ガソリン用に対策すればいいのではないでしょうか。