第236回:「ガヤルド」を超えるか?
「ランボルギーニ・ウラカン」を学ぶ“テックデイ”に参加

2014.04.12 エッセイ
ランボルギーニ・スタイルセンターのボス、フィリッポ・ペリーニ氏と「ウラカン」。
ランボルギーニ・スタイルセンターのボス、フィリッポ・ペリーニ氏と「ウラカン」。

ランボルギーニ史上、最大の成功作となった「ガヤルド」の後継車なら、“守りのモデルチェンジ”という選択肢もあっただろう。しかし、彼らは新作「ウラカン」を世に送り出すにあたり、進化の手をゆるめはしなかった。ランボルギーニの本拠地、サンターガタ・ボロネーゼでウラカンの構造を学ぶ「テックデイ」が開催された。その“攻め”の内容には、ただただ感服するしかなかった。
 

デイタイム・ライニングライトを光らせて、鋭い表情で会場入りする「ウラカン」。
デイタイム・ライニングライトを光らせて、鋭い表情で会場入りする「ウラカン」。
会場にはストリップダウンされた、ランニングシャシー状態の「ウラカン」(手前の銀の車両)も用意された。
会場にはストリップダウンされた、ランニングシャシー状態の「ウラカン」(手前の銀の車両)も用意された。
研究開発部門を率いるマウリツィオ・レッジャーニ氏。
研究開発部門を率いるマウリツィオ・レッジャーニ氏。
5.2リッターV10自然吸気ユニットは610ps(449kW)/8250rpmと57.1kgm(560Nm)/6500rpmを発生。直噴とポート噴射を併用する機構(イニエツィオーネ・ディレッタ・ストラティフィカータ<IDS>と呼ばれる)が備わる。欧州複合モード燃費は12.5リッター/100km(8km/リッターに相当)。
5.2リッターV10自然吸気ユニットは610ps(449kW)/8250rpmと57.1kgm(560Nm)/6500rpmを発生。直噴とポート噴射を併用する機構(イニエツィオーネ・ディレッタ・ストラティフィカータ<IDS>と呼ばれる)が備わる。欧州複合モード燃費は12.5リッター/100km(8km/リッターに相当)。

直噴とポート噴射を使い分けるV10エンジン

ジュネーブショー開幕直前。筆者はサンターガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社を訪れていた。2013年末、ランボルギーニ社創立50周年という節目の年の締めくくりとして発表された新型スーパーカー「ウラカンLP610-4」の全容を明らかにするテックデイが開催されたのだ。

いつものように、チェントロスティーレ(デザインセンター)でカンファレンスが始まる。今回はなんと、アウディの研究開発部門のトップであるウルリヒ・ハッケンベルク氏の熱い語りでスタートした。そして、社長兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏が登壇したのち(インタビュー記事はこちら)、具体的なプレゼンテーションがスタート。

まずは、ウラカンのエンジニアリングトピックについて、ランボルギーニの研究開発部門のディレクター、マウリツィオ・レッジャーニ氏が解説する。

「競合車よりも高性能であること。つまりこのクラスにおけるベンチマークになることを目標にしました。そのために、重量を増やさずボディー剛性を50%以上引き上げて、次元の違う性能を実現しようとしたのです。カーボンファイバーとアルミニウムのハイブリッドボディー構造こそ最良の解決策でした」

スーパーカーの肝心であるエンジンは、5.2リッターのドライサンプV10である。とはいえ、「ガヤルド」や「アウディR8」用とは(現時点では)違って、デュアルインジェクション・システムを備えた最新バージョンである。

このシステムは、負荷状態に応じて燃料の噴射方式を変えるというもの。発進や加速といった高負荷時には燃料を直接シリンダー内に噴射(=直噴)して12.7:1という比較的高めの圧縮比とする一方で、一定速走行などの低負荷時にはポート噴射を使って燃料消費を抑え、排ガスをクリーンにする仕掛けだ。中間の負荷走行域では、両方の噴射システムを効率よく使用する。これにより、自然吸気(NA)V10エンジンをユーロ6排ガス規制に対応させた。

ちなみに、首脳陣は大排気量NAエンジンを「欠くべからざるランボルギーニの魅力だ」と語ったが、ハッケンベルク氏は将来のダウンサイジングを否定しなかった。

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