日本勢の主役は「マツダ・ロードスター」【ニューヨークショー2014】

2014.04.21 自動車ニュース

「マツダ・ロードスター」の25周年に合わせ、マツダは計11台の歴代ロードスターを集結させた。


    「マツダ・ロードスター」の25周年に合わせ、マツダは計11台の歴代ロードスターを集結させた。

【ニューヨークショー2014】日本勢の主役は「マツダ・ロードスター」

2014年4月16日に開幕したニューヨーク国際オートショー2014。日本勢では、マツダが「ロードスター」の25周年を祝う展示を行い、会場の注目を集めた。迎え撃つアメリカ勢の展示と合わせて、その様子を紹介しよう。

「マツダMX-5ミアータ 25thアニバーサリーエディション」
「マツダMX-5ミアータ 25thアニバーサリーエディション」
1995年のシカゴショーに出品されたコンセプトカー「M-スピードスター」。
1995年のシカゴショーに出品されたコンセプトカー「M-スピードスター」。
写真は1989年のシカゴショーに出品されたコンセプトカー「クラブレーサー」。
写真は1989年のシカゴショーに出品されたコンセプトカー「クラブレーサー」。

■主役は小さなオープンカー

日本のメーカーで最も注目を集めていたのは、マツダであろう。ディスプレイは2つに分けられ、メイン会場となったジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターの3階を占めたのは「MX-5」すなわち「マツダ・ロードスター」であった。実はロードスター、今回のショーで25周年の記念イベントを催したのである。デビューは1989年のシカゴショー。以来総生産台数は90万台を超え、このジャンルのモデルとしては今もギネス記録を更新し続けている。そして、このうちの大半が実はアメリカで販売されているのだそうだ。

そんなロードスターの25周年を記念して、アニバーサリーモデルが披露された。といっても販売されるのはアメリカ市場のみ。それもわずか100台の限定生産だそうだ。「ソウルレッドプレミアムメタリック」という鮮やかな赤のボディーに、黒のリトラクタブルハードトップを装備したこのクルマ、ほかにもヘッドランプベゼルをブラックにしたり、ガンメタリックの17インチ10スポークアルミに205/45R17サイズの「ブリヂストン・ポテンザRE050A」を装着したりといったドレスアップが図られている。またボディーには、シリアルナンバーの入った記念プレートが装着される。なお、この記念車に限らず2014年モデルのMX-5は、シートおよびスカッフプレート部分に、25周年のロゴが入れられるという。
さらにマツダは、25周年の記念ディスプレイとして、歴代ロードスター全11台を展示。中にはレアなクーペモデルやアメリカのレースを戦った競技用車両などもあり、「ミアータ」の愛称で親しまれたこのクルマが、いかにアメリカの車社会にしっかりと根を下ろしているかを伺わせた。

次期型「マツダ・ロードスター」のベアシャシー。


    次期型「マツダ・ロードスター」のベアシャシー。
フロントに縦置きされたエンジン。マツダのスカイアクティブ車の中でも、FRの駆動方式をとるのは次期型「ロードスター」が初となる予定だ。
フロントに縦置きされたエンジン。マツダのスカイアクティブ車の中でも、FRの駆動方式をとるのは次期型「ロードスター」が初となる予定だ。
フロントサスペンションのアップ。マツダは次期型「ロードスター」について、現行モデルと比較して100kg以上の軽量化を目指すとしている。
フロントサスペンションのアップ。マツダは次期型「ロードスター」について、現行モデルと比較して100kg以上の軽量化を目指すとしている。

■次期モデルはより軽く、よりコンパクトに

もちろん、展示はこれだけには終わらない。ハイライトは、次世代ロードスター用のニューシャシーが披露されたことだ。一見現行型と大差ないように見えるそのシャシーについて、カンファレンスでは主査の山本修弘氏が「サボったように思えるだろうが……」というジョークを交えながら解説し、周囲の笑いを誘っていた。しかし実際には、そのシャシーはロードスター史上最もコンパクトかつ軽量に仕上げ、さらに重量物を車体中心に寄せた構造としているのだとか。また、ロードスターとしては初めて、直噴エンジンに代表される「SKYACTIV(スカイアクティブ)」技術と組み合わされることも注目に値する。似て非なりとはまさにこのことで、見た目は似ていても使用パーツは全てニューだそうだ。

そして、このシャシーはアルファ・ロメオの次期型「スパイダー」に使用されることでも注目されている。アルファは今回のショーに「4C」を持ち込んでおり、発売の暁にはおそらくスパイダーもアメリカ市場における戦略車となるだろう。なお、マツダとの共有パーツは60%ほどではないかといわれている。
この他の日本メーカーでは、スバルから新しい「アウトバック」が、アキュラからは「TLX」がニューモデルとして登場している。

映画『トランスフォーマー4』の展示エリア。ロゴの描かれた壁の大きさときたら! 手前に立つ警備員や展示車両が小さく見える。
映画『トランスフォーマー4』の展示エリア。ロゴの描かれた壁の大きさときたら! 手前に立つ警備員や展示車両が小さく見える。
今回のショーでお披露目された「シボレー・コルベットZ06コンバーチブル」。
今回のショーでお披露目された「シボレー・コルベットZ06コンバーチブル」。
コンパクトSUVの「シボレー・トラックス」。
コンパクトSUVの「シボレー・トラックス」。
GMが展示を行ったノースホールの様子。
GMが展示を行ったノースホールの様子。

■迎え撃つアメリカ勢の動向は……

もうひとつ特別な存在だったのは、やはりゼネラルモーターズ(GM)だ。他のメーカーすべてがジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター3階のフロアに集中していたのに対し、GMだけはノースホールという独立した一つの建屋全てを占領して展示をしていたのだ。しかも、その入り口には映画『トランスフォーマー4』の出演車両を展示。現場では、警備員を配置して写真撮影にまで指示を出すほど厳重な警戒が敷かれていた。
ちなみに『トランスフォーマー4』は、アメリカではこの夏公開される予定だ。新しい「バンブルビー」、すなわち「シボレー・カマロ」は目元を大きくモディファイした映画専用モデルに変身。C7世代の新しい「シボレー・コルベット」や、初代カマロも登場する。

そのGMがショーに投入したニューモデルは、コルベットの「Z06コンバーチブル」。コルベットの高性能バージョンに追加された、オープンモデルである。このほか、コンパクトSUVの「シボレー・トラックス」も、ついにアメリカ市場での販売が始まる。フロア全てを独占したディスプレイは、さながらその昔GMが全米で独自に開催していたモーターショー「モトラマ」を彷彿(ほうふつ)させる。

とはいえ、真のニューモデルとして注目を浴びるような新型車は、GMのみならずフォードやクライスラーからも登場せず、今年のニューヨークショーは海外勢に占拠された印象が強かった。またコンセプトカーの少なさも、ショー全体をやや地味な雰囲気にした感が否めなかった。

(文と写真=中村孝仁)
 

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